落雷と火災保険(その事故受付、保険金詐欺?)
近年、気象が激甚化してきて落雷の件数も増えてきました。
落雷を原因とする家財や什器備品の損壊は火災保険で補償されます。
例えば、家に落雷があって、テレビが壊れた。テレビの修理費は火災保険で補償されます。企業分野の火災保険でも、電話設備一式が落雷で壊れた場合、その修理費は保険金で支払われます。
「落雷の日時」については気象庁や気象観測会社が提供している観測情報や電力会社のホームページ等で確認できます。また、電力会社のサービスとして料金を支払えば「落雷証明書」も発行してもらえます。
落雷が原因とはっきりとわかっていれば良いのですが。
ここに微妙な問題が発生します。よく募集人から聞く話ですが、
お客様「テレビが壊れたけど、火災保険で修理できるよね?」
(お客様はテレビが壊れた原因を言っていません)
募集人「何が原因で壊れたのですか?例えば落雷が原因ならば保険で対応できますが・・・」(募集人はテレビが壊れた原因を落雷だと推測した)
お客様「落雷が原因じゃないかな。電力会社に確認してよ。」
募集人「わかりました。電力会社に確認して、その日時の落雷でテレビが壊れたと事故報告して保険金の請求の手続きをしますね。」
このやりとり、保険金詐欺として、アウトなのかセーフなのか微妙ですよね。
保険金詐欺については、私のnote「保険金詐欺について考える」
(https://note.com/risk_m/n/nab03b05f9d01)を参考にして下さい。
保険金詐欺としてアウトかセーフかと言うと私は、この話を聞いたときは個人的にはお客様思いの募集人でお客様のご要望に沿って電力会社に落雷の日時まで確認して保険金請求手続きをしているのは、セーフだと思いました。
しかし、保険会社の見解はアウトです。事実として落雷を原因としてテレビが壊れていることがはっきりしていないのに、保険金が支払われるように募集人がお客様を誘導したことになるそうです。これは、「保険金詐欺の教唆」にあたる行為だそうです。
私は、募集人として現役を退いたので、このような問題に巻き込まれることはありませんが、募集人としての知識をお客様の為にと思って使ったことも「保険金詐欺の教唆」に当たる可能性がある、損害保険って難しいですよね。
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