すばらしいお母様!「がんばったね!ちゃんとお勉強できてえらかったね!」
今日も生徒様(5歳の男の子:年中)が授業にきてくれました。
「ママと離れたくない!やだ!」
「すみません、先生。この子今日は寂しいみたいで…」
いつもは元気な男の子ですが、今日はママと一緒にいたいモードが強い日で玄関で大泣きしていました。
「最近多いんですよね。幼稚園でもバイバイするのに時間が掛かってて…」と、困った表情でお母様が話してくれました。
▼5歳の男の子(年中)はどのようなお子様?
初めて計算塾にいらした時はまだ4歳で、算数のお勉強はこれから始めるという時期でした。
1-10まで数えることができたので
1~順番に書く練習からスタートしました。
それから8か月経過し、ちょうど小1の2学期以降で習う
繰り上がり・繰り下がりの計算や発展問題に取り組んでいるところです。
8か月目は(※1)
・9+5+8=22
・13-9-3=1
こういった問題ができるようになります。
(※1)週に2時間の授業でどんな計算ができるようになるのか
『絶対できる!暗算力一覧表』で、親御さんにお約束しているものです。
「今はそういう時期なんですね。承知しました。」
「今日も気持ちを切り替えてからお勉強できるようにするので大丈夫ですよ!」
と、お母様に声を掛けました。
離れる時の親子のお約束があり、いつものようにお子様をぎゅっとだっこしてから
「よしっ!ぎゅうしたらちゃんとするんだもんね!」
続けて
「いつもすみません。よろしくお願いします。」
「じゃああとでお迎えに来るからね。」
と、お母様はまだ泣いているお子様に後ろ髪をひかれながら心配した様子でそっと玄関のドアを閉じました。
▼ママを思い出させない作戦?!
授業の時間になりました。
お子様は「ママがいないとやだー!」と全力で泣いています。
今日は ≪ママを思い出させない作戦≫ でいきます。笑
まずは「ちょっと水飲もっか^^」と水筒の水を飲むように促し
少し落ち着かせました。
さすがに水を飲んでいるときは泣かない(泣けない)ので、
その時に
「今日は幼稚園で何が一番楽しかったの?」
と、出来事を聞いたり、
「あれ?!これってピカチュウ?10万ボルト!」
と、水筒に描かれていたポケモンの必殺技を出して技の効き方の違いを教えてもらったりと、お子様の興味があることをどんどん質問していきました。
ただ「ピカチュウの水筒はいつ買ったの?」のように、
お子様が質問を考えてしまう時間がわずかでもあると
ふとお母様を思い出し、「ママー!」と泣くこともあります。汗
なので、
「ピカチュウの他には好きなポケモンいるの?」のように、
≪質問はすぐ答えられるものだけ!≫に徹底的に絞りました。
こんな風に20分ほどやりとりを繰り返しているうちにすっかりいつもの笑顔になりました。
笑顔になれば私も安心です。
私から何か言わなくても自分から荷物を準備し
「ぼく、今日はこの続きからやりたい!問題だしてよ!」
と、元気に話してくれます。
今日も1時間の授業で 40問以上 の計算を解いていました!
授業が終わり、お母様がお迎えにいらっしゃったので
お母様が玄関を閉じたあとのお子様の様子をお伝えしました。
その時、お母様を見つけたお子様が
「今日も楽しかったー!」
「みて!ぼく今日、こんなにできたんだよ!」
と、お母様に興奮した様子で話しかけていました。
一緒にお勉強していたお姉様も
「最初はすっごい泣いてた。でもそのあとはちゃんとやってたよ。」
と、頑張っていた弟のお話をしていました。
お母様は笑顔でプリントを見ながら
「がんばったね!〇〇、ちゃんとお勉強できてえらかったね!」
と、伝えていました。
うれしそうに外に駆け出していくお子様を追いかけながら
親子で帰っていきました。
▼5歳の男の子(年中)のお母様はどのようなお人柄?
2人のお子様をお持ちの専業主婦の方です。
授業の様子をお伝えしたときに、
「よかった!安心しました!最近イヤイヤ期と重なりどこに連れて行くのにも大変で。」
「今日も泣いてはいましたけど、他と違って『ここ(計算塾)に行きたい!楽しみ!』と言って行きたがっているんです。
だからきっと(寂しがるのは)最初だけだと思うんです。」
と、悩まれた胸の内を話してくださいました。
きっと玄関を閉じてからお迎えに来るまでの間
「あんなに泣いて周りに迷惑をかけていないかな」
「ちゃんとできたかな」
と、不安でいっぱいの時間を過ごされたと思います。
泣いている様子を見ていたらやはり心配に思うでしょうし、
「こんなに泣いてたらお勉強どころではないから、今日はお休みした方がよかったのかな」
という気持ちになることもあると思います。
しかし、普段のお子様の様子をしっかり把握しており
「泣いているのは算数やお勉強が嫌ということではない。
寂しくなるのは最初だけだからちゃんと連れていこう!」
と、決めたことがすばらしいと感じました。
だからこそお子様も最初は寂しいと泣いていても、好きな計算をしている間にお母様がお迎えに来ることが自然とわかり、
少しずつ気持ちを切り替えられるのだなと思いました。