IELTS Writing 6.5 のサンプルエッセイ(+解説)
【はじめに】
本投稿では、IELTSの公式有料模試であるProgress Check(※)受験時に書いたW6.5の解答原文 (オフィシャルの試験官が採点)を用いて、W6.5を取るために意識すべきポイントを解説していきます。
こんな方は一読の価値アリ↓
「なかなかWritingで6.0を超えられない」
「Writingのスコアアップにおけるポイントを知りたい」
約5,500文字と少し長いですが、具体的なエッセイを用いてここまで詳細に解説した無料記事はなかなか無いと思います。
※ Progress Checkは2024年6月21日で終了がアナウンスされており、すでに新規申し込みは停止されています。
【解答サンプル】
注意:
・コピーライトに触れないように問題文は和訳、Task 1の図はカットして載せています
・いずれも6点台を狙うため、エッセイ内にはあえて文法や単語のエラーを入れてあります
- Task 1
- Task 2
【解説】
「6.5」のエッセイで意識した3点:
① 極端に難しい単語と文法は使用しない
② アイディアは子供に説明するくらいシンプルに
③ quantity <<< quality
1つずつ見ていきます。
① 極端に難しい単語と文法は使用しない
いつも授業などでは「Writing 6.0はほぼ中学英語で取れる」という話をするので、今回はそれを実践する形でいきました。
そもそも「中学英語とは?」という問いがあるかとは思いますが、ここでは*CEFRでいうところのA1(英検3級合格レベル)と定義したいと思います。(*CEFRとは国際的な言語能力指標のこと。A1が最低、C2が最高レベルです)
まず単語について見てくと、このエッセイの単語レベルは下記のように分類することが出来ます。
【Task 1 】
A1 = 54.42%
A2 = 18.37%
B1 = 13.61%
B2 = 2.72%
C1 = 1.36%
C2 = 0.68%
【Task 2 】
A1 = 72.03%
A2 = 11.11%
B1 = 9.20%
B2 = 3.07%
C1 = 0.77%
C2 =0.38%
どうやってこの数値を出したかと言うと、Cambridgeが無料で提供しているEnglish Vocabulary Profileを使いました。
ここにあるText Inspectorという機能を使えば、入力したエッセイの単語を解析し、CEFRのレベルや各単語の使用回数を出してくれます。
どちらのタスクもA1の単語が5割以上を占めており、A2-B1の単語は2-3割程度。C1以上の単語にいたってはほぼ使用していません。
このことからまず「単語はほぼ中学レベルで6.0-6.5が取れる」ということが言えると思います。
ちなみに、A2は「英検準2級合格レベル」なので一応「高校中級」になりますが、中学生でも準2級合格する人が十分にいることを考えると、A2も中学レベルと考えて良いような気はします。
その場合、A1-A2だけでTask 1と2両方とも使用語彙の7-8割をカバーできています。
次に文法について。(文法用語についての説明は省略しますので、気になる方は復習も兼ねて文法書を見るかネットで検索してください)
これも一部、難易度の高いものありますが、極端に難しいものは使用していません。
意識したのは↓の文法項目を使用すること。
「従属接続詞」
「関係代名詞」
「受動態」
「現在完了形」
「比較」
特に最初の2つを使用することによって「複文」を作ることができ、ワンセンテンスを長くすることが出来ます。
複文は英語でComplex sentencesと呼ばれ、文法の採点基準で5点から登場します。(= 文法で5点以上を取るためには必須)
上記5つはいずれも中学3年生までに習う基礎文法ですが、うまく使えば十分に文法の幅をアピールすることが出来ます。
※一部で「分詞構文」が使用されており、これは高校レベルの文法に入ってしまうかと思いますが、Reading頻出のIELTS必須文法なので見て認識、理解できるように、かつ非常に便利な文法なので可能であれば使用できるようになりたいです。
② アイディアは子供に説明するくらいシンプルに
これはTask 2についてですが、難解なものや、独自性のあるものは読み手に理解されにくいので、限りなくシンプルなものを選びたいです。
IELTSは「アイディア大会」ではないので、アイディアの良し悪し(真偽)は点数を左右しません。
今回使用したのは、ざっくり言うと
Body 1 (societies)
= 「音楽や芸術(絵)のおかげで年齢関係なく仲良く出来るよね」
Body 2 (individuals)
= 「芸術(映画や小説)を使えば苦なく勉強できるよね」+「音楽で生産性が上がるよね」
というもの。アイディアの真偽はともかく、めちゃくちゃシンプルだと思います。
ポイントは問題文にある「音楽/その他の芸術」と「個人/ 社会」という部分。
Task 2の問題文にはこのように触れるべきキーワードがあるため、プランニングの段階で特定し、エッセイの中で漏らさず言及したいです。(試験官は採点基準のTask Responseにおいてここを見ています)
③ quantity <<< quality
ここで意識したのは「規定の文字数+10%くらいまでに収めること」です。
よくTask 1で200 words、Task 2で300 words以上などの長文を書かれる方がいますが、両タスクとも文字数が規定を上回っていても質が低ければスコアには繋がりません。
特に、6.0-6.5あたりのスコアを目指す方は書けば書くほどエラーを犯すリスクが増えるので、必要以上にたくさん書くことはオススメしません。
加えて、6.0までは規定の文字数を下回っていても取れるケースは多々あります。
【おわりに】
ということで、IELTSのWritingで6.5を取得するために大切なポイントは以下の3つ。
① 極端に難しい単語と文法は使用しない
② アイディアは子供に説明するくらいシンプルに
③ quantity <<< quality
がむしゃらに書くエッセイの数を増やしても、上記のようなポイントを押さえていなければ点数には繋がりにくいので、ぜひ参考にしてみてください!
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古谷 理太
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