ananのSEX特集2024
毎年恒例の、ananのSEX特集が出ました。
もろもろの事情で、8/12にようやく受け取ることができました。
この特集は毎回売り上げが良く、特に男性の購入者も多くて評判が良いため、編集部も特に力が入っています。
とはいえ、女性誌なので、「女性の性」を中心に据えた構成なのは変わりませんが、2020年以降、「性的同意」・「性感染症」・「性暴力」などについての内容も盛り込まれるようになって、「性の快楽」一辺倒から、より「現実的」なものに進化してきています。
そのため、『性教育=セックスを教える』というような、中高年の男性目線にありがちの中身とは異なり、「男女で安心して読める」特集になっているのは変わりません。
巻頭のグラビアで徹底しているのは、「女性目線の官能」という点です。
今回はSixTONESの田中樹さんと女性モデルさんのペアで、極力『女性を傷つけない』写真になっていて、年によっては女性モデルが「顔と名前NG」な場合もあり、それも尊重されています。
この特集では、「女性が主体的に性を楽しむ」視点での様々な記事がありますが、そこで避けて通れない、セクシュアル・ヘルス(性の健康)の部分は、2020年以降、ぐっと踏み込んだへの進化を続けています。
生理・避妊・性感染症・妊娠後の選択、そして子宮頸がんワクチンの概要が、シンプルだけど分かりやすくまとめられています。
さらに、「性教育の変化」として、『男性への性教育』についても触れられています。
もちろん、性的同意と性暴力、性の多様性、様々な映画や本やドラマ、「下ネタの境界線」など、いろいろな方面の記事が満載です。
ショート漫画は、『思春期の性』を繊細だけど生々しく描く、「岡藤真依」さんの作です。
この特集では毎回、紙面の表3と表4は、パナソニックのボディトリマー(電動除毛機)の広告で締めなのですが、そのタイアップ記事は、今回は『男性のVIOケア』でした。
先述の通り、この特集号は男性の購入者も多いことを意識したからでしょう。
『女性が性を楽しむ』ことに抵抗感があったり、「女が性を楽しむのは、はしたないことだ」という男尊女卑の性観念を変えてきた、ananのSEX特集の役割は、決して小さなものではありません。
同社の『Tarzan』でも、別冊で「特集 性学」が出たこともあります。
男女対等な立場に立つには、男性も「女性の性」を、もっと学ぶべきだと思います。