美容師インフルエンサーと薬機法広告規制の関係
「美容師」「インフルエンサー」といったキーワードで検索すると、美容師を利用したインフルエンサーマーケティングには一定の需要があることがわかります。
一方、「医薬品等適正広告基準」によれば、美容師が特定の化粧品等を推薦等している旨の広告を行うことはできません(薬機法上の根拠条文は第66条第2項と考えます)。
医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。(第4 10 医薬関係者等の推せん)
それでは、美容師によるインフルエンサーマーケティングと薬機法の広告規制はどのような関係に立つのでしょうか?
もちろん、美容師が化粧品等と無関係の商品・サービスについて推薦することは、薬機法の広告規制との関係では問題がないかもしれません。しかし、あからさまに美容師にインフルエンサーマーケティングを依頼することは、「医薬品等適正広告基準」に抵触してしまうと考えます。
そこで、この抵触問題を巧妙に回避するために、検索すれば容易に美容師であるとわかるが、SNSのプロフィールには美容師であると明記していないインフルエンサー(「ヘアクリエイター」等と記載していることが多い印象です)に対し、特定の化粧品をSNS上で推薦することを依頼することはできるのでしょうか?
この点、「美容師としてではなく、あくまで一個人として推薦してもらうだけなら、問題ない」という考え方もあり得るのかもしれません。
ただ、明文の規定がないのであくまで私見ではありますが、たとえプロフィールに美容師であると明記していないとしても、美容師であることが容易に知り得るのだとすると、それを知りながら、かつ、その広告効果に期待して美容系のインフルエンサーマーケティングの依頼をする以上、「医薬品等適正広告基準」の規制の趣旨に違反するおそれがあるのではないかと考えています。
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