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弥生時代の土笛。アナログ以前のアナログ

以前、弥生時代の土笛を作ることに、長い間、夢中になっていた時期がありました。その時に丸形の笛ではなく、もう少し現代音楽で使える土笛を作ってみることにし、何十本も失敗を重ねた結果、やっと作れるようになったうちの一本です。その中でも、録音で使用したり、コンサートで演奏した作品です。これまでに何度か割ってしまい、接着剤で修復する度に音が微妙に変わり、新たな音が生まれました。

今回、久々に小さなコンサートで使うことになり、猛練習の日々。この笛は正確でないピッチだからこそ新しい創造が生まれる感じがします。
弥生時代では、音楽は通信手段でもあったらしいです。

知り合いの休耕田を借りて、この笛を作りました。穴を掘り、藁と炭でほぼ一日素焼きにします。その後、内部を少しでも滑らかにするために、鍋に一握りの米を入れ、この笛も一緒に、まるでご飯を炊くかのように1時間少々“”煮る”つまり湯通しします。
そんな手をかけても、完成品は僅か。

土の持つ響き。心地よい音で癒やされる不思議な笛。今ではなかなか作る時間がなく、またいつの日にかとは思っているところです。


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