分譲マンションの火災保険の保険金額はいくら？

マンションの火災保険の保険金額は購入金額か？

先日、取引先の役員から
「タワーマンションを購入したので火災保険をかけたい、保険金額は3億円にして欲しい」
私は、「いくら200㎡の部屋でも3億円は超過保険になります。3億円って、何の金額ですか？]
役員は「タワーマンションの購入金額だよ。」

また、分譲マンションを購入されたお客様からこんな話を聞きました。
信用金庫の職員が、
「信用金庫で借り入れをしたので、分譲マンションに火災保険をかけて質権を設定して下さい。その際は分譲マンションの火災保険の保険金額は借り入れをした購入金額で設定してください。」と言っていましたと。

なんで購入金額なの？
分譲マンションの購入金額は土地代・供給部分の建築費・専有部分の建築費・宣伝費・マンションデベロッパーの収益等で成り立ってます。
だから、分譲マンションに火災保険をかける場合の保険金額は専有部分の壁から内側の内装、造作にかかった建築費にします。

タワーマンションなら立地が良いので土地代が凄いですよね。
２００㎡では、どれだけ高く専有部分の保険金額を設定しても6,000万円が限度だと思います。

分譲マンションの火災保険の正しい保険金額は？

ファミリータイプの分譲マンションでは約1,000万円～約1,500万円が妥当な保険金額とされています。この金額はスケルトンにした後のフルリフォームの費用と考えると納得できますよね。

販売価格4,000万円の分譲マンションの火災保険の保険金額が1,000万円であることは、理屈を聞けば納得しますが、先の役員や信用金庫の職員の間違いも理解できますね。

分譲マンションは、マンション管理組合で躯体・エレベーター・付属設備等を対象とした共有部分の火災保険に別途加入しています。

共有部分の地震保険の保険金額の考え方

また、よく皆様が間違えるのは、マンション管理組合が加入する共有部分の地震保険の保険金額です。

建物の地震保険は火災保険の保険金額の30％～50％で保険金額を設定して5,000万円を限度に加入できます。5,000万円を限度にとは、建物の火災保険金額が1億円以上となります。

しかし、この限度額は1世帯に対して設けられているもので、例えば10世帯が居住している分譲マンション建物の保険金額が5億円の場合には2億5,000万円まで地震保険に加入することが出来ます。

私は以前、この様なケースで5,000万円しか地震保険に加入していなかった証券を見たことがあります。初歩的なミスです。ただでさえ建物保険金額の半分までしか保険金額が設定できない地震保険、加入するなら限度額いっぱいまで掛けたいですよね。

建物の地震保険は30％～50％、5,000万円の限度額がありますが、最近では大手損害保険会社では地震保険の倍額補償の特約が付けられる火災保険もあります。
全壊した場合は実質的に100％の補償を受けることが出来ます。
地震の被害が怖い方は、そちらを検討すればご安心だと思います。

身近な火災保険ですが、まだまだ初歩的なミスをしている契約を見ることがあります。一度、ご自分の火災保険が正しいかどうか専門家に見てもらう事をお勧めします。