見出し画像

【2022年1月】キャリア選択を考える。機械設計の転職動向とその比較

こんにちは、リヴィです!

普段は機械設計として仕事をしつつ、ブログ「ものづくりのススメ」を運営しております。

さぁ、まだまだコロナ禍が続く中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?落ち着く気配がありませんが、なんとか皆さんと乗り越えて行けたらと思います。

私の簡単なプロフィールですが、

・2015年4月:新卒一括採用で大企業の機械メーカに就職。産業機械、FA機械の機械設計職に。
・2020年8月:ベンチャーの機械メーカへ転職。産業機械、FA機械の機械設計職に。
・2022年1月:ベンチャーの機械設計会社に転職。産業機械、FA機械の機械設計職に。(現在)

といった感じです。プロフィールのとおり、私はつい最近自身のキャリアを見直し、転職をしたばかりです。

この記事では、私がキャリアを見直す過程で収集した情報および私のキャリア選択の考えなどをみなさんに共有していきたいと思います。

当時私が考えていたキャリアの選択肢ですが、

  • メーカに転職し、開発・設計の仕事をする

  • 設計会社に転職し、設計に注力する

  • フリーランスとなり、設計の事業を行う

の3つを考えていました。

これら3つの選択肢について考える上で、転職活動そのものをしていたことはもちろんですが、転職エージェントに様々な質問をしてみたり、個人で設計をしている知り合いや、ツイッターのフォロワーの方々にインタビュー等をしながら情報収集をしていました。

色々と考えた上で最終的には設計会社へ転職をするという決断をしたのですが、その決断をする過程で得た情報や考え方が私以外にも、

  • 「今の会社でやりたいことをやらせてもらえなくて悩んでいる・・・」

  • 「今の会社に大きな不満はないけど、一度しかない人生だから別のこととかに挑戦してみたい気がするなー」

  • 「もっと働きやすい職場環境ってないのかなー、やっぱりこの業界ってしんどい仕事しかないのかなー」

  • 「今の会社の将来にあまり期待ができないんだけど、他の会社の雰囲気ってどうなのかなー」

  • 「今って転職の温度感どんな感じなのか知りたいなー」

  • 「転職についてちょっと考えたことあるけど、なんか面倒臭そうだし、周りから変な目で見られそうなのが嫌でやめちゃったんだよなー」

  • 「副業とかフリーランスとかで稼ぐ人ってよく見かけるけど、機械設計の場合のハードルってどんなもんなのかなー」

という方に役立つと思い、情報共有していこうかと思います。


【世の中の機械設計の転職動向】

最近20~30代を中心に、転職を考える人とというのは増えてきております。パーソルキャリアによると、「転職に対するイメージ調査(2021年7月)」では、「ボジティブ・どちらかというとポジティブ」と答えた人の割合が、

20~29歳:66.6%
30~39歳:62.5%
・40~49歳:54.5%
・50~59歳:49.1%
・60~65歳:52.8%

https://www.persol-career.co.jp/pressroom/news/research/2021/20210706_02/

といった感じです。

「いやいや、転職サイトの調査なんて、そんなに当てにならないでしょ?」

というのは、おっしゃるとおりかと思います笑。でも、私の知人や元同僚と話をしていても、

「実はちょっと転職サービスに登録だけしてみたんだよねー」

という人は半数ぐらいいるので、調査結果はおおよそ外れてはいないかなーと思います。その中には大企業に勤めている友人たちも少なくないです。

しかし、転職について考えている人は多いものの「実際に転職した」という人は、機械系は特に少ないです。

先程のパーソルキャリアの調査で、「職業別の転職経験回数(2021年7月)」では、転職回数が0回 の人の割合について、全13職種中

・金融系専門職:66.5% (1位)
・技術職(電気機械系エンジニア):61.9% (3位)
・その他メーカー系技術職:55.6% (5位)
・クリエイター・クリエイティブ職:35.7% (13位)

となっています。個人的には、機械設計の仕事内容ってクリエイティブ色が強いと思うのですが(笑)、俗に言うクリエイター・クリエイティブ職と比べると大きな差がありますよね。これについても、私の肌感とだいたい同じかなぁと思います。

ここまでを要約すると、私のような若手・中堅の機械系の方々は、

転職そのものにはポジティブだけど、転職を経験した人は非常に少ない

ということになります。その理由についてですが、私が何人かと話を聞いた感じからの推測だと、多くの人が「そもそも転職活動にガッツリ取り組めていない」のだと思います。

私も経験したのでわかりますが、転職活動をまじめにやろうとすると、

  • ・仕事や家庭での時間の合間という限られた中で(残業もありますし・・・)、

  • 就活のときにトラウマになった自己分析をもう一度やって、

  • その上で業界分析・企業分析をし、志望動機を作成して、

  • さらには面接対策もして、

といったように、かなりの労力がかかる割に、どれだけ頑張っても就職活動自体では1円も稼ぐことができません。私も初めての転職活動のとき、

  • 仕事をしつつ、

  • ブログを書きつつ、

  • 夜泣きする子供を抱っこしつつ、

やっていたので、だいぶしんどかったです笑。

なので、

とりあえず転職サイトをポチってみたけど、求人を数件紹介されただけでお腹いっぱいになっちゃった・・・」

という人がほとんどではないでしょうか?

そんな大変な転職活動ですが、「それでもなぜ転職活動をするのか」「転職活動にどんなメリットがあるのか」というと、

・「ほんとは自分ってどういう人生を歩みたかったんだっけ?」「自分にとって豊かな生活ってなんだろう?」を把握することができるから(「もし生まれ変わったら・・・」ではなく、転職活動で生まれ変われます)

・「新卒のときに抱いていた仕事に対する気持ち」が変化していたことに気づくから(なんとなく抱えているモヤモヤを、エージェントさんがうまく言語化してくれます)

業界のトレンドがわかるから(トレンドが下がっている業界だと、たとえスキル・能力が高くても、そもそも仕事がないです)

・どういった経験スキルの需要が高まっているのか(世の中に需要のある経験スキルがないと、今の時代は「45歳リストラコース」です)

・自分の給料が、世の中の給料水準と比べてどうなのかがわかるから(機械設計の方々の中に、結構低い賃金で働いている方をそこそこ見かけます)

・ここまでエージェントさんにアドバイス・情報提供などしてもらっても全部無料だから(転職エージェントは転職希望者から1円もお金を取りません)

などがあるからです。ちなみに1回目の私の転職活動については、こちらの記事で公開しています。興味のある方は見てみてください。


【キャリアを見直そうと思ったきっかけ】

ここで、私がキャリアを見直そうと思った理由についてお話します。

それは、2021年10月頃に「適応障害で休職」になったためです。

当時とあるプロジェクトの設計・組立・試験等を行っていた最中だったのですが、

  • プロジェクトの進捗が大幅に遅れていた上に、

  • コロナ禍の影響(社内に陽性者が出たり、保育園の休園によって出社が困難になったり)で仕事がはかどらなかったり、

  • 試験がうまくいかず、何度もやり直しすることになってしまったり、

  • 社内で揉め事が絶えず発生していたり、

といった状況が数ヶ月にわたっており、毎日ほぼ終電まで仕事をしていました(「そもそも、なんでこんな事態になったのか?」という話は割愛します)。そんな中で、ある時期から耳鳴りと頭痛がするようになってきてしまいました。

最初はちょっとした疲れかと思っていたため、バファリンやユンケルを飲みながら仕事をしていました。でも、布団で寝ようとしても頭の中でずっとセミが「ガジャガジャ」鳴いていたり、さらに人の声が過敏に聞こえてツラく感じたため、常に耳栓をつけていないと仕事ができない状況でした。

「ちょっと異常だな」と思って耳鼻科で検査すると、聴力が基準値を下回っていました。そのため周りの人から「マジで休んだほうがいい」と言われて、お言葉に甘えて休職しました。

休職する中で、

あぁ、体育会系だった学生の頃みたいに、体力と気合と根性だけを頼りに仕事をするのはもう無理だなぁ・・・

と思い、キャリアを見直すに至ったわけです。

この時点で私は「たとえ転職先が上手く見つからなかったとしても、今の会社に戻って仕事を頑張るのは無理だ」というふうに思っていました。

読者の方の中には「転職」というと「ものすごい決断」のように思えるかもしれませんが、私は過去に一度転職を経験していることもあったせいか、心理的なハードルは皆無でした笑。

特に高学歴で大企業に勤めている人の中には「転職=敗北者」という価値観の人を見かけます。実際私は、大学時代の同期に転職の話をしたところ、そのようなことを言われたことがあります。

が、私はそのようには思いません。学生の就活のときに思い描いた人生の計画どおりのエリート街道に沿って、順風満帆にキャリアを歩んでいる人なんてかなりの少数派です。私が大企業にいたときの同期は300人いましたが、その中で役員クラスまで出世できる人は1~2人程度です。

わたしは両学長の動画をよく見るのですが、エリート街道を歩む人の様子をわかりやすく解説しています。

私はエリート街道を歩むキャリアを否定しているわけではありません。ただここで思ったのは「自分は別の土俵で勝負しよう」ということです。エリート街道を突き進んだり、大金持ちになろうとはせず、「時代の流れの変化」や「自分の価値観の変化」に合わせて柔軟に行動して、豊かな人生にできたらいいなーというのが、私のキャリア選択のテーマです。

あの地上最強の生物、範馬勇次郎も「競うな 持ち味を活かせッッ」って言っていますよね笑

その私のテーマに当時の職場が合わなくなってきたから、キャリアの見直しを行ったのです。


情報収集をする中で、転職エージェントの方をはじめ、個人で仕事をしている方々も、多忙で時間がない中で話をしてくれましたので、本当に感謝しています。

この記事では、

・機械系の転職について、どんな業界に需要があるのかを知りたい
・世の中の会社のリモートワーク事情とか副業許可の事情とかについて知りたい
・今働いている会社の年収とか待遇が、他の会社と比べるとどうなのかを知りたい
・メーカと設計会社の業務の違いについて知りたい
・設計で独立するのってどれぐらいのハードルなのかを知りたい
・まだ具体的に何がしたいかが決まっていないけれど、どういう選択肢があるか参考にしたい

という方々に向けて執筆しておりますので、是非お役に立てていただければ嬉しいです。

参考までに、転職活動時点(2021年11月)での私の経歴については以下の通りです。

・年齢:31歳
・機械設計歴:6年半ぐらい
(内、某大企業:5年4ヶ月、某ベンチャー企業:1年3ヶ月)
・最終学歴:慶應義塾大学大学院 理工学研究科
・経験内容:ガラス業界、食品業界等向けの自動機械の受注生産品の設計
(搬送・加工・検査などをする装置およびライン)
・業務内容:構想設計~納品まで。プロジェクトによっては研究開発も。
(客先対応、CAD作成、能力計算・強度計算、見積作成、ベンダー折衝、調達、組立、実験・評価、納品、アフターフォロー)
・使用経験CAD:AutoCAD、Inventor、SolidWorks
・その他:ブログ執筆2年以上、月間PV数 約20万。副業で単発の機械設計:2件

それでは本編に入ります。

ここから先は

28,022字 / 17画像

¥ 600

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?