サビに4度をふんだんに繰り出すYOASOBI、通称「Ⅳ有サビ(よあさび)」
サビに4度って王道進行じゃねぇか!と思ったそこのあなた、まぁちょっと寄っていきや。
と、大きく出つつ、私はただの音楽好きな一般大学生です。実は音楽理論を大して勉強していないので、だいぶ付け焼き刃の知識で話しています。音大の皆さん、藝大の皆さん、音楽家の皆さん、そしてその他音楽理論を体得されている皆々様、どうか怒らないで。間違ってたらSMAPの『Over Flow』のごとく、そっと優しく教えてください。
さて私は無類のYOASOBIファンです。ファンクラブにも入会しています。YOASOBIを追いかけ始めたのは受験期だった2019年の秋頃、つまりデビュー当時からの最古参なのですが、日々忙しすぎてライブ等には未だ足を運んでいません。YOASOBI Tシャツを持ってるぐらい。
幼少期、すこし音楽理論に触れていたので、なんとなくコード進行を特定するという作業にいつもYOROKOBIを感じています(殴。最初に挙げた神々の皆さんは、聴いた瞬間にコードが出てくるようですが、私は齢21にしてまだ、構成音を特定してググらないとわからないといった感じです。絶対音感はあるので、音の特定はほどほどに合っているのですが、まぁ実力としてはそんなところです。
さてみなさん、4度ってなんでしょう?そうです、ハ長調で言えば、「ドレミファ」の「ファ」です。その調の基本となる音(ハ長調の場合、ド)を「1」として数えたら、レが2、ミが3になるので、ファが4です。ここでは音を、数としてそう数えるものとします。
YOASOBIの『祝福』の頭「はるか遠くに~」は、4度からはじまります。
詳しく、なお正確にはこの方が解説してらっしゃるのでそれに譲ります。
これによれば、
Ⅳ - Ⅱ/♯Ⅳ - Ⅴ - ⅲ - ⅵ …
と続いていくのですが、もしここで Ⅱ/♯Ⅳ がなければ、典型的な4536進行(王道進行)でした。 Ⅱ/♯Ⅳ は分数コードですが、2度の和音に増4度(4度の半音上)ベース音が加えられた和音ということ「だと私は思います」(合ってますよね?)。
『祝福』はドから始まるハ長調なので、2度は「レ」、増4度は「ファのシャープ」の音になります。2度「レ」のメジャーコード、日本語で言うと長三和音は「レ・ファ・ラ」の構成になるので、それに増4度「ファのシャープ」をベース音として加えると、「ファのシャープ・レ・ファ・ラ」の構成になります。私はこれを見たとき、王道進行以外の要素で4度(今回の場合、正確には増4度)を使ってるんだな~と思って見ていました。
『祝福』の場合、この後AメロBメロと続いて、サビでは族調転調して結局4536進行になるのですが、下降クリシェっぽいものが繰り出されるあたりで Ⅳdim7 が出てきます。代理コードだ!(習ったばかりの要素が出てきてキャッキャしている中学生並感)
YOASOBIが「Ⅳ有サビだ!」となるのは、記事投稿時点で最新曲の『アドベンチャー』です。説明は省略しますがこの曲の調では4度が「ラ」です。
さぁ、それではサビを聴いてみましょう!
※「」内を2小説として扱っています。
「待ちに待った今日は特別な日」
Ⅳ - Ⅴ - ⅲ - ⅵ
ここは4536の王道進行です。
「日常から少しはみ出して」
Ⅳ - Ⅲ - ⅴ - Ⅰ7
頭に4度だ!!!(個人的には、2度でも綺麗だと思うのにわざわざ……)
「ほらシャッターを切って映し出せば」
Ⅳ - Ⅴ - ⅲ - ⅵ
王道進行に戻って、
「どうしたって こぼれ」
Ⅳ
え待って4度に戻って落ち着いちゃうんですか!?(2度だと思って裏切られる定期)
「るような笑顔ばか」
Ⅴ - Ⅳ - Ⅴ
一旦落ち着いてんなら5度にしっぱなしでも綺麗なのに、4度をねじ込みたいという欲が見え隠れしている……!
「りーーーー」
Ⅳ - Ⅴ - ……
いかがでしょう!めっちゃ4度を使おうとしている姿勢が見て取れるのは私だけでしょうか……?
もちろん、私の知識不足でそう思っているだけであって、私より解像感高く音楽の世界におられる方々からの異論はあると思うのですが、私は『アドベンチャー』のサビにとても4度を感じたわけです(どういう日本語?)。
これからも「Ⅳ有サビ」を楽しみにしていこうと思います。
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