映画コラム「ティファニーで朝食を」とカポーティ
カポーティ原作の「ティファニーで朝食を」は
映画の主人公にオードリー・ヘップバーンで有名ですが、
何故かマリリン・モンローが最初に役を断ったとも言うが、これはネットで初めて聞いたことでした。
つまり、カポーティの小説を読んでいれば判りますが、主人公ホリーは自由が好きな何処にも、誰にも縛られたくない女です。
カポーティの友達にはマリリン・モンロー等
ゴージャスな人間関係が居て、そのような女性も好みとも言いますが、
1960年代頃までのハリウッドには
考えにくい配役になります。
マリリン・モンローは20世紀FOXの専属女優。オードリー・ヘップバーンはパラマウント映画の専属女優です。
もし、マリリンを起用するなら、レンタルとして、オードリー・ヘップバーンを貸す形になります。
これは、MGMのスター俳優だったクラーク・ゲーブルが20世紀FOX の映画「ある夜の出来事」がそうです。
ただし、マリリンは自分の事務所を作り「王子と踊り子」の映画をローレンス·オリビエ相手役で作っています。
その後、20世紀FOXでアーサー·ミラー脚本の「荒馬と女」(1961年)に主演しています。
精神状態が悪い中「女房は生きていた」を撮影中に降板(ドリス·ディ代役)その後自殺。
カポーティにパラマウントが脚本を頼んで
モンロー起用を約束してたならまだしも、
「ティファニーで朝食を」(1961年)は映画より
3年前に書いた小説です。
(モンローをモデルに書いた。とも言いますが。カポーティ自身は何も証言していないと思います。)
それをパラマウントがヘップバーン主人公で映画化したのは後からです。
モンロー起用じゃなくて、カポーティがふてくされた、とかも聞いたことがありません。
モンロー自身がコールガールと言うホリーの役を断った。とも言いますが、それも無理な内容になります。
当時のハリウッドは映画会社との専属俳優であり、今のような自由に何処の映画会社に出演していいのではなく、レンタルという形での俳優貸し出しの時代でした。
「モンロー貸すからヘップバーン貸して。」の世界です。
なので、小説にはない部分も沢山ありますが、小説家のパトロン婦人もありません。
ホリーが最後にハッピーエンドもありません。
当時のハリウッドでは、女性客が嫌う内容やキャラクターを原作と少し変えてしまうのも当時ならではの制作方法です。
もし、本来あるべき姿のホリーを小説で読めば全く違う人物像になるかも知れません。
ただ、やはり私個人は映画の「ティファニーで朝食を」のほうが好きですね。
そして、この映画はオードリー·ヘプバーンの
代表作の1本になりました。
椎名りつ子
2018.10.18
2019.10. 22 noteへ移行再編集
*私の記事が絶対とも言い難いので、
もし、証明出来る当時の記事等ありましたら
教えて頂ければ幸いです。
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