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「かもめ食堂」をみた話

2006年の映画か・・群ようこさん原作、萩上直子監督の映画作品です。
最初にみたのは長女がまだ保育園に通っていたころ。
その時は、北欧の食器がおしゃれだなぁとか、マリメッコはやっぱりかわいいなぁとか、アアルトの家具がとか、そういうところに目が向いていた。淡々と話が進んで、淡々と終わっていく中で、おいしいものとおしゃれな雰囲気がいっぱいの映画・・という印象だった。

ところがいま、50歳を手前にしてみて、もう一度見直してみたら、
ひとりひとりの登場人物の言葉が、すごく身に染みて驚いた。

登場人物一人ひとり、いろんなことを抱えているらしい。
詳しくは語られないけど、みんな心のどこかになにかを抱えている。悲しさだったり、切なさだったり、やさしさだったり、諦念だったり。
静かに抱えているのだ。みんなそれぞれ。そして、なんか元気がでないときは、おいしいものを食べる。かもめ食堂の場合は、それがおにぎり。

若いころ、映画が好きでよく見ていた。レンタルビデオ屋さんにもよく通って結構な数を見たと思う。若いころにみた映画をもう一度見直してみると、当時と全く違った感想をもつことに驚く。あぁ、私変わったんだな、あのときの私じゃないんだなってすごく感じる。若いころとたいして変わらないつもりでいたけど、言葉の意味、受け取り方、映像の暗喩、置かれている小物、受ける印象や感想にいたるまで、こんなに変わるものなのね・・

それだけ、経験したことや知識が増え、引き出しができたってことなのよね。私、成長してるのねって思って、なんだかうれしい驚きでした。

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