合唱沼
娘が小4のとき合唱部に入部した。
もちろん本人の意志だが、私は内心ガッツポーズをしていた。
入学したときから合唱部の歌を聴いて感動し、なんとしても入部させたいと願っていたから。
もう一つ理由があって、NHK全国学校音楽コンクール(通称Nコン)に出場してほしいという願いもあった。
子どもには自分の経験してきて楽しかったことは経験させてあげたい。
それは無理強いすることではないから、自分から入ると言ってくれたときは本当に嬉しかった。
私自身は中3のときNコンに出場して予選落ちしている。それでも合唱が楽しかったこととして記憶に残っている。合唱の盛んな中学で校歌も三部合唱だった。
さて、娘はといえば部活には参加するもののコンクールメンバー入りは叶わず5年生になってやっとその舞台に立てた。
予選本選と勝ち抜き、ブロックコンクールの舞台。
ここで金賞をとれれば全国の舞台NHKホールだ。
しかし結果は奨励賞。2階席から下を見ると肩を震わせながら泣いている娘と仲間たちが見える。
私も帰りの電車で一人、人に見られないように泣いた。
そして、翌年。
娘も最終学年となり後輩たちと臨む最後のコンクール。
順調に予選本選と勝ち進み、また運命のブロックコンクールまで勝ち進んだ。
せめて銅賞くらいは獲ってほしい。
手を合わせながら結果発表を待っていた。
そこで奇跡が起きた。思わず叫んだ。
一人で見に行ってたから周りは知らない人だったけど、運良く斜め後ろに同じ学校のママさんたちがいた。
あまり話したこともないけど、顔を見合わせて握手をしてしまうぐらい興奮していた。
金賞。
そこからたいへん。涙が止まらない。
一人で帰ったからまたたいへん。思い出しては泣けてしまう。
しくしく泣きながら歩くかなり怪しいオバサンになっていた。部活のママさんたちとはあまり交流してこなかったから、こんなとき一緒に歩いてくれる友達を作っておけばよかったと後悔した。
全国のNHKホールも一人で見に行った。
もうここまで来るとただのお祭りみたいな感覚になるので緊張はしなかった。
楽しく観覧して帰ってきた。
そういえば、少し緊張したことはあった。
ニッチェの江上さんに娘がインタビューされたとき。前の子と同じこと言ってるじゃん…まぁ、どうどうとマイクに向かって声が出せたことだけでもすごかったよ。少なくともお母さんにはできない。
お母さんが経験した以上のことを娘が経験できた。これは本当に先生と周りの保護者のご尽力のおかげなのでした。感謝です。
そして一番はお姉ちゃん、がんばったね!
あれからもう8年経とうとしているが、合唱は大好きで、今でもテレビで見て応援している。
知ってる曲が流れると一緒に口ずさみ、知らないお子さんでもその子ががんばって練習してきたかと思うと、毎回泣けてしまうのである。
今年のNコンは息子の大好きなofficial髭男dismが課題曲を作る。ちょうど中学生になる年にこのタイミングは嬉しい。
合唱部はないのでおそらくNコンに出場はできないが、リアルタイムの中学生というだけで満足だ。
NコンだけでなくTBSこども音楽コンクールや、朝日新聞社主催の全日本合唱コンクールもある。
もう少し余裕ができたらゆっくり会場に観覧にも行ってみたいと思っている。
話が止まらないのでこのへんで。
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ちなみに、この全国の舞台に娘が立った日。
あとから知って驚いたんだけど、コロチキがキングオブコント優勝した日だった。
このときはまったくコロチキのことは知らなかったけど。