自然を心から感じる日々
自然環境リテラシー学 参加コース:川 1回目 参加日:6月4日・5日
私は、自然環境リテラシー、川コース1回目(実施日6/4・5)に参加した。
今回は、津市にあるマリーナ河芸さんに場所をお借りして、シーカヤックの体験を行った。
私は子供の頃から自然と触れ合うことが好きだった。家が山の近くにあったこともあり、山に登ったり、林の中に分け入ったりよくしていた。また、植物を見ることが好きで、特に花を見ることが特に好きだった。
自然が好きな自分だが、家の近くに海がなかったこともあり、今まで海にはあまり関わってこなかった。だからこそ、この機会にこの自然環境リテラシーの実習で海に関わりを持つことができれば良いと思った。
しかし、海に対する興味を持つと同時に怖さも感じていた。海は、山や川といったフィールドとは違う危険があり、そこに住む生物も違う。より気象の影響を受けやすく環境が変わりやすい。そのような環境での実習は何があるか分からないと思っていた。
加えて、初めて乗るシーカヤックに上手に乗ることができるかという不安もあった。私は、比較的体力はある方だが、不器用であまりスポーツが得意な方ではないため、シーカヤックを上手く漕ぐことができるか心配だった。
実習1日目
実習が始まる前、私は約1時間ほどマリーナ河芸さんが主催する砂浜の清掃活動に参加した。砂浜を始め見たときはきれいだと感じた。しかし、清掃活動をしていると思っていた以上にゴミが集まり、きれいな砂浜が汚れていることを悲しく思った。また、海洋プラスチック問題などの環境問題にこのゴミがつながっているのではと感じた。一方で、私自身が社会のため、自然のために貢献できているという実感を持てた。
実習が始まると、まず実習についてのガイダンスとテント立てを行った。テントを立てるのは人生で初めての経験で、上手にテントを立てることができるか心配だった。テント立ては少し難しいところもあったが、実習を一緒に受ける仲間と協力して立てることができた。
テントを立てた後は昼食を食べ、午後から早速シーカヤックの体験をすることになった。まずは、実習の先輩からシーカヤックについて説明を受け、実際に海に出ることになった。シーカヤックについて初めて聞く説明も多く、中々頭に入ってこなかった部分もあった。しかし、シーカヤックは自然を相手にするものであり、最悪、命にかかわることもあるので、集中して話を聞いた。
特に、PFD(いわゆるライフジャケット)は、自分自身の命を守るためにとても重要な役割を果たすため強く印象に残った。PFDが果たす役割として、水に浮くのを助ける浮遊性、ものとぶつかったときに衝撃を和らげるクッション性、体温の低下を抑える保温性、目立ちやすくする視認性という4つがあるという。これらの効果は、海で助かるためにはとても重要なものになることがわかった。また、PFDは体によくフィットする形で装着しなければ効果が薄くなることがあるのでよく確認を行う必要があることもわかった。
その他にもシーカヤックに乗るときの注意点は様々あり、細心の注意を払いながら、楽しむことが必要なことがわかった。
シーカヤックについての説明を受けた後は、参加者全員でシーカヤックを保管場所から砂浜へ運んだ。シーカヤックは見た目以上に重さがあり、また傷がつきやすいので、最新の注意を払いながら運ぶ必要があった。そのため、運ぶだけでも一苦労だった。しかし、メンバー同士、協力して運ぶことができた。
シーカヤックを運び終えた時点で波が高くなっていて、初心者の私たちが海に出るのには難しい状態だった。朝の段階では、とても穏やかな海の状態であり、天気予報でも大きく海が荒れる予報は出ていなかったので驚いた。しかし、これが自然を相手に活動することであり、特に海の難しさであると感じた。
結局、この日は沖に出ることはできなかった。しかし、マリーナ河芸さんのご厚意で、ヨットを駐留させる内湾の方でシーカヤックの体験をさせていただくことになった。とてもありがたいことだったし、人の温かさを感じた瞬間だった。
初めて漕いだシーカヤックはバランスをとるのが難しかった。また、殆ど風や波がないにも関わらずシーカヤックが流されてしまうことが多かった。何度も沈(シーカヤックで転覆することを言う)しそうになり、すごく恐怖心があった。また、真っ直ぐ前に進むことも難しく、自分の思った通りにシーカヤックを進めることができなかった。もっと上手にシーカヤックに乗れるようになりたいと思った。
実習2日目
2日目は、朝からシーカヤックで実際に沖の方に出ることになった。2日目は前日の天気予報で、お昼前から海が荒れる予報がでていたので、当初予定していたスケジュールより時間を早めて海に出ることになった。前日、内湾でシーカヤックを漕ぐ練習をしていたとはいえ、内湾と実際の海では波の立ち方が全然違い、とても漕ぐのが難しく感じた。
特に、出艇(シーカヤックで海に出ること)の時が一番難しく感じた。波打ちぎわは波が他よりも強くなるのに加え、パドルで波を捉えにくく、そのため、カヤックが不安定になりやすいのだ。実際に私自身も出艇の際、沈した。
無事に出艇し、浜を離れた後は、実習のメンバーで隊列を組み、少し大回りで今回の拠点の浜(マリーナビーチ)とテトラポットをはさんで南側にある湿地帯の浜に向かった。私は湿地帯の浜に向かう途中にも何度もバランスを崩し、内心、沈しないかひやひやしながら、シーカヤックを漕いでいた。
湿地帯の浜についた後、一度浜でシーカヤックに積み込んでいた荷物を降ろし、シーカヤックのレスキュー訓練を行った。レスキューは他の人が沈した時に助けるグループレスキューと、自分が沈した時に自分でシーカヤックに戻るセルフレスキューがある。しかし、今回は時間の関係でグループレスキューしかすることができず、できればセルフレスキューの体験もしてみたかった。
レスキューについて
今回はグループレスキューしか体験できなかったが、それでもレスキューの大変さがわかった。助ける方も大変だが、助けられる方がよりきつかった。なれない海で滑りやすいシーカヤックに捕まり、かつもう片方の手でパドルを持っている必要がある。海に入っている時間が長ければ長いほど、体力が奪われ、よりきつくなってくる。だからこそ、迅速なレスキューが必要だと感じた。レスキューする側も素早くだけれども冷静に周りをみて、行動する必要があり、とても難しく感じた。また、レスキューされる側も、手順を把握し、海に落ちたときも落ちついて対処する必要があると思った。私は、海に落ちたとき、あたふたしやすかったので、次はもっと落ち着いた行動ができるようにしたいと思った。
レスキュー訓練が終わった後は、1時間ほど休憩をとってマリーナビーチへ戻る予定だった。しかし、予想よりも早く海が荒れる可能性が出てきたので、すぐに戻ることになった。
湿地帯の浜を離れ、マリーナビーチの方へ戻っている最中、少しずつ波が強くなった。波が荒れると、前に進もうと一生懸命にパドルを漕いでも全く前に進まなかったり、波にカヤックが当たりバランスを崩しかけたりとすごく難しさを感じた。また、無理に漕ごうとすると腕が疲れてきて、大変だった。
何とか拠点の浜にたどり着いたときには、よくこの波で沈せずに戻ってこれたものだと思った。
その後は、今回使用したシーカヤックや装備、テントなどの後片付けを行い、今回の実習は終了した。後片付けを行っているときは、この二日間があっという間だった感じた。
最後に
私は、始めにも書いたが、今まで山や川ばかりに関わり、海に触れ合うことが少なかった。今回は、今まで触れてこなかった海にふれることができ、大変なことも多かったが、それでも楽しく、ワクワクドキドキすることが多かった。自然にふれるということは怖さや大変さを体感しながら、その中でのワクワク感、ドキドキ感を体全体で感じることだと思った。
実施拠点:マリーナ河芸 https://www.marina-kawage.co.jp/
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