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Mr.前年同条件に気を付けろ(自動車保険・人身傷害補償編)


前年同条件って、どんな条件?


多くの損害保険は1年更新です。
皆様の損害保険の更新の時期に代理店から、こんな電話が掛かってきたことありませんか?「前年同条件で更新しても良いですか?」
ちょっと待ってください。
「前年同条件」って、どんな条件?
 
損害保険は、万が一の事態に備えて広くお金を集めて事故が起きた人に保険金を支払う仕組みです。
 
当然、契約条件によって支払われる保険金は違います。
 
満期更新時期に、本当にこの条件で良いかどうか損害保険の募集人から説明を受けて契約する必要があります。
 
また、損害保険の募集人も保険業法により「情報提供義務」がありますから、契約者にわかりやすく補償の内容について説明する義務があります。
 

自動車保険の人身傷害保険の保険金額


以前、私の部下が経験した例ですが、自動車保険の人身傷害補償の保険金額が3000万円の契約者が、正月に家族旅行をしていた時に単独事故を起こして運転者であるご主人が意識不明の重体になってしまいました。
 
担当者は奥様に呼ばれて、保険金支払いの説明をしましたが、人身傷害補償の保険金額が3000万円なので、最大でも3000万円までしか保険金が受取れない旨伝えましたが、「幼い子供が二人いて、ご主人が意識不明の重体で、3000万円で何が出来るのか」と罵倒されました。
 
もし、ご契約時に人身傷害補償の保険金を無制限にしていたら、家族構成から推察して1億円以上の保険金を受取れた可能性があります。
 
人身傷害補償の保険金3000万円の根拠は何でしょう?
契約時に正しい説明を受けていたら無制限にしていたかもしれません。
 
これが、「Mr.前年同条件」の罠です。
 
自動車保険の人身傷害補償の保険金額が3000万円なのは、多くの保険会社で3000万円からしか、この補償が付けられないからです。その為に、この補償が出来た時から保険金額の見直しをしていないので、今でも多くの契約が3000万円のままです。
 
皆様の自動車保険の人身傷害補償の保険金額を確かめて下さい。
3000万円の可能性は非常に高いです。
 
人身傷害の保険金額は運転する方の家族構成等によって変える必要があります。お子様がいて、責任世代の方が運転する場合は無制限をお勧めします。
 
保険金額3000万円と無制限の保険料の差は、条件により異なりますが、月額にすれば数百円程度で、実際に事故の時に支払われる保険金の差に比べれば、わずかなものです。
 
一度、契約している損害保険の代理店の募集人に契約内容を確認してください。
 
この、お客様は幸いにも退院されて、お仕事には復帰されましたが、後遺障害は残りました。
 
いざと言う時に役に立つための損害保険にする為に、「Mr.前年同条件」に気を付けて下さい。


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