2023年11月のセルフステートメント
このセルフステートメントは、2023年11月11日のフラワーデモ横浜・川崎に向けて書いたものです。
フラワーデモ横浜の終了後、皆でミューザ川崎に移動し、エトセトラブックス代表の松尾亜紀子さんをお招きしたイベントの後、川崎駅前でフラワーデモ川崎が開催されました。
今年9月に4件の取材を受けて以降、僕のXアカウントにも、「過去に性被害を受けたことがある」という連絡が増えてきました。
勇気を出して伝えてくれた皆さん、本当にありがとうございます。
「男性の被害」が多かったですが、「女性の被害」の連絡もありました。
僕は「一介の性被害者」で、性被害ケアの専門家でも、性教育の専門家でもないので、皆さんがより良い被害者支援に繋がってくれることを望みます。
「男性の性被害」の存在が一気に広まったことはありがたいし、行政も重い腰を上げ始めたのはありがたいことです。
ですが、「女性の性被害」「子どもの性被害」の問題が、このまま「男性の性被害」の話題に埋もれていってしまわないか?という、一抹の不安を感じています。
実際、今は「男性の性被害」の問題報道の波がひと段落し、「子どもの性被害」の報道が少しずつ再発していますが、「女性の性被害」「性的少数者の性被害」については、鳴りを潜めているように感じました。
本来、性暴力・性被害は、年齢や性別に関わらず「あってはならない」ものですし、「何をされたか」の度合いで「性被害の深刻さ」を第三者がジャッジすることもあってはならないはずです。
男性の性被害は、それだけで「男がそれくらいでくよくよするな」と、マスキュリズムに基づいたジャッジをされてしまう例があります。
女性の場合はもっとジャッジがきつく、「痴漢くらいで」「触られた位で」「盗撮で済んだじゃないか」「妊娠してないなら平気」などと、被害者本人の深刻さを抉るような言葉が、第三者や女性からも投げつけられます。
いずれにせよ、性被害の「度合い」を第三者にジャッジされた被害者が、自分の深刻さを伝えられずに追い込まれてしまい、二次被害や後遺症に苛まれ、最悪の場合「自死」ということにもなりかねません。
性暴力は『魂の殺人』と呼ばれることがありますが、肉体も殺してしまうことがあるのです。
男性の問題を女性が話題にするのも、女性の問題を男性が話題にするのも、これからはもっとオープンになるべきです。
「性の話」に抵抗がある、嫌がる人はいますが、それはそれで良く、無理強いすることがあってはいけません。
現状、異性の話題は(特に男性が)「下ネタ」や「快楽目的」だけのこともまだまだありますが、そうではなく、「生活の問題に根付いた性問題の話題」を、男女関係なく、ジェンダーに対等な立場で話し合える場が、もっともっと広まってほしいのです。
それが、日本により「性教育」を根付かせ、ひいては「性暴力を起こさない社会」に繋がっていってほしいと願います。
性被害を「被害者の身体的性別」「性自認」「性指向」「年齢」「容姿」「服装」などで、簡単にジャッジしてしまう人は、今でも少なくありません。
「女だったら誰にであること」や「犬に噛まれたと思って」や「男だったら、そんな程度でくよくよするな」などという言葉は、余計に被害者を苦しめてしまいます。
また、「夜に歩いていたからだ」「そんな服装をしていたからだ」などの、被害者にも要因がある論を平気で言ってくる人も、まだまだ多いです。
いずれも、深刻な「被害者非難」です。
「自分は性被害に遭わない、気を付けている」という人にも、性被害のリスクはあるし、もしかしたら、性加害をしてしまう問題もあります。
もし、誰かから性被害経験の話があった場合、それを疑わずに、信じて、話を聞いて下さい。
話を聞いてあげるだけでも、性被害当事者は安心します。
それだけ、話しづらい問題なのです。
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