Tableau 8つのハードルを越える⑤「メジャーのディメンションへの変身、ディメンションのメジャーへの変身」
今回は、これまで説明してきた「ディメンション」「メジャー」そして「連続」「不連続」の話を踏まえて、メジャーのディメンションへの変身、ディメンションのメジャーへの変身、をテーマに説明したいと思います。
本連載記事①では、以下のように「ディメンション」「メジャー」の解説をしました。
そして、ディメンションとメジャーは、下図Tableauの画面の②、③の位置に分かれて表示されていました。
では、この
ディメンションに置かれたものは常にディメンションとしてしか働かず、
メジャーの置かれたものは常にメジャーとしてしか働かないのでしょうか?
実はそんな事はなく、臨機応変に変身させる事が出来ます。
その変身についてみていきましょう。
利用するデータはこちら、ファイル名「結果」の、csvファイルです。
なお、説明に使用しているワークブックはTableau Publicにアップしています。(過去のバージョンのFileのため、レコード数を数えるフィールドは「レコード数」というフィールドになっています。)
下記からダウンロードも可能です。
さて、突然ですが、こんな的を作ってみんなでダーツ大会をしました。
魅力的な20点の的の隣には、1点やマイナス5点の的もありますね。
強気に20点を狙いにいくか・・・10点や5点で堅実に行くか・・・迷いますね。
今回は6人で、ひとり3本ずつダーツを投げてみました。
そして、一投、一投の結果をExcelにまとめたところ、下図のようになりました。
この、ExcelにTableauから接続し結果を視覚化してみましょう。
もちろん、「名前」がディメンション、「点数」がメジャーですよね。
では、これから3つの質問に答えていきたいと思います。
一つ目の質問はこちらです。
Q1「誰が、一番多く得点したでしょうか?」
この質問に対しては、こんなVizを作ってみました。
見ての通り、「けいこさん」がトップです。
作り方は、メジャーの「点数」を列に置き(集計方法は合計のまま)、ディメンションの「名前」を行に置けば完成です。
これは、「名前毎に、点数を合計して集計した」という事で、それほど違和感なく作れるVizだと思います。
次に、こんな質問を受けました!
Q2「どの的に、一番多く矢が当たりましたか?」
如何でしょうか?
参加者それぞれ、狙う点数は性格によって違っていたかもしれません。
結果、どの的に一番多く矢が当たったのか、知りたいというわけです。
言葉を変えるなら、「的の点数毎に、当たった矢の本数の合計を知りたい。」ですね。
この場合、集計したい数字は矢の本数、つまり元データの1行1行のレコードの数なので、メジャーとしては「結果.csv(カウント)」が使えそうです。
ディメンションはどうでしょう?
1点の的、5点の的・・・20点の的という点数が、データを切り分ける切り口、すなわちディメンションになっています。
Q1ではメジャーになっていた「点数」を、今度はディメンションに使おうというわけです。
では、以上を踏まえVizを作ってみましょう。
まず、メジャーの「結果.csv(カウント)」を列に持っていきます。
レコード数の棒グラフが出来ました。
次に、同じくメジャーの「点数」を行に持って行きます。
上図のようになってしまいました。これは、「点数」がメジャーとして扱われており、いわゆる散布図になっています。
これでは作りたいVizではありませんので、「点数」はメジャーではなくてディメンションだよと、設定しましょう。
行に置かれている「点数」を右クリックし、メニューから「ディメンション」を選択します。
これで、「点数」がメジャーでなくディメンションとして扱われることになります。
すると、
上図のようになりました。
「点数」がディメンションになったものの、連続として扱われているので、自動的に線グラフになりました。ちょっと答えも分かりにくいですね。
そこで、「点数」を不連続に変えましょう。
再び、「点数」を右クックし「不連続」を選択します。
すると、このようなVizになりました。
これで、答えが分かりましたね。10点の的に一番多く当たっていて、合計で10本の矢が当たっています。
これが、メジャーをディメンションに変身させて扱った例となります。
*補足
もし、「点数」を、通常ディメンションとして扱うなら、下図のように「点数」を画面左のメジャーから、上のディメンションにドラッグ&ドロップで移動させてしまえばデフォルトで「点数」がディメンションとして扱われるようになります。
通常はメジャーで良くて、Vizによって一時的にディメンションとして扱う場合はQ2解説(上記)のように設定します。
次は、最後の質問、こちらです。
Q3「20点の的に当てられた人は何人いたでしょうか?」
面積の小さい20点の的に、果たして何人の人が当てられたか?という問題です。
言い変えるなら、「的の点数毎に、何人の人が当てられたのか数える」という事ですね。
これなら、Q2に引き続き、ディメンションは的の点数で良いでしょう。
一方、集計したい数字は的に当てた人数です。
つまり、当たった的の点数毎にレコードを分けた時に、「名前」に何人の人が含まれているか?という事が必要です。
下図、Q2のVizを使い、一部追加してみましょう。
この横棒グラフに、「それぞれの的に当てることが出来た人数」の棒グラフを追加したいと思います。
名前の数を数えて横棒グラフにしたいので、ディメンションの「名前」を列に持っていきました。
これをしようとすると、下図のように既に列に置かれている「合計(レコード数)」の左にしか置けません。
下図のようになりました。
何が起きたかと言うと、もともとディメンションである「名前」が列に置かれ、切り口となって横に並べられています。
これは、やりたい事ではありません。
では、「名前」をメジャーに変えましょう。
下図のように、列の「名前」を右クリック → メジャー → カウント(個別)を選びます。
これで、「名前」をメジャーとして扱い、集計方法は含まれる名前を重複しないようにカウントする、という意味になります。
(カウント(個別)にすると、同じ人が何本も、ある点数の的に当てていても一人としてカウントします。
単にカウントとした場合は、同じ人が複数本当てていた場合、複数の人数としてカウントされます。)
下のようなVizになりました。
左側の棒グラフは、「名前」の個別カウントとなりました。
これで、20点の的に当てた人は3人と分かりました。
振り返ってみると、Q1では、「名前」がディメンション、「点数」がメジャーとして合計されていました。
これがQ3では逆になり、「点数」がディメンションとなり、「名前」がメジャーとして個別カウントされました。
このように臨機応変に、ディメンションとメジャーは変身させることが可能です。
それを体感いただけていると幸いです。
さて、ここまで「変身」という表現を使わせて頂きましたが、そもそもTableauでは、一部のFiledを除き、Filedをディメンションとしてもメジャーとしても扱う事が出来ます。Tableau画面左側(データぺイン)でディメンションとメジャーに分かれているのは「このFieldは、そのまま利用した場合にデフォルトでどちらとして扱うか?という意味合いで分けているだけ。」と理解することも出来ます。こう理解すると、本記事で紹介したTableauの持つ自由度を、違和感なく活かせるかもしれません。
<<最後に、ワンポイトテクニックです>>
Q2で「点数」を行に持っていく際、および、Q3で「名前」を列に持っていく際、ドラッグ & ドロップを右クリックしながら行う、というワンポイトテクニックがあります。
すると、Q2の場合では、「点数」をディメンションにするのか、もし集計するならどのように集計するのか?
を選ぶメニュー画面が出てきます。
Q3の場合では、名前を、メジャーにして個別カウントを選ぶ事が出来るメニュー画面が出ます。
この機能を利用すると、ダイレクトにメジャーかディメンションかを選べるので、ひと手間省くことが出来ます。
右クリックドラッグ&ドロップ、実は、いろいろな場面で使えますので試してみて下さい
読んで頂き、ありがとうございます。
追記
*ダーツをする猫のイラストは、こちらのサイトから利用させて頂きました。
https://kohacu.com/20180423post-17751/
次号では、メジャーネーム、メジャーバリューを扱います。
*連載記事すべてへのリンクは、こちらのマガジンにまとめています。
By ritz_Tableau
2020-2023 Tableau Zen Master | 2019-2021,2023 Tableau Public Ambassador |2021 certified as Tableau Certified Professional | DATA Saber
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