この本は納得できなかったの…
宮本輝の小説は多分、ほとんど読んでると思います。
関西を舞台にしている話が多くて、そこに東京の人たちが絡むパターンかなぁ。
夫婦の在り方を主題にされてるのも特徴だとわたしは勝手に思ってます。
長年夫婦をやっていたら波風立つことはあるけど、静かにお互いを思いやっててみたいな?
流転の海はかなりの長編だったので、静かにお互いを思いやるどころではなく、波乱万丈に夫婦の在り方も文字通り流転していたと思うのですがそれでも最後は妻が夫を偲んでいたなぁと思うとほわ~とした気持ちで読み終わりました。
で、どの主人公もわたしは好きだったのよ。
でも
でも
この本だけはだめだった~
反感の方が大きくて・・・
わたしの狭い心だよなぁと思いつつも。
自転車部品の会社経営者の娘と結婚した賀川直樹。
義父からけちょんけちょんに言われているけど、奥さんは優しい、穏やか、父と夫の間に入っておろおろ。
娘二人いる。
で、京都に若い愛人を作る。
まあ、これは社長ならよくあるパターンだし、男性と言うのはいくら奥さんが良い人であっても別の女性と交渉することで活力を得たりするし、そんなに問題はないんじゃないかと思ってる。
愛人は富山出身で、その富山の家で会った後に駅で心筋梗塞で倒れてそのまま亡くなる。
家族には九州へ社用でゴルフに行くと言って出て行ったのに、なんで富山で死亡してるんだって驚く。
愛人の方はその日に妊娠している事がわかり出産。
奥さんはなんとなく以前から夫に女性の影を感づいていたけど、急に亡くなってしまいまさか子どもまで作っていたとは知らず、夫の右腕だった役員の強い勧めで社長に就任。
意外と奥さんが手腕を発揮して会社は順調。
奥さんはその右腕から夫の女性関係、子どもの存在を知る。
下の娘真帆はまだ大学生だし、娘たちには言わないでほしい、しかるべき時に伝えてほしいと頼む。
真帆は絵本作家になり、その絵本を愛人は相手の娘だと知らずに息子佑樹に購入し息子は絵本を大好きになってファンレターを書く。
真帆もなぜか気になり、ファンレターの返事を書き、ずっと心の片隅に残っている。
京都の出版社から絵本を出したこともあり、頻繁に京都へ行くようになり、ついに父親に愛人がいた事や子どももいたとわかる。
おかあさんは真帆に「子どもはわたしとは関係ない、でも真帆にとっては弟、どういう関係でいるかはあなたが決めたらいい」と伝える。
おかあさんの気持ちを考えると、胸が張り裂けそうになるわ。
佑樹は天才的に頭がよく性格もよくみんなにかわいがられる存在。
まだまだ話は複雑に絡み合っているのですが、今回の記事ではここまでのあらすじで充分かなぁと思ってます。
佑樹が感じの良い男の子(中学3年)だし、この愛人も素敵な人だって言うのはわかるよ。
でも、そうであっても奥さんの気持ちを思うと、どうなん?って。
問題は直樹が避妊具付けずに性行為をしたことなのよ。
そして、それを良しとした愛人なのよ。
不倫とか浮気も、必要な事はあると思うよ。
でも、子どもができるようなことをしたら、自分の家族がどれだけ傷つくかということをちゃんとわかってほしいわと架空の小説なのに、すごく感情移入してしまいました。
わたしはすぐにこうして小説に感情移入してしまうクセがあるんだよねぇ。
わたしが離婚したのは、元夫が暴力ふるう、給料出さない、浮気と三拍子揃っていたのが原因なんですが、まあ子どもは作ってなかったのは不幸中の幸いか。
こんな体験があるから、余計に今回の小説に感情が揺れてしまったのかも。
夫婦は仲良くいてほしいなぁと思うよ。
夫が他所の女性に目移りしないように、妻は昼間は淑女、夜は娼婦のように美しくあり続けてくださいと余計なお世話で思ってます💗✨😊