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2024年7月のセルフステートメント

2024年7月11日を中心に、各地で開催されるフラワーデモにあたり、僕的に思ったことを書きました。
沖縄の米軍兵問題は、僕が踏み込まなくても、他の有志が…案の定、フラワーデモ沖縄に、発起人の北原みのりさんが乗り込んだので、「他にも問題がある」という意味で、別の方向で書いています。
沖縄の問題を軽視しているわけではありません。
神奈川県内にも、主に横浜・横須賀・相模原などに米軍基地が多く、横浜市鶴見区の軍貯油場から、横田基地に向けて航空燃料を積んだ貨物列車が運行されています。
また、黄金町、日ノ出町、伊勢佐木町の一帯には、かつて米軍兵を相手にしていた売春宿(青線)が乱立していました。


性暴力は、肉体的な接触だけではありません。
また、「男性は加害者」「女性は被害者」とも限りません。

先月放送された、NHKスペシャル『調査報道・新世紀 子どもを狙う盗撮・児童ポルノの闇』の前後編を見て、驚かれた方も多いのではないでしょうか?
スマホやパソコンを使い、様々なネットワーキングサービスを介して、盗撮や児童ポルノなどの「違法な性的コンテンツ」を作成・媒介することも、「デジタル性暴力」の一つです。
承認欲求や小遣い稼ぎのために、自分のプライベートパーツを撮影してネットに載せることも、今の法律では摘発の対象となります。
また、ネットに流れている「児童ポルノ」コンテンツを、性的な目的で所持しているだけでも、摘発の対象です。
 

番組内では、ネットパトロールを女性だけで行っているボランティア団体と、「小児性愛者」が集まるグループが取材されました。
ですが、このような取材は「氷山の一角」にすぎません。
1件の大事故の裏には29件の小さな問題があり、さらにその背後には300件にも及ぶ問題がある…という、「ハインリッヒの法則」のような『児童ポルノの拡散』が、今でも常に行われているのです。
痴漢常習者や小児性愛者などの「性加害者」に対する治療体制も、日本ではあまり進歩していません。

後編では、中国の精巧なラブドールが映像に出ましたが、こういったラブドールは、日本語で発注して、取り寄せることができるのです。
「少女」だけではなく「少年」のラブドールも存在します。
こういったラブドールの存在が、「小児性加害」(チャイルド・マレスター)を助長しているという指摘もあります。

また、現実やネット上を問わず、誰に対しても、性的な差別や侮辱を含む言葉を、投げつけていないでしょうか?
人の外観をジャッジする言葉は、時に言われた相手を傷つけてしまうことがあります。
例えば、女性に対して『胸が大きい』という言葉を言っても、その女性は、胸の大きさがコンプレックスだったり、肩こりや服装選びに悩んでいたり、痴漢やセクハラに悩まされているかもしれません。
また、男性に対しても股間の大きさを言っても、大きさに関わらずコンプレックスがあったり、トイレで横から覗かれたりして、嫌な思いをしたこともあると思います。

アメリカでは、連邦通信委員会に規定された『放送禁止用語』がありますが、これらは日本国内では全くの無制限です。
一方で、日本の性的な言葉が、そのままの意味で英語圏で使われてしまっている事実があります。


私たちは、どうすべきでしょうか?
まず大事なのは、「性加害を起こさない」という意識を持つことです。
フラワーデモに参加している性被害経験者の中にも、今でも「自分が性加害を起こしてしまうかもしれない」という恐怖を抱えている方が
少なくありません。
しかし、「自覚がある」ことは、「加害を起こさない」という意識に繋がり、「行動の改善」に繋げることができます。
『性被害を減らす』のではなく、『性加害を減らす』アクションを起こすことが大事です。
まず、「自分の行動」を変えれば、「他人の行動」に気付き、他人に変革を促すこともできます。
毎月のフラワーデモに集まる人たちは、性暴力を止めるために、「自分を変える」「他人も変える」パワーを持つことができた人たちです。
伊藤詩織さん、カウアン・オカモトさん、五ノ井里奈さん、二本樹顕理さんだけではなく、あなたにも、『性暴力を止めるパワー』があるかも知れません。
無理にとは言いませんが、ヒントはいろいろなところにあります。
今お困りの方は、どうか遠慮なく、私たちに声をおかけ下さい。



3点、お知らせがあります。

7月2日から、神奈川県の性暴力ワンストップ支援センター「かならいん」が、LINEアカウントでの性暴力被害相談を始めました。
試験運用中のため、現在のところは週3日間だけでの対応ですが、必要た時のために覚えておいてください。

また、学校内での性暴力を描いた電子漫画「言えないことをしたのは誰?」の、紙での上下巻が、先週から発売されています。
この横浜駅西口の地下街の中にある有隣堂のコミックコーナーでも販売されています。


漫画単行本としてはお値段が高めですが、その分のボリュームがある内容です。
ぜひご一読ください。

最後に、8月2日から4日までの3日間、横浜駅西口から徒歩5分のところにある「かながわ県民センター」にて、『第31回AIDS文化フォーラム in YOKOHAMA』が開催されます。
今回のテーマは「伝えるむずかしさ」で、性教育や性問題を、どう分かりやすく伝えるか?に重点を置いた企画が用意されています。
3日間とも入場無料ですので、ぜひ足をお運びください。


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