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海外で体外受精:胚4つのPGT-A結果
ふりかけ法で受精させて着床前診断(PGT-A)したいという理由で転院した先での2回目の採卵から14個の卵が4つの胚盤胞になりました。
この時点で私は既に43歳になって半年が過ぎてました。胚盤胞たちの運命や如何に?!
異常胚の扱いは意向を伝えておく
だいたいどこのクリニックでも、異常とわかった胚は廃棄されるのがふつうのようです。
でも、PGT-Aって、100個以上ある胚の細胞のうちたかだか5個程度の、殻部分の細胞の染色体異常を調べるだけ。たとえ5個全部正常でも、残り95%は異常かもしれないし、その逆もあるかもしれない。正常細胞と異常細胞が混じったモザイク胚もざらにある。
正常と出た胚が異常で、出産につながらないかもしれない。異常と診断された3つの胚のなかに、ちゃんと赤ちゃんになれる正常胚があるかもしれない。
私たちは今回、PGT-Aの結果が出る前に「異常と診断された胚も、1年間の凍結期間が過ぎるまで、またはこちらから連絡するまでは保管しておいてほしい」とお願いしました。
胚の所有権は私たちにあるし、授精から3日を超えた時点で最長1年までの凍結保管費用が発生しています。患者の意向を無視して勝手に捨てることはできません。
クリニック側からどうしますかとわざわざ聞いてくれなくても、言えばやってくれるものです。PGT-Aの同意書をよく読んで、こちらから申し出る必要があります。
「正常胚が3つ貯まったら移植」戦略
根拠はこちらの記事から。
体外受精を始めた当初は、いくつ卵が採れて、いくつ受精して、いくつ胚盤胞ができるか完全に未知だったので、なんの計画も建てずに採卵に臨みましたが、2周期めが終わる頃には「正常胚を3つ貯めてから移植しよう」という戦略に。
なので、今回の採卵周期でもし正常胚が2つ以上だったら、前のクリニックの顕微受精胚と合わせ、合計3つなので移植に進みます。
正常胚が1つ以下なら、また採卵しようと考えていました。
PGT-A結果と再問診
結果が出るまで、ちょうど3週間でした。
正常胚 ×1
異常胚 ×3
ゼロではなかったものの、2個3個できたらどうするとウキウキしていた私たちは、現実を突きつけられた感じでした。
主治医=院長先生とのオンライン問診を取り付け、見解を聞くと。
「あなたの年齢からは、この結果は完全に想定内」
「正常胚は40代だろうが50%の確率で赤ちゃんになる。2つ正常胚で赤ちゃん一人だ。どうする?」
先生のおっしゃることは確かに研究データに裏打ちされています。
でも、貯まった正常胚は両方ともグレード2の6日目胚(グレード1が最高)。
6日目胚は成功率が下がるので、やっぱり3つめが欲しいところ。
そんなわけで、次の生理がきたらもう一度採卵しにチェコに行くことにしました。
PGT-Aは、お金のブラックホール。だけど…
着床前診断をする場合、大体どこでもできた胚盤胞すべてが対象になるので、当然胚盤胞の数だけお金がかかります。
前回の採卵では、クリニックのポリシーで診断に出せる胚盤胞は1つだけだったので すが、それでも76000円相当の現地通貨を払いました。
ここクリニックGでは、細胞採取500€ +生検400€×胚
実に1700€(本日レートで27万円)もかかっております。
それでも、染色体検査せずに上3つの異常胚を移植してしまったら、着床せずに逃す周期、流産して逃す周期、そしてダウン症などの障害があるとあとからわかった場合の苦悩など、道はさらに険しかったかもしれません。
実際、院長先生にも「もしPGT-Aしてなかったら、私なら成長が一番早かったグレード1の胚を最初に移植するだろう。この胚は外見はとても良いが、トリソミー21(ダウン症の染色体異常)だった」と言われました。
こういった点を考えると、時間がない40代だからこそ、PGT-Aというツールは私にとっては必要だったと信じます。