「ほめて育てる」って、それって「おだててるんじゃないんですか?」と言われることがあります。
朝晩の気温の変化に戸惑う季節ですね。花粉も気になりますし・・何とか乗り切りたいと思います。
さて、うちの業界は今がトップシーズン。年度末∼年度初めが一番忙しい時期です。退室される方、卒業の方、入室希望の方、お問い合わせが混雑する時期です。
そんな中、教室に体験に来られた方からこんなご質問を頂きます。
「ほめるというのは、結局は子どもをおだてて図に乗らせることでしょう?それは子どもにとって良くないんじゃないですか?」と。
つまり、「ほめる」というのは親が手っ取り早くしつけをするための「方便」だとおっしゃるのです。
確かに、ほめ方を誤ると「おだてる」と同じことになりかねません。
「1位をとってすごいね」
「すごいね」
「賢いね」
「すごいね」
・・・・など結果だけをほめたり、抽象的なほめ方だったり、そこまでの経過、プロセスをほめないと、「おだてる」に等しいことになるかもしれません。
師七田眞氏は、「ほめるときは具体的にほめなさい」とおっしゃっていました。たとえば、
「今日、あなたは、困っていたお友だちに優しく声をかけられたね」
「最後まで一人であきらめずにやり通せたね」
「ママに言われなくても、○○ができたね。えらかったね」
など。
自分の言動のどこが褒められるに値するのかを子ども自身が知ることで次もまた、同じことが起きれば、そのように振る舞えます。
けれども「賢いね」「すごいね」「えらいね」などでは、どこが一体どのようにほめられているのかさっぱり分かりません。
私の教室の講師の先生たちは実にほめ上手です。
初めて来られた方は、とても違和感を感じるそうです。
「シールを自分で選んでくれてありがとう」
「今日はママのおひざに座ってくれてありがとう」
「この前はできなかったのに、今日はできるようになったんだね。」
「自分の気持ちをママに言えたね。」
「お友達に「やめて!」って言えたね。」
「「貸して」って言えてえらかったね」
「教材を上手に返せたね」
「お靴を丁寧に片づけられたね」
「我慢して順番を待っててくれてありがとう」
「今、勇気を出して「ごめん」って言えたね」
講師は、具体的にピンポイントでほめます。
また、お友だちと比べてどうのこうのではなくて、以前の姿と比べてどうだ、という風にほめています。
長いフレーズで具体的にほめてもらえると、「おだてられた」と勘違いする子はいないと思います。