迷路くらいだったら市販のものを買って家でできますよね?
うちの教室に「入室希望」のお問い合わせをいただくときに
「お教室ではどんなことをするのですか?」という質問をいただきます。
あたり前です。どんなことをするのか知りたいですよね。
でも、これが返答に困る質問ナンバー1なのです。
なぜなら、
例えば、1歳6か月以上のクラスでは「めいろ」という取り組みをするのですが・・・
質問「プリント類はどんなことをするのですか?」
私「めいろとか・・・」
と答えることになります。
けれども、私たちが提供する「めいろあそび」の目的というのは「入口から出口までを最短で最速できれいな運筆で書き抜ける」というものではありません。
右脳と左脳をつなげるため(←ポールブリッジングと呼んでいます)でもあり、先を見る力をつけるためでもあり、最後までやり抜く力をつけるためでもあり、もちろん考える力をつけるためでもあります。
だから、
「めいろ? そんなもんだったら、市販のものを買ってやらせたらいいわ」と思われるのは、ちょっと違うんですよ。
教室に通室の方は、子どもたちが迷路に取り組んでいる間、講師が一体どのような言葉を発しているか、次の機会によく聞いてみて下さいね。
「そっちじゃない」「違う違う」「はい、頑張って」「壁に当たらないで」「ちがうちがう!!!」「そっちじゃない」「はみ出ないで」
などというワードは一切使いません。
さあ、なんて言っているでしょう?
いかに誰よりも早く「正解」にたどり着くかという目的のための「迷路」の取り組みを、教室の集団でのレッスンの中で競争のようにやることには何の意味もないと思っています。
そのうち、難しくなってきたな、これじゃ僕は負けるな、勝てないな、と子ども自身が感じて「ぼく、やらない」「わたし、めいろ嫌い」と最初からあきらめてしまうでしょう。
「しまうでしょう」ではなくて「しまいます」です。
だから、「どんなことをするのですか?」という問いに答えるのはとても難しいです。私が行っている教育法は、手段でも目的でもなく、子育ての本質そのものだと思っているのでなかなか伝えづらいのです。
レッスンの中、レッスンの外での講師の言葉や雰囲気やまなざし。そして教室全体に流れている波動、これら全部ひっくるめて、「どんなこと」の答えだと思っています。