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建設業の「E&O保険」について

建設業の経営者様におかれましては、様々なリスクに備えるために賠償責任保険に加入されているものと思います。
 
従来の請負賠償責任保険や生産物賠償責任保険では補償対象外のリスクに注目したのが「建設業E&O保険」です。

「E&O保険」とは、「業務過誤賠償責任保険」とも言い、従来の賠償責任保険では免責としていた、他人の身体障害や財物の損壊を伴わない純粋経済損失を補償する保険です。
 
請負賠償責任保険では工事遅延等による純粋経済損害(他人の身体障害や財物損壊を伴わない経済損害)や損害賠償責任の発生または拡大を防止するための費用(再施工費用等)に対しては保険金の支払い対象外です。
 
また、生産物賠償責任保険では工事の目的物の欠陥に起因する工事目的物自体の損害や、発注者の経済損害、損害賠償責任の発生または拡大を防止するための費用(再施工費用等)に対しても保険金の支払い対象外です。
 
これらの、従来の賠償責任保険では、支払い対象とならなかった事案に対して保険金の支払い対象としたのが、「建設業E&O保険」です。
 
具体的な事故例としては、
①  オフィスビル新築工事の工事期間中に、既施工部分に重大な欠陥が判明した。補修工事・再施工に時間を要し、引渡時期が遅れたことにより発注者に対して経済的損害をあたえたことについて損害賠償責任を負担した。
 
欠陥機能不具合→発注者の経済的損害→発注者への損害賠償責任
 
②  店舗新築工事の引渡し後に、給排水管の接続不良により漏水が発生した。補修工事を行わない場合に生じる損害賠償責任負担による損害の発生 拡大を防止するため、再施工を行った。
 
欠陥機能不具合→損害賠償責任の発生のおそれ→損害防止措置→欠陥の除去→再施工
 
このようなニューリスクに「建設業E&O保険」が大手損害保険会社で契約できるようになりました。建設業の経営者様は、ご自身のご加入の賠償責任保険がニューリスクに対応できるかどうかご確認することをお勧めします。


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