損害保険大手4社の課徴金の記事を読んで思う事
2024年11月1日の日経新聞によると、「公正取引委員会は損害保険大手4社が、保険契約をめぐって、他の保険会社と保険料金などを事前に調整することで保険料を調整したり、受注予定者を事前に決めて受注できるようにしたなどのカルテルや談合があったと認定した。 これらについて、公取委は独占禁止法違反として損保4社に、排除措置命令と課徴金納付命令を行った。課徴金は4社合計で20億7164万円。」
私はこの記事と損害保険会社のビックモーターを始めとする一連の事件と、金融庁が示している対策については、まったく同意できません。
そもそも、本質は「利益相反」している企業を損害保険代理店としている事です。カルテルの問題が発覚した大手電鉄会社の損害保険の契約にしても、その系列の企業代理店の取扱いです。昨日まで電鉄会社に勤めていた人が系列会社の損害保険代理店に出向してリスクマネージメントが出来るのでしょうか?
私は損害保険は「社会の公器」だと思っていて、過度の競争は必要ないと考えます。現に自動車保険や個人分野の火災保険においては、損害保険料率算定会が算出する参考純率を各社とも通販会社まで利用しているカルテル除外業種では無いですか。
もし仮に、純粋な競争原理の中で損害保険の契約をするなら、大手電鉄会社が持つリスクに対して全ての保険を引き受けることが出来る会社は存在しません。各社での話し合いは適正に全てのリスクを引受けるためには必要な事だと思います。
これを解決するには、まず、ど素人の企業代理店での系列会社の損害保険の契約を禁止して、企業がブローカー(保険仲立人)を通じて各保険会社と交渉して最適な保険引受けをする事だと思います。さらに、企業内にブローカー(保険仲立人)と対等に交渉できるリスクマネージメントの専任の役員を配置すべきだと考えます。
日本の損害保険業界は、あまりにも真のプロが少なすぎます。金融庁が進める改革でブローカー(保険仲立人)を使いやすくするとしますが、外資系のブローカー(保険仲立人)が市場を独占してしまう気がします。