混合栄養の場合のミルクの減らし方
母乳育児を希望するママにとって、ミルクを減らす事は切実な願いですよね。
「できれば母乳だけで育てたい!」
私の母乳育児相談室にも、そんなご相談が毎日寄せられています。
混合栄養の場合はミルクの減らし方に注意が必要です。
ただ闇雲に減らしてしまっては赤ちゃんの健康状態に影響が出る場合もあります。
しかし!
母乳が出ているのであれば、必要以上にミルクを飲ませることは赤ちゃんの負担にもなります。
「どうやってミルクを減らして、母乳だけにしていけばいいのか?」
について私の相談室でやっている方法を書いてみます。
母乳量不足なのか、哺乳量不足なのかを見極める
ん? どういう事?
となったあなた! その反応は正しいです。
母乳が足りないという時に、ほとんどの方は母乳の出ている量が足りないと考えちゃうんです。
でも実際は「母乳不足」で相談室に来られる方の半数以上が、母乳で足りるくらい出ているんです。
じゃあ、なんで足りないの?
それは、出ている母乳を効果的に飲めていないんです。
コレはすごく重要ですので、繰り返しますね。
せっかく母乳が出ているのに、うまく飲めていないんです!
母乳の出ている量≠母乳を飲んでいる量・・になっているんです。
なんてもったいない!
せっかく出ている母乳をしっかり飲ませましょう!
では、効果的に飲めるってどういうことか?・・について考えていきましょう。
効果的に吸えているか?
母乳が出ているのであれば、あとはそれを不足なく飲んでもらうだけですよね。
つまり、「効果的に吸わせる」です。
・「効果的に吸えているのか」→これは本当に重要です!
効果的に吸えていると
・授乳が痛くない
・赤ちゃんがくわえた時に乳輪まで隠れる
・授乳の後の乳首の形が変わらない
です。
授乳中に痛みがある・乳首に傷ができた・赤ちゃんのおならが多い
などは、効果的に飲めていない(浅飲みの)サインとも言えます。
母乳量(母乳の分泌量)が少ない時
母乳の量が少ない時は、母乳量を増やす取り組みが必要です。
・効果的に飲ませる
以外にもやれることはたくさんあります。
まず!
3度の食事をしっかり摂りましょう。母乳だけだと500〜800kcalと言われています。つまり、いつもの食事量にそのくらいの食事量をプラスしないと足りないんです。主食はご飯にしましょう。野菜やタンパク質をしっかり摂りましょうね。
水分も重要です。1.5ℓ程度を目安にします。たんぽぽ茶はおすすめですよ!
授乳回数を増やすことも必要です!
授乳回数に比例して母乳のホルモンが増えます。最低でも3時間ごとの8回は授乳しましょう。
特に夜間の授乳は母乳のホルモンを増やすために重要です。赤ちゃんが生まれてすぐは昼と夜が逆転しているのも母乳を増やすためなんでしょうね。
夜間の授乳をさぼると母乳量が増えないので、気をつけてくださいね!
それから、
お昼寝してますか?
夜の授乳は大事ですが、昼間寝る時間をとらないと身体が持ちません。疲れすぎると・・・母乳量も減ってしまいます(T T)
寝れる時は横になって休むようにしましょう。
最初の3ヶ月は
・授乳
・食事
・寝る
で24時間がいっぱいって感じで大丈夫ですよ!
3ヶ月すぎると、
「母乳育児ってラク!」ってなるんですが、それまでは
「裸族です。」「ずっと授乳しています。」みたいな感じですよ。
ミルクを減らす
上記のことができたら、いよいよミルクを減らしていきます。
目安は、まずは2割減です。
ミルクを80ml✖️8回で足していたとしたら、
2割減で80ml✖️5〜6回・・・みたいな感じです。
哺乳瓶を使う回数を減らすことで、母乳の飲み方が上手になります。
1回量を少なくして8回で飲ませるよりも、回数を減らす方が効果的です。
もし60mlで8回にすると?
哺乳瓶を8回吸うことになるので、効果的な授乳の練習ができ難いです。
母乳と哺乳瓶の飲み方は違うので、哺乳瓶を使う回数を減らすことが重要になります。
ミルクを減らしていく場合
・赤ちゃんの尿回数に注意!
1日に6回以上出ているかどうか必ずチェックしてください。
・授乳回数が減らないように注意!
ミルクを減らしているのに母乳の回数が増えなければ・・全体の哺乳量が減ってしまいます。ミルクを1回減らす→母乳を2〜3回は増やすくらいでやってみましょう。
・赤ちゃんの体重チェック
1週間毎くらいには、赤ちゃんの体重をチェックしましょう。
新生児の場合は1日あたり25~35g増加が目安ですので、25g以上増えていれば大丈夫です。(今まで35g以上増えていた赤ちゃんの場合は、ミルクが多かった可能性があリます。)
25g以下の場合、授乳回数は少なくないか?・深く飲めているか?・母乳が増えるような生活(食事や休養)ができているか?を確認しましょう。
少しミルク量を戻してみましょう。
赤ちゃんの体重の増え方が順調な場合は、ミルクをまた2割減らします。
体重をチェックしながら、2〜4週間かけてミルクを減らすのがママにも赤ちゃんにも負担が少ないです。
ミルクをやめられない場合
ミルクを減らすと体重が増えない・・・そんな時はミルクはそのままで様子を見ます。(母乳量が増えてきていれば、ミルク量は増やさないでそのままで大丈夫です。赤ちゃんの体重の増え方を見ながら調整しましょう。)
できれば3〜4回くらいまで減らせればバッチリです!
赤ちゃんは5〜6ヶ月になると離乳食が始まります。離乳食とミルクを置き換えていけば、3回食になる頃にはミルクなしでも大丈夫になります。
ミルクはママを助けてくれる味方です。
「ミルクを減らせません(泣)」と落ち込むママもいますが、そんなことで落ち込まなくていんです。ミルクがあるおかげで、赤ちゃんも自分も安心して過ごせるんですから!
完母という言葉の怖さ
相談室に来るママたちが
「混合なんです。」とか、「お友達は完母なので肩身が狭いです。」とか、
「混合なのでいっそ完全にミルクだけにしたほうがいいですか?」とか。
なぜ?
混合でも母乳育児なんですよ! ミルクだけか母乳だけか・・そんなことは重要ではないんです。
重要なことは、
・赤ちゃんが健康に育っているか?
・ママも健康に過ごせているか?
・ママと赤ちゃんの愛着が育っているか?
なんです。
赤ちゃんの健康のためにも足りないならミルクを足しましょう。
少しでも出ているなら、ママの健康のためにも母乳を飲ませましょう。
そして、
授乳という濃いスキンシップを通して、赤ちゃんはママへの愛着を育てていきます。その愛着が赤ちゃんの心の成長のためにとっても重要です。
重要なのは母乳量ではありません。少なくてもいいんです!
自信を持って授乳してください。足りない分はミルクを足してください!
ママの笑顔が赤ちゃんの喜びです。
ママとのスキンシップが赤ちゃんの心の栄養です。