移植周期 DAY 40:夫からのカード
周期開始から40日目、移植からは12日めの早朝、生理痛のような痛みが始まって目が覚めました。
妊娠判定、陰性
トイレに行ってすぐに
「ああ、来てしまった」
パンティライナーに茶色いおりものがついていただけ出なく、少量の鮮血も出ていて、直感的に生理だと理解しました。
妊娠判定検査をしてみたら、やっぱり陰性でした。
イギリスの不妊治療中の女性たちはこれを「BFN」と呼び、恐れています。
Big Fat Negative("big fat"をつけることで事の重大さを強調する意味合いが加わります)を略してBFN、逆に陽性判定が出ればBig Fat Positiveで「BFP」となります。
調べると、実は遅くても8日目とかから陽性反応は出るものらしく、12日目の今日の時点で陰性っていうことは、ほぼ確実に妊娠してないということになるんだとか。
涙は出ませんでした。
目を覚ましたばかりの夫に話し、ベッドに戻ってじっと抱きあって慰め合ったのも束の間、すぐ仕事の時間になってしまいました。
会社には1時間遅れて行きました。
前に進むには悲しみと向き合うこと
朝、すぐに涙が出なかったので「私、以外と気丈」「こんなもんか」と思ってましたが。
本当の波は、時間差でやってくるものだったらしい。
地震でいえば、朝のは「前震」
「本震」がゆっくりと始まりました。
上司の前で泣いた
職場で唯一事情を知っていて応援していてくれる上司に時間をとってもらい、最初は淡々と報告していたのですが。
私には妊娠する能力がないのかもしれない、と言ったとたん急に感情がこみ上げてきて、上司に涙を見せてしまいました。
上司は、辛くなったら早退していいよと言ってくれました。
一人で泣いた
仕事時間中、人気のない部屋でYouTubeで見つけた「(移植後)生理がきてしまったときのための瞑想」を目をつむって聴きました。
すると、また自然に涙が出てきて、ああ、やっぱり悲しいんだと。
夫の腕の中で泣いた
帰宅すると夫はなかなか帰ってこない。
一人がいつもより淋しく感じます。
ショックな日だっただけに、夫と一緒にいたかったなと。
残り物を温めて一人で夕食を食べ、洗い物する気力もなくてソファに寝転がっていると、やっと帰宅する音が。
封筒をくれたのでをあけてみると、グリーティングカードでした。
表紙を見た瞬間、せきが切れて今度は声を出して泣きました。
厳密には、夫もガッカリしただろうに、私のことを考えてカードを用意してくれた気持ちにジーンときたのがきっかけになって涙が出たというほうが近い。
誕生日カードも結婚記念日のカードも書かない人が、わざわざカードを買って、メッセージを書いてくれるってことは、彼なりにも深刻に受け止めているのでしょう。
妊娠判定前だったとはいえ、私たちの受精卵から育った胚は、2週間前、確かに私のお腹にいました。
着床せずに消えてしまったのはいつなのか、わかる術はないけれど、この2週間、私と夫にとって赤ちゃんはそこにいたのです。
だから、陰性判定イコール赤ちゃんを失ったってこと。
悲しい気持ちを認め、悲しみに向き合うことが、この「喪失」を引きずらずに前に進む近道だと思います。