20AW rich “Smooth Contour/なめらかな輪郭”
こんにちは。
最近はお知らせばかりで申し訳ない気持ちと、少しでも楽しみにしていてくれる方がいたら嬉しいなという気持ちで日々過ごしています。
さて本日は遅ればせながら、richコレクションのテーマについて少し想いを綴ろうと思います。
いつもは展示会のルックブックのファイルの最後に2ページほど、言葉をびっしりと書いており、お客様にはこっそりと読んでいただいています。
あまり大々的に公開しているわけではありません。
しかし、今回は直接新作をご覧になっていただけない状況ということもあり、今回は特別にnoteに公開致します。
richのコレクションはテーマを設けてデザイナー自身が気になる物事から派生し、衣服をデザインしています。
今回はどのようにインスピレーションを受けてrichアイテムを作ることになったのか、少しでも伝われば嬉しいです…!
これは1月くらいの写真です。
まだ前のアトリエに居るとき。
いつもイメージボードをひとまず作りそこから服をつくるのですが、今回は特にしっかりとしたテーマが決まっていませんでした。
ただなんとなくその時に気になっていたものを並べてみました。
福岡に行った時見かけた、ガラスと花柄のカーテンの重なり
最近気になっているお茶や器
湯気 曇り 霧
絨毯の柄
なめらか まろやか
絵画みたいな服
男性 男性の服装 メンズライク
静寂
グレートーン
などなど
そこからアイテムを絞ったり、今回はテキスタイルも作ったので、色をどうするかラフにかいてみたり
かなりアナログです。
わたしはフォトショもイラレもできないですね。色鉛筆には表現したい色が足りないので結構違ったイメージですが、ここからさらに色の選択をしていきました。
これはまだ1回目のテストで、ベースが薄かったので紫めのお色をベースに足して暗めに仕上がるよう調整して…
こんな感じの色味になりました。
最初は1カラー展開のつもりでしたが、欲張って2カラーにしました。
最近Twitterや、手書きのお手紙にも書きましたが、服も着なくても眺めているだけに所有してもいいのかなと思ったりして…
richはplainに比べると実用的ではありません。
ただ、わたしが本を買う理由と同じように、読むかは分からないけれど自分が手にしているという事実がほしくて本を所有している。
作りたいものを作って、わたしのアトリエにあるという事実がほしい、そのくらいでもいいのではないかと思って作りました。
写真集を眺めているような気持ちで、服も眺めてもらいたい。あ、ついでに着られてラッキー!という気持ちもあるし。
別に万人受けしなくてもいいかなぁ。
本当は買ってくれたら嬉しいけれど、plainで引き算をした分、絵画みたいな服がつくれたらなという気持ちで自由につくりました。
選んでくれた方、わたしの自由に付き合ってくださりありがとう。
そして、いつもテーマや文章は、一番最後につけるんです。
デザイン画、コラージュ、メモ、出来上がった服、撮影が終わったルックの写真をみてから言葉を整えます。
そうしてわたしはやっと、半年間自分が形にしたいなぁと思っていたことが証明されるというか…
自分でも撮影の後にしかわからないことがたくさんあります。
いつも関わってくださる沢山の皆さま、ありがとうございます。いつもいつも、ひとりではできないことばかりだなと痛感しています。
短いですが、最後にテーマと言葉を。
ritsuko karita
2020AW collection〔rich〕
Smooth Contour/なめらかな輪郭
茶器に熱いお湯をそそぐ
ひゅるりと現れた白い湯気
水滴のついた縁を指でなぞる
ざらざらと撫でたくなる絨毯
掴めそうな霧や煙
花柄のカーテンと曇ったガラスの関係
背伸びをするけれども私はわたし
なめらかな輪郭を辿りながら
5月31日まで、ritsuko karita 20AW
plain rich 共にオーダー可能です。
オーダーは今回で終了のため、お見逃しなく。明日からは事前予約制の試着会がはじまります。
またきちんと、沢山の方にお会いできる未来がくることを願っています。
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〔ritsuko karita 20AW〕
20AW collection
Online pre order
〜5/31
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