2018末HOUプロスペクトTOP30(後編)
ここからは後半の15人を紹介していきたい。
プロスペクトのランキングはあくまで目安であり、今年のJamesのように低評価から飛躍する選手も多く存在する。
そういった選手を楽しむのもプロスペクトチェックの醍醐味の一つだ。
16 Freudis Nova SS 18歳 右投げ右打ち
Rk.308.331.466 6BB 21K
16年のIFAより契約した選手
元々評価の高い選手であり、アストロズの前にMIAと合意していた。しかし薬物テストに引っかかり破断、約半額の$1.2millionでアストロズと合意した。アストロズとの契約の際にも肘の異常で引っかかり減額されている。Hanley Ramirezと比較されており、打撃面の評価が高い。身体能力も非凡である。反面若さもあり当然と言えるが、まだまだ粗い。守備面もショートを軸にセカンドサードを試している。守備率が.8台をマークしたりとヒヤヒヤさせられるが、ショートとして大きく育ってもらいたい。
17 Jayson Schroeder RHP 19歳
Rk 1.50 18.0IP HR9 0 BB9 4.50 K99.0
18年ドラフト2巡目指名選手
平均90マイル前半最速96マイルの速球とカーブを操る高卒右腕
今年のアストロズのドラフトはかなり大卒選手に比重が置かれていたが、数少ない高卒選手である。スライダーチェンジアップも持っている。コンパクトで綺麗な投球フォームで完成度が高い。伸びしろ十分な好素材だ。
18 Peter Solomon RHP 22歳
A,A+ 2.32 100.2IP HR9 0.2 BB9 2.9 K9 10.2
17年ドラフト4巡目指名選手
90マイル中盤の速球、ハードカーブとスライダーを操る。指名年の昨期はメカニクスの修正に取り組んでおり、登板はRkでの1イニングのみだった。フルシーズンとなる今年本格デビューを果たし好成績をマーク。大学時代は制球に難があり、通算のBB9は5.3で中継ぎ登板も多かったが、修正の効果もあってか安定した投球を披露した。193cm91kgと体格も申し分ない。持っているボールの質は高い評価を得ているので楽しみな選手だ。
19 Tyler Ivey RHP 22歳
A,A+ 2.97 112.0IP HR9 0.4 BB9 2.3 K9 10.8
17年ドラフト3巡目指名選手
90マイル前半の速球、カーブのコンビネーションの評価が高い好投手。18位のSolomonと評価は同等でタイプも近い。体格も193cm88kgと申し分ない。足を大きく上げ豪快に投げる。しかし制球も纏まっており、バランスのとれた投手だ。SolomonよりIveyの方が制球力に優れ、球威でやや劣る。指名順位昇格速度共に近いので競い合って成長して欲しい。
20 Ryan Hartman LHP 24歳
AA 2.69 120.2IP HR9 0.8 BB9 1.9 K9 10.7
16年ドラフト9巡目指名選手
90マイル前後のストレート、カッターカーブを操る。チェンジアップは平均以下の評価。ストレートの球速は物足りないが、スピンの効いたボールを投げる。圧倒的なボールは無いがコントロールに優れている。体格は190cm92kgで出処の見辛いフォームをしている。現状の評価はスイングマンになれればといったところ。スピードが伸びればローテも見えてくる。
21 Bryan Abreu RHP 21歳
A-,A 1.49 54.1IP HR9 0.7 BB9 3.8 K9 14.9
13年に契約したドミニカ右腕
オフのルール5プロテクトに、まだAにもかかわらず採用され注目が高まった。最速97マイルの真っ直ぐと落差のあるカーブは共にスピンが効いており評価が高い。BA,公式のランキング共にプロテクトとなったこともあり一気にランクを上昇させた。まだAという低層にいること、イニングの少なさからこの辺りが妥当かと考えている。まだプロテクト対象に無い好投手達に大きく差をつけているとは思っていない。来季はA+スタートになるだろう。Jamesの例もあるので、どこまで進めるか注目したい投手の一人だ。
22 Jamie Ritchie C 25歳 右投げ右打ち
AA,AAA .293.390.405 31BB 57K
14年ドラフト13順目の捕手
アプローチのいい捕手。17年にはマイナーでサイクルヒットも達成している。捕手以外にも1Bでも出場が多い。今期の阻止率は34%である。マイナー通算で.283.406.393 258BB 291Kといった成績を残している。ルール5対象となっていたが、プロテクトも指名も無かったので評価は低いのだろう。アストロズの捕手層は薄くなっているので、彼にもチャンスはあるはず。
23 Jonathan Arauz 20歳 右投げ両うち
A,A+.229.305.373 46BB 74K
みんな大好きGilesとのトレードで15年PHIより加入
スイッチヒッターのショート。Aでは.299.392.471と二游間の選手として十分の数字を残した。しかしA+では.167.223.288と苦戦、来期はここでも数字を残したい。17年にはお薬違反により50試合の停止も経験している。ショートに残れるかは疑問視されており、セカンドに回ることになりそうだ。目に見えた短所も少ないが、飛びぬけた長所も少ない。アプローチの良さを生かし、UTとしてMLBを目指したい。
24 Ronnie Dawson OF 23歳 右投げ左打ち
A+,AA.258.333.428 45BB 130K
16年ドラフト2巡目指名選手
走力とパワーが売りの外野手。守備は足もありレフトとしてはまずまずだが、肩の評価が低い。全体としてスケールを落としたFisherといったところか。AAでは.289.341.518と好成績だった。出来過ぎた感はあるが、打力を活かしてレフトの座を掴みたい。
25 Jairo Solis RHP 18歳
A 3.55 50.2IP HR9 0.2 BB9 5.7 K9 9.1
昨期Rkでデビューを果たすとBB9 3.1 K9 10.1通算で残し評価を高めた。元は評価の高い選手ではなかったが、球速が3マイル伸びた影響で好成績をマーク。回転の良いカット気味の真っ直ぐとスライダーの評価が高い。今年は18歳でAに配属され、順調な成績を残していた。しかしシーズン途中で怪我により離脱、TJ手術を受けた。それがなければもっと上位の順位を付けたかった。リハビリ頑張って欲しい。
26 JJ Matijevic OF 23歳 右投げ左打ち
A,A+.277.350.538 43BB 113K
17年のSTLからの補償指名で指名した選手
指名時はセカンドでコールされたが、専らレフトを守っている。ヒッティングスキルもパワーも兼ね備えている外野手。走塁と守備は欠点である。足も遅いため正直レフトも厳しい。アマでは1Bもやっていたのでコンバートもありそうだ。打力を活かして一塁指名打者を目指したいが、アストロズは近年このタイプを多く指名したので競争も激しいか。
27 Dean Deetz RHP 25歳
A~AAA 0.89 40.2IP HR9 0.2 BB9 5.1 K9 13.9
MLB 5.40 3.1IP HR9 2.7 BB9 2.7 K9 8.1
14年ドラフト11順指名選手
90マイル中盤を安定して投げ込むリリーフ投手。コントロールは悪い。昨年は開幕前に薬物違反で80試合の出場停止となった。ちなみに彼と一緒にSingletonも捕まった。まっすぐもスライダーもパワフルではあるが、この制球力でMLBで戦えるかは疑問である。来年はAAA待機となることが予想されるので改善に取り組んで欲しいが、そう簡単ではないだろう。
28 Alex McKenna OF 21歳 右投げ右打ち
A-,A.311.394.512 14BB 40K
18年ドラフト4巡目指名選手
大学では主にセンターでプレーした外野手。守備面はまだセンターに残れるか不透明だが、チームは残れると考えているようだ。センターとしてアウトでも、質の良いコーナープレイヤーにはなれるだろう。今期は順調なデビューを飾っており、個人的な期待はかなり高い。まだプレー機会が少ないためこの順位に置いた。広角に打ち分ける打撃スタイル。早期昇格の可能性も感じさせる完成度の高い選手だ。
29 Josh Rojas UT 24歳 右投げ左打ち
A+AA.263.351.408 68BB 89K
17年ドラフト26巡目指名選手 ハワイの大学から来たらしい
大学時代は主にセカンドでプレーしたUTとして期待される選手。個人的にはかなり期待している。アプローチの良い打撃とスピードを兼ね備え、どこでも守ることができる。今期は38盗塁を記録した。マイナーでは投手捕手中堅以外のすべてのポジションを経験している。ショートの守備は厳しいが、それ以外は使い物になりそうだ。近年はUT選手の価値が高まっているのでその波に乗りたいところ。
30 Akeem Bostick RHP 23歳
AA,AAA 3.95 98.0IP HR9 0.7 BB9 3.4 K9 9.6
Corporanとのトレードで15年に加入した右腕
198cm97kgの恵まれた体格から、90マイル前後の真っ直ぐとチェンジアップを駆使する。カーブが今年成長した結果三振奪取能力が上がり、AAAまで駒を進めた。来期はSPの枠が空いているので、彼にも夏以降チャンスがあるかもしれない。制球はさほど良くない。ローテに定着には体格に期待して球威の上昇を待つのが現実的か。
以上30選手が今オフでの個人的なアストロズのプロスペクトランキングだ。
投手はフォーシームとカーブのコンビネーションをスカウト軸においているのが伝わる。野手はパワフルな攻撃型の選手を多く獲得しており、内野のコアポジション3つが埋まっているうちに、勝負をかけていく目的の編成だと感じる。若手たちの成長を楽しみに来期も追っていきたい。
またこれまでアストロズのドラフトに深く関わっていたMile EliasがBALのGMとなった。これにより各チームのドラフトにどのような変化が出るか注目である。来期はLuhnowもドラフトにより関わることを示唆しており楽しみだ。
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