Don't Panic
昨年末、倉庫の引越しをして、色んな物を新しい倉庫に移動したり、不要な物を処分したりしてるんだけど、ここ数ヶ月は作業も止まったまま。まだまだ本やDVDが山積みになってる状態なんですよねー。
処分する基準は<もう読み返したり観返したり聴き返したりする機会はなさそうなモノ>という風にビシッと決めているのです。
決めてはいるんだけど、何年もしまい込んでた小説を処分しようと取り出してみると、ついついもう一度読み返してみたくなったりすることってあるでしょう?
「銀河ヒッチハイク・ガイド」という小説があります。
もともとはラジオドラマだったものが小説化され、TVシリーズ化され、ゲームやコミック、映画にもなった作品です。
作者はダグラス・アダムス。脚本家として「空飛ぶモンティ・パイソン」「ドクター・フー」にも参加し、ピンク・フロイドのコンサートにギタリストとしてゲスト出演したりもしたという変な人ですが、それはともかく。
ある日、地球に大宇宙船団が飛来して「銀河高速道路建設工事の立ち退き期限が過ぎたので、工事を開始する」と告げ、地球を破壊する。
ごく普通のイギリス人・アーサーは、友人のフォードによって救われ、生き残ることが出来た。実はフォードは宇宙旅行者の間でベストセラーのガイドブック「銀河ヒッチハイク・ガイド」の改訂版のために地球に来ていた現地調査員だった。
こうしてアーサーとフォードは様々な出来事に巻き込まれつつ、宇宙を放浪していく……。
とまぁ、そういうあらすじなんだけど、基本的にはいかにもイギリスっぽい、ちょっとどうかしてる笑いが詰め込まれまくったコメディなんです。
十数年前に映画化されて、長らく絶版だったこの小説が河出文庫から新訳で出たんですけど、当然俺は買う必要ないんですよ。なんせ高校生の頃に買った新潮文庫版のシリーズ3冊が倉庫にあるんだもんね。
ところが!倉庫から家に運び込んだ本の中に「銀河ヒッチハイク・ガイド」が無い!シリーズ3冊とも無い!
持ってさえいれば、5年後だろうが10年後だろうが、思い立ったときに読み返せる。そう思っていたのに!
実際、学生時代からたまーに読み返したりしてたんですが、引っ越しやらシロアリ被害やらでいつの間にか無くしてしまったみたいなんですよねー。
さて、無いとなるとさらに読みたくなるもんで、もう一度山積みになってる本をひっくり返し、本棚の裏まで探してみたけれど、やはり無いものは無い。あうあうあう、どうしよう。パニック!
しかしここで俺は思い出すわけです。
宇宙の旅行者たちのベストセラーガイドブック「銀河ヒッチハイク・ガイド」の表紙を。
そこには大きく親しみやすい文字で「Don't Panic あわてるな」と書いてある事を。
そう、俺はあわてない。改めて買えばいいじゃないか。
処分するはずだった荷物は少し増えてしまうがたかだか文庫1冊だ。誤差みたいなもんだろう。
さすがにこんな時間(今、深夜1時過ぎだ)に本屋は開いてないんで、明日にでも買いに行けばいいんだ。
それまでは映画版のオープニングを観て心を落ち着けよう。
…でも、新しく買った後に山積みの中から見つかったらどうしよう……。