2024.11.10 NaoChamP 1st LIVE
2024.11.10 (Sun) Pfes 63 @Shibuya LUSH
NaoChamP are
Vo /Lyrics : Nao
Gt /Music : Cham
Pf /Arrangement : P
SET LIST
1.一〇五
2.いつか
3.夏風邪
4.drawing
Intro
NaoChamPの初ライブが終了しました。ご来場いただいた方、配信でご覧いただいた方、どうもありがとうございました!
全4曲、全てオリジナル曲での出演となりました。久々のテキストとなる今回は、このライブに至るまでのいきさつ、各曲の楽曲紹介などつらつらと書いていきたいと思います。
そもそもPfesとは
重要な前提として出演の場となったPfesについてまずは触れておく必要がある。もはや開催回数も63回と、着実に出演者及び観客からの信頼と実績を積み重ねている同イベントだが、ここで改めてPfesというものを自分なりに定義しておきたい。
Pfesとは、自身もキーボーディストでミュージシャンのPさんが主催するライブイベント。主にコピーバンド10数組が丸1日ライブハウス渋谷LUSHに出演し、転換の間にはPA卓前のサブステージでソロシンガーによる弾き語りが行われている。ジャンル不問、初心者大歓迎を謳っており、Pさんの人柄もあってか、出演者/お客さん皆あたたかく、会場にはいつもピースフルな空気が循環している。
また、Youtubeでのライブ映像配信もリアルタイムで行っているのだが、特筆すべきはそのクオリティの高さ。数台の本格的なカメラを駆使したカメラワークやスイッチングは本当に素晴らしく、家に居ながら、電車の中でも会場の臨場感が味わえるように工夫されている。
Pfesにはかつてeastern youthやPuffyのコピバンで出演したことがあったが、自分が本格的にコミットしていく契機となったのが、隔週で行われている配信Pfesへの投稿である。
配信Pfesは言わばリアルのライブであるPfesの別枠的なポジションで、概ね隔週金曜の20:30~PさんがMCを務めるYouTube放送。動画の投稿本数にもよるが、だいたい毎回2-3時間の放送となる。年1回だけ夏に行われる「RISING P ROCK FES」では、本家北海道での夏フェス「RISING SUN ROCK FES」さながら、Pさんとちゃんまいが夜通しMCを務め、明け方の日の出と共に番組が終わるという展開に。動画の長尺モノも多く、年に一度のお祭りを楽しみにしている人も少なくない。
流れとしては最初にPさんのオープニングトーク。次いで乾杯→オープニングテーマ曲を経て、Pさんとちゃんまいの生演奏による『お歌のコーナー』→そのあと、出演者の投稿動画が続々と展開される。視聴者はリアルタイムでコメント参加ができ、投稿者やそれ以外の視聴者とのコミュニケーションに一役買っている。
弾き語りカバー動画が多いが、それ以外も広く受け付けており、「ペットと散歩」や「料理対決」、「FMラジオ風に音楽シーンの解説」や「異国赴任先レポート」などジャンルレスでボーダーレス。自分もオンライン英会話の授業に字幕を付けて投稿なんてこともしてきた。誰にでも門戸は開かれ、表現発表の場としての敷居を限りなく低くし、そのどれもに深い思いやりと敬意が寄せられているのが配信Pfesの大きな特徴である。配信終了後はPさん主催による任意の視聴者を集めたzoom飲み会が行われるが、だいたい翌日の朝っぱらからPさんは何かのリハの予定が入っているためテンションは低めである笑。
配信Pfesも前回で77回を迎え、リアルPfes同様に長寿番組への道を歩み始めている。自分は2021年の年末から投稿に参加し、直近の回まで途切れず投稿を続けてきた。他にも多くの方々が配信Pfesへの投稿や視聴を通じて、このコロナ禍をサヴァイブし、配信&リアルPfesのハイブリッドで、音楽的な交流を深めていったと思う。
ライブまでのいきさつ
そんな中、NaoChamPを結成し、Pfesでライブをやることになった。ちょこっとそのへんの経緯を。
Voのなおちゃんとは互いのフェイバリットアーテイストであるaikoセッションで知り合った。上述した配信Pfesの投稿常連者であった彼女だが、確か配信Pfesへの参加を勧めてくれたのもなおちゃんだったと記憶している。彼女の毎回の投稿を見るたびに、自然と自分も鼓舞されていたのかもしれない。
時は2年前の2022年夏、コロナ禍。ステイホームを余儀なくされ、元内閣総理大臣・安倍晋三が暗殺され、世の中全体に倦怠感と厭世感が漂い、全てにおいて文字通り息苦しかった時期。僕は家で久しぶりに曲を作っていた。そんな中aiko以外のコピバンや弾き語りも積極的に行っていたなおちゃんが、歌詞を書き溜めてるという話を耳にし、なら曲書くからオリジナルやらない?と提案したのがきっかけ。
デモ曲を送ると、確か翌日か翌々日にはもうほぼ完成した詞が送られてきて、しかもそれがとても良かったのでかなり腰を抜かしたのを覚えている。なおちゃんの表現者としての扉が開かれた瞬間だった。
そしてこのスピード感がサイクルに拍車を掛けた。曲と詞の往復書簡は続き、気が付けば曲は5曲になり、その4曲にはもう詞が乗ったものが完成していた。曲達は配信Pfesではデモトラックに歌入れしたものを投稿したりはしていた。また、そのうちの1曲は私Chamのソロライブ@Pfesで昨年ゲストになおちゃんとPさんを招いて披露はしたものの、それ以外の曲はまだ光を浴びていなかった。その後、行動の早いなおちゃんが、残りの曲達も世に出したい、と全編オリジナルでのライブに向けて調整に入っていった・・・と記憶している。
晴れて今回のお披露目となった訳です!
SET LIST
3人でリハを重ねて行く中で、何かの拍子に今回披露する曲達が全員女の子っぽいなあと浮かんだ。性格もバラバラな4姉妹という設定だとお客さんにも伝わりやすいかなというのもあった。
1.一〇五(長女)
オープニングを飾るのは初めてなおちゃんに書き下ろしたナンバー。まずは長女として王道の『良い曲』を!という思いがあり、ギターのコード弾きとドラムマシンでデモの骨格を作ってから、鍵盤でメロディを乗せていった。
下に当時の記事がありましたので詳しくはコチラを。
メジャー7th感を意識したアンニュイなイントロ→王道感のあるAメロのコード展開から、BメロはG、E7のたった2コードで潔く。そしてサビの
Dadd9→EonGの進行はaiko『えりあし』サビのコードからインスパイア。デビュー曲としてはとてもポップで良い曲になったと思う。
デモの段階ではBPMも早めで、アイドルのデビューシングルっぽくもあったが、Pさんの秀逸な🎹アレンジでお洒落な仕上がりになりました。
そしてよーく聴くと私が高校の頃に青春を捧げたSOPHIAの『チョーク』という曲に少し似ている事に気付く。楽曲制作中は全くの無意識だったが、知らず知らずのうちに血肉となっていたんだな。
2.いつか(三女)
この曲、実は昨年Chamがソロ名義でPfesに出演した際になおちゃんとPさんに客演してもらい初披露していました。後で出てくる次女がいい意味でだいぶおてんばな娘なので、三女は長女の系譜を継ぐスタンダード感を意識して作りました。
イントロのDadd9→ Daug→ GmM7→Gm6に展開していくコード進行はMr.Childrenの『and I love you』や『Hallelujah』のイントロからインスパイアされた。この曲はコードやリフというよりは全編でアルペジオが支えているというイメージで、そこにグッドメロディをどう重ねていくかというところに心を砕いた。
また、サビでもコードが細かく動いていて、後半A#dimを起点に半音ずつ下がっていくクリシェ進行がこの曲を際立たせている。Pさんの鍵盤アレンジもその世界観を更に彩ってくれた。そして転調サビを経て最後のコードはEm7♭5。メロディは一〇五っぽくはあれど、コード展開で静かにその個性を発揮するという三女。そこに作詞家なおちゃんの素晴らしい詞が乗り、エバーグリーン感すら伺える楽曲になったと自負してます。ありがたいことにお客様からのリアクションも上々。この曲は『いつか』またやりたいな。
3.夏風邪(次女)
ある意味一番難産で、一番手がかかって、一番トガってて、でも一番可愛い曲。こんなのも次女を持つ親御さんの心境なのでしょうか。
日本のインディーズ3ピースバンドASPARAGUSのVo/G、で、木村カエラさんバンドのギタリスト/コンポーザーでもあった渡邊忍さんのような、アコースティックギターでのリフでグイグイ押していく展開が格好良いなと思って、いつかそんな曲を作ってみたかった。
そんな思いを秘めながらイントロのメインリフが出来上がったのはもう5年前。LUNA SEAの 『be gone』という楽曲のアウトロで繰り広げられるGt. INORANとSUGIZOの凄まじいアコギの掛け合いの冒頭で、INORANが弾いているアルペジオギターから着想を得た。
Am7のコードフォームを3フレット→1フレット→8フレットの流れで運指(コードネームわからん)するだけだが、開放弦とスライドする時のギターの音色と情感がたまらなく、以来ギターを持てば手グセのように弾いていた。
3:45~
コードだけのデモの段階からBPMは187と早く、焦燥感、切迫感という漠然としたイメージから、ティーンネイジャー特有の爆発しそうな感情に駆られて、夜の街を当てもなく疾走する女の子を想起させるようなメロディを鍵盤で付けていった。
個人的にはサビのDdim7→ EonDのコードが不穏でお気に入り。
これまたなおちゃんの付けてきた歌詞が非常に文学的で情景を浮かべさせるものだったのでビックリ。個人的には景色が浮かぶ歌詞というのはとても素晴らしいと思っている。ライブでの彼女の歌唱も詞とリンクしている部分があり、シンガーが歌詞を書くが故のストロングポイントがしっかりと出た演奏になったと思う。皆様からの評判も上々!ありがたや。
4.drawing (四女)
今回の中では末っ子のdrawing。自身が初めてDAW(Digital Audio Workstation)を使って作った曲でもあり、感慨もひとしお。これもイントロのリフとリズムからスルッとオケを作っていったが、メロがどうしても浮かばない・・・。うーむどうしたもんか。
そこでポンと閃いたのが、「なおちゃんに作ってもらえばいいじゃん!」でした。
4曲目にして初めて「オケ」だけなおちゃんに投げ、メロと歌詞を委ねるという制作方法に。そうしらた返ってきたやつがまあ可愛いのなんのって。絶対自分では作らないような、160kmストレートのような美メロが、オケというキャッチャーミットにバシッとハマったような印象。末っ子が可愛がられる理由がわかるわ笑。共作の化学反応ここに極まれり!
初めて本格的にPCでデモまで制作
Pさんピアノでこの曲がよりドラマティックに、ユニヴァーサルなものになりました。
Outro
という訳で1曲ごとに振り返ってみましたが、今回改めて実感したのは、楽曲制作というのは本当に面白いなということ。もちろんこれまでのインプットがあってこそのオリジナルなんだろうけど、最終的にはその人が音楽を造って奏でてるというシンプルながら素晴らしい事に気づけたのが一番の収穫かな。これだから音楽はやめられないのです。
実はこのライブの直前に5女も産まれてまして、横顔くらい披露しようかという話にもなったんですが、ライブの流れを考えて結果見送りとなりました。よって、またお披露目の機会があるということで、これからも楽曲制作をライフワークにしていく糧ができました。
改めて今回メンバーとして鍵盤とアレンジの形で参加してくれ、みんなの音楽活動の表現の場を提供し続けてくれているPさん
そして、楽曲提供と、それをめぐる予期せぬ化学反応と、ライブ発表の機会を与えてくれたなおちゃん
最大限の賛辞を送ります。
本当にどうもありがとうございました!
それでは、またオリジナル発表の場でお会いしましょう。
お相手はCham Sakamotoでした!