見出し画像

[20241024] Nubya Garcia 『Odyssey』


俳優の西田敏行さんが亡くなったり、関東各地で闇バイト絡みの強盗事件が頻発したり。はたまたNBA挑戦中の河村勇輝選手が2way契約を勝ち取ったり、DeNAベイスターズが7年ぶりの日本シリーズ出場を勝ち取ったり。そして巷は選挙運動真っ盛りだったり。
悲喜こもごもな連日ですが、今月2本目の投稿をお送りします。

 Nubya Garcia『Odyssey』

【トラックリスト】

  1. Dawn Feat. Esperanza Spalding

  2. Odyssey

  3. Solstice

  4. Set It Free Feat. Richie

  5. The Seer

  6. Odyssey (Outerlude)

  7. We Walk In Gold Feat. Georgia Anne Muldrow

  8. Water's Path

  9. Clarity

  10. In Other Words, Living

  11. Clarity (Outerlude)

  12. Triumphance

現代UKジャズの牽引者、メジャー2作目

様々な才能が登場し、かつてない活況を呈しているイギリスのジャズ・シーンにおいて、その懐の深い音色と自身のルーツに根差した楽曲で躍進を続けているサックスプレイヤー/作曲家こそが、このNubya Garcia
前作『SOURCE』から4年の月日を経て届けられた最新作は、前作に引き続きKwesとの共同プロデュースに、 Joe Armon-Jones(key)、Sam Jones(dr)、Daniel Casimir(ba)という布陣となるが、様々なメディアで指摘されているように、今作の肝は自らアレンジを手掛けたストリングスの大幅導入か。
そもそもサックス以前はヴァイオリンを学んでいたそうで、遅かれ早かれこの展開にはなっていたのかもしれないが、これが想像以上に素晴らしく作品に壮大なスケール感を与えており、デビューから3作目にしてまたひとつステージを先に進めた大きなファクターとなっているのは間違いないところ。

前作より「Source」


またEsperanza spaldingGeorgia Anne MuldrowRichie Seivwright(KOKOROKO)というゲスト・ヴォーカリストの人選からも彼女の意志が見て取れる。
一昔前の言葉で表現するならば、さしずめGirl's Powerといったところかと。

「Dawn Feat. Esperanza Spalding」
冒頭の舞い上がるようなストリングスにEsperanza Spaldingの凛とした歌声が重なり、これから始まる壮大な冒険の幕開けを高らかに宣言しているかのよう。

「Set It Free Feat. Richie」
軽快なドラムに浮遊感たっぷりのキーボードが印象的な、Neo Soul然とした佇まいの1曲。というかRichie SeivwrightのヴォーカルがAmel Larrieuxを思わせるのもあって、Groove Theoryっぽくも聴こえたり、聴こえなかったり。

「We Walk In Gold Feat. Georgia Anne Muldrow」
荒野の風景が浮かぶような哀しくもパーカッシブな曲にフィーチャーされているのは、LAの女傑Georgia Anne Muldrow。さすがの説得力。


ストレートなジャズからダブ、ファンク/アフロビートまでをも飲み込み、さらにストリングスの導入により深遠な空気を纏うことに成功した今作は、後々彼女の代表作となるに違いない。

ではまた次回。peaceout.

いいなと思ったら応援しよう!