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高級時計店強盗に思う事

先日、大阪心斎橋の貴金属店で、中国籍の犯人が従業員を刺して高級腕時計を奪って逃走。関西空港で捕まりました。
とうとう死人まで出てしまいました。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

私は、パートナー企業と約20年に渡り高級腕時計の「商品付帯動産総合保険」の仕組みを構築・運営してきたので、一般の人より少し、高級腕時計に精通しています。

ここ何年か、高級腕時計を狙った荒っぽい強盗が日本全国で発生しています。では、何故、高級腕時計なのでしょうか?

1.世界中にリセール市場(2次流通市場)がある。
       盗難した時計は換金できる。日本で盗難された高級腕時計のリファレン
       スナンバーは、すぐに2次流通店に通知されて、そちらを買い取った
  業者は警察に提出しなくてはならないが、海外ではその限りではない。

2.札束よりも小さい。
  腕時計は片手で何本持てますか? 3本は持てますよね。
  その1本が1000万円以上、片手に3000万円両手で6000万円。
  6000万円の札束は両手で持てません。小さくて高級だから狙われる。

3.  信頼の日本ブランド。
  強盗に入られた時計店は、どこも2次流通店です。
  日本の2次流通の時計は本物であると評価が高く、海外ですぐに買い
  取ってもらえる。

では、何故、高級時計はそんなに高額なんでしょうか?
いわゆる機械式時計と言われるものは、職人が部品から手作りしている1点物で、私が聞いた話では、まだ出来てもいない時計に3000万円の値段で予約して、実際出来上がったら6000万円と言われても、辞退したお客様はいなかったと。「希少価値」「欲しい人がいっぱいいて」「流動性(換金性)が高い」からだと思います。

高級時計に損害保険をかけることは可能ですし、実際、各店舗様は損害保険の手当てをしています。また、セキュリティー会社とも契約をされていて万全の体制を敷いています。しかし、悪意の塊、闇バイトで集まった輩、意図した強盗に対しては成すすべが無いのが現状です。

盗まれた時計は金銭で補填することが出来ます。しかし、亡くなった従業員は生き返りません。今後は従業員の命を守る対策に力を入れて頂きたいと思います。

空気と安全がタダと言われた治安の良い我が国は何処へ行ってしまったのでしょうか。

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