大手アパレルファッションブランドLINE公式アカウント辛口分析-第1回
今回は大手アパレルファッションブランドであるユニクロ様、しまむら様、ゾゾタウン様のLINE公式アカウントを辛口で分析します。
ユニクロ様
総合評価は【3.4】です。
自社のファンを理解し、目的にあった運用をしている良いアカウントです。
評価項目
導線:4.5
【誘導先】オンラインショップ、店舗、アプリ
→ハイブリット型
メッセージ、リッチメニューともにオンラインショップへ誘導しています。
新商品やチラシの配信を行っており、それ自体が店舗への誘導になっているため、オンラインショップ・実店舗両方に誘導できて、非常にコスパが良いです。
オンラインショップだけでなく、実店舗もある企業は両方でのセールを連動させるというこの方法は真似すべきです。
改善点は【アプリ】と【LINEログイン】の2点です。
まずアプリですが、LINE公式アカウントを好みの方がアプリをダウンロードすることは難しいと思います。
アプリの方がコアなファンになると思いますが、コアなファンに向けるのであれば、「会員証・メニュー」のタブで良いです。
オンラインストアをタップするときにLINEログインがありますが、基本離脱につながるので明確な意図がない限りやめた方が良いです。
LINEログインしてみましたが、特に購買履歴に合ったメッセージも来ません。
会員IDバーコードを出す場合は、LINEログインが必要なので問題ないです。
成長性:1.5
【月間友だち追加想定数】34,470人
【友だち総数の増加率】0.08%
【内訳】
5/22 43,505,107人
6/24 43,543,040人
→友だち追加数:1,149人/日
月4回以上配信すると有効友だち数の約3%はブロックされるので、有効友だち数は減り続けていると思います。
これだけ友だち数が多いと、新規友だちを追加するのは難しいので仕方ないことかと思います。
クオリティ:4.4
チラシを配信していますが、情報量の多いデザインを頻度高く配信出来ているのは素晴らしいです。
リッチメニューが少し情報量が多いので、それぞれの区画の意味がもう少しわかりやすくなると良いです。
「会員IDバーコード」の区画はわかりやすくて良いです。
運用:3.6
【配信頻度】週3〜4回
【配信内容】セール、キャンペーン情報
【配信時間帯】セールスは8:00、告知は19:55
→ゴリ押しセールス型
ブロックをあまり発生させず、一番多く配信できるのは週1回です。
それに比べ本アカウントでは週3〜4回配信しています。
もし長期的に顧客との関係を構築して、成約まで教育したい場合は配信頻度が多すぎます。
恐らくですが、薄い顧客をターゲットとしておらず、コアなユニクロファンをターゲットにしていると思います。
コアなファンからすると、どんな情報でも嬉しいので、配信頻度は関係ありません。
できるだけ多く情報を発信し、どこかで引っかかれば良いという運用方針だと思います。自社のファンを良く理解した運用です。
この運用方法は商品力があって、コアなファンが元々いないとできないので、ご注意ください。
総評
ハイブリッドのゴリ押しセールス型
自社のファンをよく理解し、割り切った運用をしている良いアカウントです。
クリエイティブのクオリティも高く、LINE公式アカウントに注力していることがよく分かります。
コアなファンが多い企業は、ぜひ参考にしてください。
しまむら様
総合評価は【3.1】です。
自社のファンを理解した運用ですが、LINEに最適化されていないところがもったいないです。
ユニクロ様のアカウントをベンチマークされているような印象です。
評価項目
導線:4.0
<誘導先>
オンラインショップ、実店舗
→ハイブリット型
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チラシやキャンペーン譲歩を配信しており、オンラインショップと店舗へ誘導できているため、一石二鳥な配信です。
改善点は【オンラインショップの表示方法】です。
今はLINEブラウザと呼ばれるLINE内で表示する形式になっています。
LINEブラウザのメリット・デメリットは以下の通りです。
◯メリット
・LINEアプリから遷移しないため、離脱しにくい
・遷移がないため、ストレスはない
◯デメリット
・ログイン状態が保持されない
・閉じやすいため、間違って閉じてしまう
以下のような失敗が起こる可能性があります。
・ログインなし状態でほしい商品をカートへ
・ログインしようとしたら間違って×で閉じる
→カート情報はすべてリセットされ、再度購入する気持ちがなくなります。
そのため、ログインが必要な場合などは【デフォルトブラウザで開く】の設定をおすすめします。
設定はカンタンでURLの最後に「?openExternalBrowser=1」をつけるだけです。
オンラインショップならSafariやChromeに、InstagramならInstagramのアプリで表示されるようになります。
これで操作ミスからの離脱を防ぐことができます。
成長性:1.7
<月間友だち追加想定数>
43,030人
<友だち総数の増加率>
友だち総数:23,548,454人 →0.18%
<内訳>
5/22 23,455,221人
7/26 23,548,454人
→友だち追加数:1,434人/日
<指標>
有効友だち数の約3%はブロック
※月4回以上配信の想定
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有効友だち数は減り続けていると思います。
しまむら様はもっと来店が多いはずので、来店者を登録させる仕組みが必要です。
・強力なクーポン(毎回5%オフなど)
・ノベルティ
・LINEスタンプ など
スタッフの声掛けが楽になるような仕組みを作ると友だち追加は進みます。
クオリティ:3.5
ほぼすべての画像がチラシの使いまわし感が強いです。
チラシの使い回しの一番の弊害は、 【文字が小さい】です。
LINEのメッセージで、 「タップしてから詳しくみたらいいや」 と思ってませんか?
それは違います。
一般的には、
開封率:60%程度
タップ率:10%以下(3〜8%が多い)
と言われています。
つまり「タップしたらわかる」という情報は、 50%の人が見ていないということになります。
クリエイティブで大事なことは、 「タップしなくても伝えたいことが伝わる」 です。
ユニクロ様の画像は、【セール情報=値段】が伝わるクリエイティブになっています。
このようにタップされない前提で伝わる画像を意識することが大事です。
あとちょっと気になったのは【CTA】です。
「ホームページはこちら」 が多いですが、ユーザーはホームページを見たいのではありません。
「暑さ対策はこちら」
「セール詳細はこちら」 など
マイクロコピーをもう少しこだわった方が良いです。
運用:3.5
<配信頻度>
週2〜3回
<配信内容>
セール、キャンペーン情報、新作情報
<配信時間帯>
水、金、土、日 9:00
金 20:07
↓
ゴリ押しセールス型
<指標>
ブロックをあまり発生させず、一番多く配信できるのは週1回 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ユニクロ様と同様に高頻度でセールやキャンペーン情報を配信する運用です。
しまラー(しまむらのファン)からすると、嬉しい情報なのでコアなファン向けの配信になっています。
ただ、まだファンになっていないお客様にはブロックされますので、友だちをすり減らす運用です。
友だち登録日をベースに、新規ユーザーとファン向けに配信頻度を分けると良い運用になります。
総評
総合評価:3.1
→ハイブリットのゴリ押しセールス型
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ユニクロ様と同様に、コアなファン向けにしっかりと配信できているところは良い一方、クリエイティブや表示方法は改善すべきところ、いくつかあります。
しまむら様のアカウントは、 「LINEへの最適化」がキーワードです。
ZOZOTOWN(ゾゾタウン)様
総合評価は【4.5】です。
LINEに携わる方は絶対に登録してほしいです。
特にオンラインショップを持つ企業様は登録必須。
ライトユーザーとヘビーユーザーで運用を分けつつ、カートや購買情報を用いた1to1のセールスも出来ている最高峰のアカウントです。
詳しく解説していきます。
評価項目
導線:4.6
<誘導先>
アプリ、なければオンライン
→アプリ優先オンライン型
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以下の導線になっています。
・アプリがあればアプリで開く
・アプリがなければブラウザでオンラインショップが開く
アプリを持っている企業は、絶対にこれを真似してください。
LINE公式アカウントが通知兼アプリ誘導用となっており、アプリで購買まで誘導するという上手くにアプリとの共存しています。
成長性:3.5
<月間友だち追加想定数>
214,170人
<友だち総数の増加率>
1.4%
<内訳>
5/22 14,625,414人
8/7 15,182,221人
→友だち追加数:7,139人/日
<指標>
有効友だち数の約3%はブロック
※月4回以上配信の想定
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この規模のアカウントは、基本的にターゲットを取り尽くしているはずですが、友だち総数の1.4%ずつ増えているのは本当にすごいです。
一斉配信で友だちは減っていると思いますが、友だち追加が多いので、緩やかに減っているだけだと想像できます。
新規友だちの成約率は平均的には1%以上はあるので、新規友だちだけでも毎月2,000件以上の注文は発生していそうです。
有効友だち数を減らさないというのが理想的ですので、評価は3.5とします。
クオリティ:4.8
クオリティ、LINE最適化、世界観ともに素晴らしいです。
ゾゾタウン様らしくわかりやすいデザインでユーザーの心を掴む配信になっています。
強いて改善点をあげるとすれば、【CTAが分かりづらいことがある】です。
「対象アイテムはこちら」などCTAが入っていないクリエイティブもあり、タップ率を下げてしまっている可能性があります。
ただ、ターゲットの世代にもよるので、20-30代がターゲットであれば、問題ないかと思います。
運用:5.0
<配信頻度>
週1回
→LINE連携後は週2回
<配信内容>
セール、キャンペーン情報
→LINE連携後はカートや購買履歴に応じたオファー
<配信時間帯>※2023年6月
■全体配信
(木)20:08,20:35
(金)19:45,20:26
(日)19:17
■個別配信
(水)13:57,17:21
(金)12:05
(日)12:21,15:53,11:58
※カート情報に基づいた配信
↓
関係構築型/LINE連携後は1to1セールス型
<指標>
ブロックをあまり発生させず、一番多く配信できるのは週1回
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ライトユーザーとヘビーユーザーの配信分けが完璧です。
さらにLINE連携済のユーザーにはカートや購買履歴に応じた配信も実施しているので、成約率はかなり高いと思います。
◯未連携
ライトユーザー向けにセール情報をメインに配信。
月4〜5回の配信なので、ユーザーにとっても負担が少ない中で売上の最大化が可能。
◯連携済
ヘビーユーザー向けにセール情報に加えて、カートや購買履歴に応じた配信。
例)
・カートに入れた商品が安くなっています
・過去に閲覧した商品が安くなっています
・過去の購入した商品をポイントに変えませんか?
このユーザー規模で1to1のセールスが実現出来ているのは、さすがとしか言いようがありません。
ただ、LINE連携について注意点があります。
ゾゾタウン様を真似してLINE連携を目指してしまいがちですが、LINE連携率は15〜20%が平均と言われています。
そのため、LINE登録者の見込みが数千規模のアカウントで、LINE連携を実装しても、連携するユーザー数は数百程度になっています。
その母数だといくら1to1でセールスしても効果は薄いです。
※不動産や整形など高単価な商品・サービスなら価値はあります。
自社のアカウント規模の見込みと商品・サービスを見て、LINE連携が本当に必要か考えてください。
総評
アプリ優先オンラインの関係構築型/1to1セールス型
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LINE公式アカウントを運用するなら登録して、追いかけてほしいアカウント。
特にオンラインショップを持つ企業様は、登録必須。
<注目ポイント>
・ライトユーザーとヘビーユーザーで運用を分け
・カートや購買情報を用いた1to1のセールス
LINE連携は注意が必要なので、自社に活かせるところは真似してください。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
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メール:info@rivasol.jp
電話:07083189634
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次回もぜひお楽しみにしてください!