【鯨本編集長】今日はリトケイ13周年。リトケイ乗組員の「きょうも島日和」
毎年秋になると、わ!もうこの時期がやってきた!
と我ながらおどろくのは、リトケイの誕生日がくるからです。
誕生日は10月22日。今年で13歳。13周年を迎えます。
0歳だった赤ちゃんが中学生になるほどの時間。
今年9月に隠岐諸島で再会した青年は、はじめて会ったときは島の高校生でした。
12年前は隠岐島前高校の高校魅力化プロジェクトで、高校生たちが取り組んでいた「観光甲子園」の発表で東京にきていた彼。20代だった自分が40代になったように、10代だった彼がたのもしい大人となり、島をささえる一人になっていることに感動をおぼえました。
さらに先日、4島の中学生が集う「全国離島学校サミット」の交流授業で司会をつとめたとき、画面越しに登場した生徒の雰囲気に見覚えが。その島をよく知るスタッフに聞いてみたところ、なんと!10年以上前に取材をした方のお子さんだとわかりました。
ほかにも、島を案内してくれた小学生が高校生になっていたり、新聞に意見をよせてくれた子が大人になっていたり。
血もつながらない部外者でありながらも、勝手ながら、影ながら、島の子どもたちの成長をよろこんでいる自分は、勝手ながら、しあわせをおすそわけいただいている気分でいます。
特に好きな言葉
リトケイで取材した島の方からいただいた言葉のなかでも、特に好きな言葉があります。
瀬戸内海の弓削島で、地域活動にも勤しむあるお母さんの言葉です。
私はこの言葉が大好きです。
自分がおばあちゃんになったら、地域の子どもたちに「おばちゃーん」と笑顔で呼んでもらい、その子たちの成長も一緒によろこんでいたい。
子どもの成長にとっても地域の大人は大切ですし、自分も自分で子どもたちと一緒に日々の暮らしとたのしんでいられる地域の大人でいたい。
それはもちろん、おばちゃんだけでなく、おじちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんも同じ。
血縁があるかどうか、子どもがいるかどうかは関係なく、ひとりの人間として、同じ地域で成長する小さな後輩たちとのつながりや交流を日常的にたのしむことができるのは、しあわせなことだと思います。
リトケイはこの秋、島と親子がよりよい出会いを得られるよう「シマ育コミュニティ」を立ち上げましたが、この取り組みも、島と親子だけのものとは考えていません。
人口減少が進むいま、予測通りに人口減が進めば、20〜30年後には離島地域で暮らす子どもたちは半数になります。
今、全国の島で暮らす15歳以下の子どもたちは約7万人。
20〜30年後に3.5万人ほどになるという予測です。
その子どもたちがさらに20年後の島を担うとすれば、人が減るほど、誰にも引き継がれずに途絶えてしまう文化や暮らしが増えていきます。
だから、「シマ育」(という概念あるいは島が誇る大きな価値であり、島が誇る風土)を広げていくことで、島で育つ子どもが増え、島も、子も、親も、地域の大人も、皆の笑顔を増やしたい。
その結果、シマ育はリトケイのミッションでもある「島の宝を未来につなぐ」ことを叶えたい。
いま40代の私が60代になるころ、島と人はどんな姿をしているか。
どんな姿をしていてほしいか。
島の皆さんや、島に興味関心のある皆さんと共に考え動くリトケイとして、また、子どもという人間社会の後輩たちと共に、たのしく生きていきたいひとりのおばちゃんとして、できることを考え、貢献していきたい。
……と、日記を書こうと思ったのに、つい暑苦しくなってしまいました。
リトケイのお誕生日だということでどうかお許しを。
それでは明日も皆さんにとって、良い島日和になりますように。
リトケイからのお願いとお知らせ
その1:ただいまサポーター大募集キャンペーンをおこなっています。
リトケイの活動を継続・発展させていけるよう、お力添えください。
その2:法人協賛や連携も募集しています!
「シマ育コミュニティ」や各メディアへの協賛、共同イベントなどの連携企画等、リトケイと連携にご興味のある法人さま、ぜひお問合わせください。
その3:10/26のオンラインイベントへどうぞご参加ください。
「シマ育」の魅力や価値を専門家の視点から語っていただく勉強会を開催します。ゲストは日本の保育学を牽引する汐見稔幸先生と、甑島出身で全国の森のようちえんを全力応援する中能孝則先生です。ぜひご参加ください。