近いほど遠い人間関係〜ヨーガ心理学で知るわたし⑨
相手のことは分からない、という前提で付き合おう、そのように接しよう、と心に誓ったとしても、家族に対してはどうでしょうか?
親子だから分かり合えるはず、
長い時間一緒に過ごしているから理解し合えるはず
そんな期待をしてしまっていませんか?
近ければ近いほど、その期待は大きくなりますよね。
親子であっても、自分のお腹の中から生まれて来たとしても、子供は別人格。親と違う考えを持ち、親の期待通りなどにはなりませんよね。
夫婦でも、やはり相手への要求は多くなります。これをして欲しい、もっと褒めて欲しい、なんで気づかないの!と怒りを抱き、怒りがどんどん積もりに積もって恨みになってしまい、夫婦関係が修復不能になる場合もあるでしょう。
長年来の親友も、残念ながら完全に自分と同じ考えではありません。
こんなに近くにいるのに、子供の気持ち、親の気持ち、夫の気持ちが分からない。そんな寂しさを感じた事はないでしょうか。
そして分かり合えない家族に対して、時には声を荒げたり、他人には言わないような一言を
言ってしまうこともあるでしょう。
「他人とは喧嘩して言いたいこと言っちゃ駄目だけど、親子だから、何を言っても大丈夫」という考えの方がいますが、本当にそうでしょうか?
私は体験的にもそうは思えないのです。
理不尽な事を言われた方は、心の奥にずっと辛い気持ちが残ります。
ましてや幼い頃に言われたとしたら、一生自分を苦しめるようなトラウマになってしまう人もいるでしょう。
親子だから、長年連れ添った夫婦だから、何を言っても大丈夫。
と、相手を傷つけるような罵詈雑言を浴びせてもよいのでしょうか。
実はそれは、罵詈雑言を浴びせなければいけないほどの怒りを感じている自分の心の中の問題であり、相手の問題ではありません。
向き合うべきは自分の心の中の怒りなのです。
みんながそれぞれの世界で、それぞれの人生を
懸命に生きているのです。
その人それぞれの世界で、経験して来た事でその人が出来上がっているのです。
ですから自分が相手の世界に入り込んで、相手を思い通りに動かすことなど出来ないし、相手の人生をコントロールする必要などないのです。
そんな事にエネルギーを費やし、一喜一憂して、いたら時間とエネルギーの無駄遣いになります。
だから、他人の人生にとやかく言うのではなく、
あなたはあなたの人生を生きなければいけないし、それしかないのです。
大変残念ではありますが、他人を変えることは
出来ない、という事を
心底受け入れなければいけません。
逆に言えば、あなたは誰かにコントロールされる存在ではないし、誰もあなたを変える事は出来ないという事です。
しかし、他人を変えることは出来ないけれど、
自分自身を輝かせることによって、周りを照らす光になる生き方を選択する事が出来ます。
そんな楽しそうな貴方の姿を見て、そんな風に生きてみたいという人も出てくるでしょう。
周りの変容を期待してする事ではないですが、結果、周りも変容していく事は実際に起こり得ます。
「親しき仲にも礼儀あり」
とは昔からよく言われている言葉です。
近い人ほど、大きな隔たりがあるのだと心に刻んで、穏やかな人間関係を構築していきたいものですね。
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