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【続・認知症ミツコ】札幌での面会最終日
2022年6月
無事に東京から札幌の有料老人ホームへ入所した『認知症ミツコさん』。
当初、老人ホームへ入所後は “ホッと一息” などと思っていました。
しかし・・・
それで終わりではありませんでした。
まだまだ家族の苦悩は続いています。
ここからは、入所後のミツコさんの様子を綴っていこうと思います。
引き続き、同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
面会最終日
母の入所から私は札幌に滞在し、ほぼ毎日面会をしていました。
10日間滞在し、とうとう最後の面会日となりました。
母が入所した施設では月に一度、家族が部屋まで行けることになっているので、その一回分を滞在最終日に使いました。
その日の母は、また帰らなくちゃならないモードになっていました。
あーあ、です。
「帰りたい」という訳でもないけど、
「帰らなくちゃならない」という感じ。
帰らなくていいという説明をすると、「あー、そうかい」と言うのですが、秒で忘れるらしく、また同じ話を。
いつものように漫才かコント。
認知症の人の頭の中は本当に分かりません。
同じことに固執し、説明しても秒で無駄になります。
適当にあいづち打つのが最良の方法なのでしょうか。
私も色々な認知症の本を読んできましたが、一人一人症状も違うんでしょうね。
本の通りには全然いかないです。
部屋での面会は、
クローゼットを片付けたり、
一緒に部屋に飾るリースを作ったり、
足を洗ったり、
おやつを食べたり、
で楽しく?過ごせましたが、終始「帰らなくちゃ」モードから離れられません。
不安が残る最終日
その日、施設の担当の方の話によると、私たちが面会する前に自動ドアから外に出てしまったらしいです。
施設入口の自動ドアは、中からも外からも勝手に出入りできないようになっているのですが、業者さんや面会で出入りが激しい時間帯もあるため、すっと抜け出すことも可能なのです。
玄関のすぐ前は駐車場になっているので、勝手に外に出てしまうと大変危険なのですよ。
かなり不安が残る最終日となりました。
忘れない絵心
母の部屋に、デイサービスで作成した塗り絵が貼ってありました。
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得意のサイン入り『mi~~』。
油絵をしていた頃に必ず書いていたサインです。
うぐいすの色合いも流石。
絵心が無ければベタ塗りになります。
(ちなみに私はベタ塗りになると思われます。)
そういう美的センスや長年の習慣は、なかなか忘れないものなのかもしれません。
後ろ髪を引かれて
その日に私は東京へ帰りました。
母の施設での生活は今後もずーっと続いていきます。
これからは、バトンタッチした姉頼みとなります。
私は元の生活に戻り、今後は東京に残されたパートナーを見守っていきます。
今まで近くで見てきた分、認知の進行度合いが正直よくわかりませんでしたが、恐らく一旦離れることで、今後いろいろな変化に気づいていくこともありそうです。
いやーぁぁぁ
考えても仕方ない。
新たな気持ちで東京で自分の生活をしながら、今後も見守っていきます。
東京から札幌へ、月一回通う生活に突入しました。
<これまでの経緯>
母 : ミツコさんの認知年表
1937年1月 北海道生まれ 85歳(2022年現在)
2005年12月 配偶者 (私の父) 他界
2007年3月 好きな人(=パートナー)と東京で暮らし始める
( ~14年間、東京下町でパートナーと暮らす )
2021年4月 東京駅にある銀行からお金を全部下ろすと騒ぎだす
2021年4月頃 難聴がひどくなり、話が通じなくなる
2021年6月 銭湯に行かなくなる
2021年8月頃 料理ができなくなる
2021年9月頃 コーヒーすら淹れられなくなる
2021年10月 なんとなく痩せてきた
2021年10月 江東区の地域包括ケアセンターへ相談
2021年12月 医師の訪問、認定員の訪問
2021年12月 要介護2の認定
2022年2月 江東区へ特別養護老人ホームの申し込み
2022年3月 デイサービス開始するものの、一回行ったのみ
2022年3月 札幌の施設も視野に入れて動きだす
2022年4月 札幌へ転居することを決め、施設探し
2022年5月 姉宅の近所にある介護付き有料老人ホームを契約
2022年6月 札幌へ転居、介護付き有料老人ホーム入所