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「生涯、一プロデューサーでありたい!」平岡健治さんモトヤフインタビュー

本日のインタビューは平岡健治さんです。平岡さんはミサワホーム株式会社で14年間にわたり住宅営業や本社での各種新規事業の企画を担当された後、世界一周するために同社退職を決意。そしてヤフーでは前職での経験も活かして不動産サービスや地域系サービスの企画プロデューサーとして活躍されました。現在はフジッコ本社の通販事業部の責任者として活躍される傍ら、たき火をはじめたくさんの趣味を楽しんでおられます。

-本日はよろしくお願いいたします。最初にお名前をフルネームで教えてください。

平岡健治(ひらおか けんじ)です。よろしくお願いいたします。

-ご年齢はおいくつですか。

56歳です。

-お生まれはどちらですか、またどちらにお住まいですか。

現在神戸市に住んでいます。
元々父が(日本道路公団勤務の)転勤族でしたので、東京から西のエリア割と広範に2-3年おきに11回ほど転居しました。中学以降は大学を卒業するまでは主に大阪にいましたが、それまでの多くの転居経験は、成人してから「新しい環境でも何とかなる」という順応性につながっているのかもしれません。

-これまでのプロフィールをご紹介ください。

神戸での大学生時代は軽音楽部と大学祭等の学校行事イベントに没頭し、新しい事を企画する事や、それをみんなで成し遂げる事の成功体験をさせてもらったことが、その後企画職を目指す原体験となりました。またこの頃の神戸での生活がとても充実して楽しかったことが、現在神戸に住むことになった理由にもなっていて、結局母校のすぐ近所に住んでいます。

現在フジッコ株式会社で転職4社目となりますが、業務的には1社目から主に企画畑を歩んでいます。1社目はミサワホーム株式会社でした。6年間住宅営業した後、8年間本社で新規事業企画を担当し、太陽光発電住宅事業、システム企画、リサーチパーク開発(佐倉市)、不動産サイト運営等に従事しました。新規事業企画に移ったきっかけは阪神大震災でした。被災された多くの方々のそれぞれやりたかったことへの想いが震災で潰えたのを間近に見て、改めて自分のやりたかったことを真剣に考えた結果、新規事業企画の仕事をやりたいと思い異動を志願しました。

2社目がヤフー株式会社です。こちらについては後ほどもう少し詳しくお話ししましょう。

3社目が上場を目指していたリユースベンチャーのリネットジャパングループで、執行役員としてWEB事業部を管掌しました。当時の社員は30人程度で、無事上場の目途が立ち、自分の住みたい神戸に戻りたくなり転職しました。

そして4社目が現職のフジッコ株式会社です。フジッコの本社は神戸なんです。

-ヤフーの在籍期間はいつでしたか?

2004年8月~2009年11月でした。
年齢的には37才から42才くらいで長男や次男が生まれたり、仕事でも不動産サービスの立ち上げや地域系サービス企画といった感じで、自分にとって激動の時期だったかもしれません。でも楽しかった時期でもありました。

-ヤフーに入ったきっかけは何でしたか?

世界一周するために前職を辞める決意をしました。当時は不動産サイトを運営しており、他のサービスをチェックしている過程でYahoo!不動産サイトに「スタッフ募集」のバナーを発見して応募しました。

-世界一周は実現されたのですか?

はい、ヤフーへの転職がすぐ決まったので、当初想定していた長期間の世界一周は無理になりましたが、それでも30日間程度での世界一周を実現しました。実は35才までに世界一周をする計画を元々は立てていたのに気がついたら37才になっていて、しかも結婚前に行く予定でしたが、結婚後に妻と一緒に旅行する形で実現したという訳です。
南米やアフリカ等の直行便で行けないところを中心にまわって、古代文明や大自然の素晴らしさ堪能することができました。

世界一周のケニアでマサイ族の人と
世界一周旅行のマチュピチュにて

-ヤフーでのお仕事はどんな内容でしたか?

前半が不動産サービス、後半はヘルスケアやクーポンなどの地域系のサービスの企画をやっていました。(当時はプロデュサーと呼ばれていました)
ちなみにこの頃は横浜の中区に住んでいました。

-お住まいだった詳しい住所を伺ったら、私の実家から歩いて行けるほどのすぐ近くだったのでビックリしました。

現在神戸に住んでいるのは港町の魅力に惹かれた部分もあるのですが、その意味では横浜も魅力的な町でしたね。

-ヤフーで学んだことはどんなことでしたか?

企画や事業立ち上げのフレームワークと1番を目指すことの大切さを教えてもらいました。

-ヤフー時代のエピーソドやトピックはありますか?

入社してすぐのYahoo!不動産の新築マンション分野の立上げが非常に濃く、大変でしたが楽しく勉強になりました。サイトデザインや仕様だけでなく、外部企業と資本提携してデータ入稿センターや営業部隊の立ち上げ、事業全体の立ち上げに関わらせてもらったのは、その後の自分の大切な礎になっています。その頃は毎日終電だった記憶もあります。

不動産リニューアル時の稟議書の束です。 この当時は稟議も紙でした!

ちょうどその頃は長男が生まれたタイミングだったのですが、とても忙しかったこともあり育児は妻任せでした。そんなこともあって次男が生まれたときは、志立さんに育休を申請したところ快諾していただき、正式に育休を1ヶ月半取らせてもらいました。

次男の子育てと言うより長男の相手をすることがメインで、近所の方との井戸端会議に付き合ったり買い物に行ったりと、このときしか味わえない貴重な経験をすることができました。今でもこのときの経験は宝物で、同じような環境にある方にはぜひおすすめしたいです。

ヤフーに入社する前にミサワホームにいたとお話ししましたが、ミサワホームは三澤千代治さんという名物社長のオーナー企業だった訳です。あれだけ個性の強いオーナー社長の企業が、創業者が退任され、しかもトヨタ資本になる訳ですが、その後も厳然と会社は生き残って回っていくのを見て、「自分の人生を優先しても会社は大丈夫」と確信しました。

それと私がヤフーに入社した時期はおそらくベンチャー的ヤフーの最期の時期ともいえそうで、入社時は少なくとも「勤怠システム」がありませんでした。夜型で仕事をしていた人が多く、昼前に登場する人もいてミーティングは午前中組めなかった記憶があります。

-辞めたから分かるヤフーの良さというものはありますか?

やはり圧倒的巨人で、本当に良いサービスを作るためのリソース、資金、時間があり、良いサービスを作りたい熱量と矜持を持っている人が本当に多いということです。もちろん責任は常に重大ですが、本気で最初から日本一、世界一を目指せる稀有な環境だと思います。

上司だった志立さんからも不動産に関することは宮崎さんをリーダーとする不動産チームに任せて頂いていて、とにかくそれを一番になるサービスにしろという大命題をもらっていました。

そして先ほど育休のお話しをしましたが、優秀なエンジニアの方々や法務などのスタッフの方々がサービスリリースとその後の対応でも力を発揮していただいたからこそ、育休も取ることができたともいえます。

-ネクストキャリアを選んだ決め手は何ですか?

子育てで少し田舎に住みたいという事と、Y!が急速に拡大していく過程で調整業務が非常に多くなった点を残念に感じていたところ、リネットジャパングループが愛知県で上場を目指すリユースECのベンチャー企業という非常にベーシックな事業に魅力を感じたからです。

黒豆の収穫体験!

-現在のお仕事は具体的にどんな内容でしょうか?

フジッコで健康食品を中心とした通販事業(通信販売事業部)の責任者をしています。
「善玉菌のチカラ」「カスピ海ヨーグルト」「クロクロ」など定期購入(サブスクリプション)型の商品販売を行っています。

フジッコ本社にて

-現在の仕事の面白いところや素晴らしいところを教えて下さい。

メーカーの直販事業なので、「創って、作って、売る」の全てをコントロールできるところと、お客様の意見を直接すぐに商品やサービスに反映できるところがダイナミックで商売している実感があります。食品は、一年中どこの地域のスーパーで買っても同じ味を提供するという意味では「職人技」「味覚センス」「化学」がともに求められ、サプリメントなどの健康食品では毎日摂れる「安心な品質設計」と「飲み(食べ)やすさ」、健康のお悩みに応える「効果」のバランスが大切な事業分野だと実感しました。

-最近興味深い商品「ダイズライス」を開発・販売されているとお聞きしました。

はい、植物性タンパク質をはじめとする栄養たっぷりの大豆を、まるでお米のように食べられる新発想の代替主食が「ダイズライス」です。糖質87%オフでタンパク27㌘という健康を第一に考えられる多くの方々の期待に応えて商品化しました。「ダイズライス」は、「Beanus(ビーナス)」ブランドサイトのオンラインショップで販売しております。

「Beanus(ビーナス)」ブランドサイトのオンラインショップ

-今、特に力を入れていることは何ですか?

現業を主力としつつ、またベンチャー的事業立ち上げもやってみようと考えています。不動産も少しずつまた関わりたいですね。

-ご家族以外で尊敬している方がおられたら教えて下さい。

Y!に入社した際にリスティング事業部長をされていた志立さんと、当時はCOO室長だった安宅さんです。

安宅さんは、自分たちが色々考えて煮詰まっているところで相談して、高度なマーケティング視点を明解で平易な言葉でアドバイスをいただいて毎回感動していました。

また志立さんは、「激怒り」というのが全くなく、いつも笑いながら厳しいことはしっかり言う方でした。基本的にキャラが明るくて、志立さんが率いるとチーム全体が明るくなったという印象です。またリスクが高いことをやっていたので、志立さんに相談する機会が多かったのですが、常に相手の利益や考えていることを捉えてウィンウィンを提案していたと思います。

-ご趣味は何ですか?

焚き火と愛犬、ロードバイクやマラソンなどやりたいことがたくさんあって困っていますw

特に庭でこじんまりやる焚き火は思い立ったらすぐできるので気に入っていますし、昔良くキャンプで使った道具も役立っています。また神戸は六甲山が近く自宅からも比較的すぐ行けるので犬も連れてお気楽トレッキングも楽しんでいます。

-コロナで変わったことはありますか?

EC化率で出遅れていた食品分野も大幅に伸長し、古い体質の企業の当社も大幅に働き方が変わったことが大きな転換点となりました。働き方もより柔軟性高く、社内外の多様な方々と協業できるようになってきました。 ウェブディレクターやSE絶賛募集中です!DMください(笑)

会社でもD2Cの重要性がようやく理解が浸透してきたので、ここで一気に国内外に事業拡大したいと考えています。先ほどご紹介したダイズライス事業も、昨年「家事ヤロウ」というTV番組で新しい代替主食として取り上げていただいて一瞬で在庫がなくなるなど、四苦八苦しながらも少しずつ事業成長しているのでこれからが楽しみです。

-ライフワークは何でしょうか?

転職してきた企業はバラバラですが、WEBサービスを中心とした事業企画という点は自分のコアとしてこれからも大切にしていきたいと考えています。「生涯一プロド」(「生涯一プロデューサーでいたい」という意味)でいたいと。

-イマヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

Y!でしか経験できないスケールと高いレベルのサービスを世の中に出せるという機会は本当に少ないと思いますので、この時間を大切にしていただきたいと思います。

-モトヤフに伝えたいメッセージをお願いします。

今もたくさんのモトヤフの人に助けていただいています。 これからも横のつながりを大切にして、大好きなインターネットを使って世の中に役に立つ楽しい事をしかけていきましょう!

-読者に伝えたいメッセージをお願いします。

キャリアを選ぶ時に、何年でどれくらいの自分になりたいかをイメージして手帳にメモると良いかと思いました。 思わないと実現しないので!

六甲山に向かう登山道上にある風吹岩にて

-平岡さん、本日はインタビューにご対応ありがとうございました!

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