リトケイ島のシマ号裏話その1。7歳のカメラに収められていた六連島の風景
こんにちは、編集長の鯨本です。
先日発行した『季刊ritokei』39号「島のシマ」特集号は、そろそろ遠い島の設置ポイントまで届く時期。
ちなみに東京から発送してお届けまでに最も時間のかかる設置ポイントは小笠原諸島やトカラ列島。このあたりの島まで届いたら「今号も行き渡った〜!」と感じます。
そんな島シマ号の制作過程にあった裏話を、noteで少しずつ紹介していきたいと思います。
リトケイは、1号つくるだけでも語りきれない裏話が生まれます。島シマ号も振り返ればいろんな思い出にあふれていますが、今日は6月6日なのでこの島の思い出にしましょう。
この記事をつくるため、私は5月のはじめに山口県下関市の六連島におじゃましました。
人口は約80人。小規模離島でかつ観光地化されていない島には、知る人ぞ知る(つまり、数多の人には知られていない)島が多くあって、六連島もそんな1島(だと感じています)。
しかし、何をもって「知る人ぞ知る」といえるのか。
そのレベルを測るのに、私は「島名を知られているか?」「読めるか?」のモノサシが使えるような気がしています。
八丈島や石垣島などはたくさんの人に知られていて、読み方を間違われることもほぼありません。西表島は「いりおもて」と読ませる難読地名にも関わらず、認知度が高いだけに間違われにくい。
そこで、六連島。あなたは何と読みましたか?
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調べると、六連銭(ろくれんせん)と読む家紋があったり、六連星(むつらぼし)と読む星があったりしますが、島名としての正解は、六連島(むつれじま)です。
(あくまで私調べですが)六連島は正しく読める方が少ないため、知る人ぞ知る島なのです。
と、ここで話を戻しましょう。
実のところ、知る人ぞ知る六連島が、近年ぞわぞわと盛り上がっているらしい……。という情報が数年前からリトケイのアンテナに引っかかっていました。
そこで今回、現地取材をさせていただき、「ぞわぞわ」のわけを島シマ号に掲載するに至りました。
島シマ号の編集後記にこっそり記したことですが、実は六連島取材がちょうど大型連休中と重なったので、九州に住む私は子連れで島におじゃましました。
うちには2児(4歳と7歳)がいて、しばしば子連れで島におじゃましています。以前は「【リトケイ編集長の子連れ島旅】真夜中の船で五島列島・新上五島町へ」という記事でも紹介させてもらいましたが、私は島旅はむしろ子連れがおすすめと考えているため、日々、同行させられるチャンスを狙っています。
けれど、生後3ヶ月から50島近く同行してきた長女もコロナ以後はなかなか島に行けず、そのまま小学生になったのでチャンスが激減していました。
そこで訪れた今回のチャンス。下関市役所へ取材依頼の電話をかけつつ、
おそるおそる「子連れでもいいですか・・・?」と尋ねると、「めちゃくちゃいいじゃないですかーーー!!」と担当者から、めちゃくちゃ温かな回答を即答いただきました(その節はありがとうございました)。
そして当日。
「きょうはどこのしまいくのー?」といいながら、親よりも先にとことこ船に乗り込んでいく4歳男児と、「しゅざいてつだうね!」とカメラをかまえる7歳女児と、六連島に向かいました。
六連島で出会った、すてきな人や取り組みの話はリトケイ記事に預けるとして、取材を手伝ってくれた7歳のカメラを後でのぞくと.......。
飲食店や宿泊施設のない島なので、わずか数時間でとんぼ返りの短い島旅になりましたが、子どもたちのカメラにも、その心にも「むつれじまたのしかったー!」がたっぷり刻まれていました。
ちなみに、本日6月6日は「六連の日」として正式に記念日登録されています。紙面でも紹介しています、六連島の有志やファンがつくる六連島ウェブサイト『mutsure.jp』ものぞいてみてくださいね。
六連島の取材記事が載る『季刊ritokei』は全国約1,100カ所の設置ポイントより配布中。数に限りがありますので、どうぞお早めに。