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性教育の資格

性教育には、今のところ、日本の行政機関が公認している「資格」がありません。

「適切に性教育の講習ができる」とみなされている「民間資格」には、大きく以下があります。
僕は、このいずれも取得していません。

*思春期保健相談士 - 日本家族計画協会

*性教育認定講師 - 日本思春期学会

*性の健康カウンセラー - 性の健康医学財団

*日本版性暴力対応看護師 - 日本フォレンジック看護学会

思春期保健相談士は、全国に約1万人の登録者がいる、最もメジャーな資格です。

性教育認定講師も登録者が多く、思春期保健相談士と両方取得されている方も少なくありません…というか、推奨されています。

一方、日本版性暴力対応看護師(SANE-J)は、前提となる受講資格が、日本フォレンジック看護学会に入会し、性暴力被害者支援の実務経験がある看護職(看護師・保健師・助産師のいずれかの免許を持っている人)に限られており、資格所持者は日本全国で110名強しかいません。
あくまで「民間資格」のため、厚生労働省が定める「認定看護師」「専門看護師」には指定されていませんが、ハードルが高い分、かなり専門的な性被害者支援が可能であり、その取扱い範囲に、もちろん「性教育」も含まれています。
なお、SANE-Jの登録者は、ほとんどが女性ですが、これは数年前まで女性看護職にしか受講資格がなかったことが理由です。

一般的には「性の問題に詳しい」と思われている助産師ですが、実際には看護学校で「性教育の授業」をあまり受けないとのことです。
ただし、国家資格である「受胎調節実地指導員」の認定講習には、一応は性教育が含まれており、助産師さんはほぼ全員がこの資格を持っているとのことです。
また、日本助産師会が、「包括的性教育」を実践する助産師を育成する事業を起こしています。

『包括的性教育』の根底となるものは、ユネスコが定めた『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』です。
日本語でも、本が出ています。

また、ユネスコのデジタルライブラリーでは、この日本語版の本の内容が、まるまるpdfで読めます。

『性教育』=『性行為の方法を教える』という誤解が、まだまだ多いのが、辛い所です。


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