「キャリアは、未来から逆算すべき」は正しいか
これまで、キャリアは未来から逆算して立てるべきと思っていました。
たしかに未来から逆算する方法は、確かそうで、実際その方法で成功を実現させている人も数多くいらっしゃいます。
例えば、大谷翔平選手はその代表例ですしょう。
でも自分自身のキャリアを振り返ったり、キャリアコンサルタントとして活動している中で、本当に逆算が正しいアプローチなのか疑問を持つようになりました。
今のところの結論として、私は次のように、考えています。
・逆算できるなら逆算が良い
・ただし逆算計画には前提条件を満たす必要がある
・前提条件未達の場合、逆算計画はキャリアに悪い影響を与える
たしかに未来から逆算して計画を立てることにメリットはあります。
例えば、選択と集中ができたり、目標に対する現在地がわかることで、行動が具体化されるなどです。
もし前提条件を満たせているなら逆算で計画を立てた方がいいと思っています。
しかし、色んな人のキャリアを見てきて、『逆算型でキャリアプランを立てた人の多くは、成功していない』と感じるようになりました。
成功までの過程にいるのではなく、永遠に前進することなく、足踏みしている方が多い印象です。
逆算型で成功するパターンと、停滞する傾向
では逆に逆算計画が上手く行ってる人は?と考えると次の傾向があります。
・もうコレしか必要ない!!と頭ではなく心が決めている
・論理より感情で動きたいタイプ
・すでに行動していてどハマりしている、かつ一定の成果が出ている
・周囲のサポートがある
これに対して、逆算型の計画が上手くいかない人は、以下のような人だと感じています。
・絞り込もうとしている人
・行動を始めて間もなく没頭期間が短い
・計画を立てようとしている人
・成功するために、逆算計画を立てようとしている人
何が違うかというと、逆算計画を立てて成功している人は、もともと逆算計画をたてて、それに対して人生を進めていたのではなく、
特定のことに取り組んでいたらいつのまにか没頭し、コレもやりたい!アレもやりたい!他のことしてる時間がない!他のことした方がいいって言われるけど、どうしてもやりたいことに意識が向いて、できない。。!もってやりたいことするために、計画立てよう!
というイメージです。
例えば大谷翔平さんにしても、きっかけは友達に誘われたから。です。
でやり始めたら面白いし、結果もついてくるしで没頭し、どうなりたいかが明確になっていったんだと思います。
これはとくに特別なことではありません。
例えば筋トレやダイエットを始めるときは、こんな姿になりたいって思い浮かべますし、何か新しい習い事を始めたときは、こんなことできるようになりたいと思うでしょう。
そうやって始めたことの中で、たまたま自分の特性に合っていたものが続き、成果も出て
どんどん楽しくなります。
頭の中が自然に「こうなりたい!」に埋め尽くされている状態になっていないときに、計画を立てても上手くいきにくいのだと思います。
まずは好きなことを見つけるべき?
それなら、やっぱりまずは「好きなこと」を見つけ、好きことをすべきか?と思うかもしれません。
しかしこれには、次の2つの理由から反対です。
・好きなものは偶然現れる
・情熱枯れる
好きなことで選ばないとしたら、何を基準に選べば良いかで言うと、「続けるのが苦じゃないこと」だと思います。
もちろんただ続けることが目的になってしまうのは良くありまんが、続かないことには先は見えません。
例えば、通勤距離・時間、給料、残業時間、お休み・休日の頻度、人間関係、仕事内容と価値観の一致度など。
その点、良いところだけをみて仕事を選ぶよりも、悪い側面をみたうえで、続けられるかを第一の基準にするといいのではないかと思います。
そうして続ける中で、成功体験が積み重ねられ、没頭し、やりたいことが生まれてくる。
そうなって初めて、自然で具体的な目標が見えてくるのではないでしょうか。
成功ストーリーとしてわかりやすく、物語化しやすいことから逆算型のアプローチばかり取り上げられますが、必ずしもキャリアは逆算型で考えなければならないわけではありません。
大切なのは今に集中できること
逆算型のアプローチも、好きなことに没頭するアプローチも、苦じゃないことを続けるアプローチも、数あるアプローチ方法のひとつでしかありません。
ぜひ、一つの方法に固執するのではなく、色んな進め方を試して、「自分の人生が前に進んでいると感じられる方法」でキャリアを形作ってくださいね。
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