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太陽光発電所と損害保険

2020年4月から再エネ措置法に基づくガイドラインで10kw以上の太陽光発電所には「火災保険」「地震保険」「施設賠償責任保険」の加入が努力義務とされました。

一般に太陽光発電所が契約する損害保険は「火災保険」「休業損害保険」「施設賠償責任保険」です。企業物件の太陽光発電所の「地震保険」は引受保険会社を探すのも難しいし、保険料も高額になるので契約している企業様は少ないと思います。
「火災保険」は太陽光発電所が火事になったり、風水害で破損したり、契約内容によっては盗難が発生した時に保険金が支払われます。
「休業損害保険」「火災保険」が支払われる事由が発生して、太陽光発電所が発電できなかった時の「休業損害」を保険金で支払われます。
「施設賠償責任保険」は太陽光発電所の敷地内で第三者をケガさせたり第三者の物を壊した時に法律上の賠償責任が発生した時に保険金を支払います。

これらの太陽光発電所の損害保険の保険料は2022年10月に2割から3割値上げになり、2023年9月からは新規契約は※免責金額100万円設定しないと契約できなかったり、さらに2024年10月からは約2倍に値上げされます。
※免責金額100万円とは、100万円までの損害は自己負担で、100万円以上の損害に保険金を支払う事です。例えば150万円の損害が発生したら保険金は50万円しか受取れません。

私が個人的に確認したところ、事故の無い継続契約は前年同条件で契約できますが、事故ありだと免責金額100万円の設定が無いと継続できない。ましてや新規に契約する場合は契約できる保険会社を探すのが大変な程です。

これは、大規模な太陽光発電所は山間部に設置されており「自然災害」で事故が多発、また「ケーブル盗難」の事故も多発して保険会社が大赤字になっているからです。

もはや、事故が多すぎて太陽光発電所の損害保険は「大数の法則」が効かなくなり保険契約が困難になる時代も来るかもしれません。

そんな中、再エネ措置法のガイドラインで加入が「努力義務」とされる損害保険の補償内容を担保すると謳っている保険が大手損害保険会社から一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)の団体契約として契約できます。
https://www.web-tac.co.jp/solar/
この損害保険の内容は個人的には安価・ネット完結で加入出来る利点はありますが、肝心な所の補償から逃げているので、この損害保険のみに加入しているのでは完全にリスクを保険に転嫁した事にはならないので注意が必要だと思います。


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