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海外で体外受精:勤め先に言う?黙っとく?

実は、初回採卵が終わって、さあ次やろうと決めるまで、職場には不妊治療を始めたことを伝えてませんでしたし、言うつもりもさらさらなかったのですが。
妊活栄養コーチの薦めで直属の上司にだけ打ち明けることにしました。


そもそも不妊治療してるって誰に言う?

会社に言うかどうか、という件は妊活してる人の掲示板でも時々スレが立つくらいで、職場に限らず基本みんな慎重になるようです。
会社に言う以前に、お互いの実家にも初回採卵でははっきり伝えていませんでしたし。
1回目の採卵と移植で妊娠すれば、妊娠報告だけすればいいですしね。

不妊というトピックは個人的な話になり重たくなりがちなので、そこそこ付き合いのある人たちにも気軽に言えない部分がありました。

会社に言ったところでどうなるの?

職場の人たちに「不妊」って目で見られるの、誰だって嫌だと思います。しかも上司は50歳そこそこで孫までいる、家族計画では「勝ち組」。

一方、2つの勤務先を掛け持ちしている夫は、初回採卵のときから両方の上司に「国外で不妊治療するので、急な有給申請が多くなる」と知らせていました。
そのほうが許可が降りやすくなるから、と合理的に判断したようです。
たしかに、どうせ仕事に影響が出るなら、ことわっておいたほうが信用面でも有利です。

福利厚生に体外受精?

ここ数年では、体外受精が福利厚生の一部という企業も実際出てきているようです。調べて初めて知りました。
実際アメリカに住む親戚が会社の保険制度を使って、自己負担ゼロで体外受精して一発妊娠、生まれた子がもう9ヶ月になってたことをつい最近知ったばかり。ただし、奥さんは私よりだいぶ若かったですが。

なるほど、勤め先に補助制度があるかどうかは知っておくべきでしょう。自分のケースに対して会社が何をしてくれるのかを聞いておいて損はないと。

補助制度があってもなくても、採卵や移植の前から何度も検査で来院する必要があります。
居住国外でやってる私の場合、当然ながら移動が長い、現地滞在しないとできない。
採卵や移植のために現地滞在中、何もない日をリモート勤務で有効利用して有給節約するためにも、職場に言ったほうが有利ですね。

さらに、体外受精は全てが生理周期に合わせて起こるため、前前から計画できないので、夫のように先に言っておくことで急な休みに理解を得やすくなります。

プライバシーを重んじるイギリス文化

日本で働いてた頃の感覚だと、こういう話題って裏でゴシップになったりしそうなイメージでした。

イギリスで数年働いて肌で感じたのですが、ここではプライバシーをすごく重視するというか、「個人的なこと(特に体のこととか)は言いたくなければ言う必要ない」って空気が漂ってます。
だからか、多分言っても大丈夫だろうな、っていう安心感はありました。

上司への告白と人事の対応

というわけで重い腰を上げ、まず直属の上司だけに打ち明けました。5年間面倒見てきてくれた信頼できる人だったけど、切り出すときはドキドキしました。

上司は即座に理解を示し、自分にできることがあったら何でもきいてね、このことは内密で、私がいいと言わなければ上司の上司にも言わないから、と約束してくれました。
上司の立場からすると、ちょうど忙しい時期で、有給で仕事に穴あけられるよりも海外からリモートで働いてくれるほうがありがたいということでした。

同じ週に人事と上司との三者面談を取り付けてもらい、わりと偉い人と会って話したところ、部署内で体外受精関連の補助制度を考えてはいるが、すぐには整わないだろうと。
では、現時点でどんなサポートが可能なのか?

人事が保証してくれたのは2点:

  • 傷病休暇。1回1週間(5勤務日)を超えなければ医師の診断書なしで取れるわよ、と。直属の上司さえOKすればいい傷病休暇の仕組みを体外受精にも使っちゃいなよ、と暗に言われたわけです。

  • 海外出張扱いで1年に1ヶ月までリモート勤務して良い、という許可を、部門の一番偉い人に人事の人から取ってくれました。

会社に話して良かったのか

そういうわけで、会社(上司と人事担当)に話したのは大正解でした。予定組みが予想以上にスムーズになったし、何より、堂々と、かつ内密にリモート勤務したり採卵後に休んだりできるのがいい!
心のつかえが降りた感じです。体外受精のためと言えば、上司はそれ以上踏み込んできません。

それだけじゃなく、毎週の個人面談時間を一部このことに割いて話ができるのも良かった。
たまたま子持ちの娘がいる女性の上司だったので、何かと同情を得やすかったです。

イギリスはメンタルヘルスも重んじる文化があって、「IVF」といえば、精神的に大変というイメージがあるようで、いちいち私の精神状態を気づかってくれて、結果的にとってもやりやすくなったのでした。

※ イギリスのとある会社限定の労働事情の話なので、他の会社や他の国ではそうはいかないかもしれないし、もっと良い環境もあるとも思います。

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