ミルクスプラッシュ
こんにちは。
RIVERSPEYです。
牛乳をこぼしました。
紙パックが垂直に落下したのですが、その際の衝撃で底がへこみ、口は開き、半径4メートルほどの広範囲に渡って中身が飛散致しました。
想像を遥かに越えた飛距離です。残念ながら再び同じ轍を踏んでしまったとしても、この記録は簡単に塗り替えられるものではないでしょう。
つまり掃除が大変だ、ということ。
自然乾燥に任せるという策は使えません。何故なら床が濡れてしまったのは水ではなく、牛乳なのです。
ここからは時間との闘い。白い跡を見つける事が非常に困難な、白っぽいフローリング。乾いてしまってはもはや手遅れになってしまいます。
こんな事になるのなら…両手に物を抱えて、頭で冷蔵庫の扉を閉めるんじゃあなかった。一瞬でもいけると思った自分がいけなかった。
そんな後悔に苛まれながら、キッチンペーパーとウェットティッシュを握りしめ、僅かな違和感を頼りに粛々と拭いていきます。
すると、履いていたスリッパの裏側から、えも言われぬ張り付いた緊張感が漂い始めます。
そうです。足の裏にまだら模様のシミが。
この状況が導き出す答えは一つしかありません。拭き損なった牛乳を、華麗に次々と踏んづけてしまっていたのです。
何の罪もない洗いたてのスリッパまで汚してしまうとは…なんたること。あな、口惜しや。
やはり同時に匂いも辿っていくほかありません。急がないと。くんくん、ふきふき…
くんくん、ふきふき…
しかしここで無慈悲な事実が突きつけられてしまいます。時間を掛けてしまったが故に、到達予想地点のほとんどが、もう乾いてしまいました。
いつもあんなに優しかった冷房の風。まさかこんなところで牙を剥くなんて…万事休す。
諦めかけていたその時、掃除用具入れからフローリングワイパーという名の援軍が到着しました。
作戦領域全体を拭いてあっという間に一網打尽。みるみるぴかぴかになっていく床と心。
こうしてキッチンに平和が訪れました。
お読み下さりありがとうございました。
RIVERSPEY