損害保険代理店が加入する賠償責任保険

損害保険「あるある」「そんなこと聞いてなよ」

募集人同士で話をしている時の「あるある」
契約者は事故が起きた時に、保険金の支払い対象にならないと
「そんなこと聞いてないよ」と必ずと言って良いほど言ってきます。
私が損害保険会社に勤めていた時に自動車保険の更新を忘れて無保険状態で事故を起こした契約者から「なんとかして欲しい」とサポートセンターに電話あり、契約者宅まで訪問して丁寧に自賠責保険の加害者請求のお手伝い以外は、「なにも出来ない」と説明しましたが、
再びサポートセンターに私から酷いことを言われたとクレームの電話がありました。
契約者は、自分が悪くても保険金が受取れないとクレームを入れるのです。

契約者から募集人の過失により保険金が受取れなかったと損害保険代理店が訴えられた時に対応できる損害保険はあるのでしょうか？

「代理店賠償責任保険」（専門事業者賠償責任保険）

賠償責任保険のプロが賠償責任保険に加入してないのはおかしいですよね。
損害保険代理店が加入する賠償責任保険は
「代理店賠償責任保険」（専門事業者賠償責任保険）です。

保険業法では、契約者保護の為に損害保険会社と損害保険代理店の責任を下記の様に定めています。

保険業法より抜粋
（所属保険会社等及び保険募集再委託者の賠償責任）
第283条　所属保険会社等は、保険募集人が保険募集について保険契約者に
　　　　　加えた損害を賠償する責任を負う。
　　　２　前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
　　　　　　（中略）
　　　３　所属保険会社等の委託に基づく特定保険募集人又はその役員若し
　　　　　くは使用人である保険募集人が行う保険募集については、所属保
　　　　　険会社等が当該特定保険募集人の委託をするについて相当の注意
　　　　　をし、かつ、これらの者の行う保険募集につき保険契約者に加え
　　　　　た損害の発生の防止に努めたとき。
　　　　　　（中略）
　　　４　第一項の規定は所属保険会社等から保険募集人に対する求償権の
　　　　　行使を妨げず、また、前項の規定は保険募集再委託者から保険募
　　　　　集再受託者等に対する求償権の行使を妨げない。

これは、損害保険会社は、損害保険代理店の過失による契約者の賠償に対して責任はあるが、契約者に賠償した賠償金を損害保険代理店に求償する事が出来ると言う事です。

具体的に損害保険代理店が契約者から訴えられるケースは、損害保険の満期時に、何らかの事情があり満期更改されていなく、
その損害保険で事故が発生した事例です。
過去の裁判において損害保険代理店に一定の責任があり賠償金を支払った事例もあります。

この保険は個別に契約する事は出来なくて、損害保険代理店協同組合などの団体に加入して団体扱いで契約します。
賠償責任を販売する損害保険代理店が自らの業務の賠償責任保険に加入するのは当たり前ですよね。