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人工衛星とAI技術

埼玉県の道路陥没に続き千葉県でも水道管の破裂、高度経済成長期に作られた社会インフラの老朽化が深刻化しており、暗い気分にさせられます。


「天地コンパス 宇宙水道局」


そんな中、ヤフーニュースで紹介された人工衛星とAI技術を活用した、
JAXA認定の宇宙ベンチャー企業・株式会社天地が運用する「天地コンパス 宇宙水道局」は私を明るい気分にさせてくれました。

従来、水道管の点検は人の手により音を聞いて判断していたそうですが、
膨大な水道管、こんなに事故が続くと間に合わなくなるのでは、と考えるのが普通です。

そこで、人工衛星の画像をAIで解析して、水道管の補修の優先順位を決める画期的な技術が「天地コンパス 宇宙水道局」です。このシステムは複数の人工衛星が観測したデータ(=宇宙ビッグデータ)やオープンデータから約100m四方の範囲内で漏水リスクの可能性区域を5段階で確認・管理できる、クラウド型のシステムだそうです。

このシステムで日常的に漏水地点を登録・管理することで、蓄積した漏水データを基にAIが漏水リスクを再評価(精度向上が期待)することも可能で、2022年度に行った、内閣府の実証事業である豊田市との実証実験や他自治体へのヒアリングを通して、このシステムに期待できる効果は点検費用が最大65%削減、調査期間が最大85%削減とされています。

一連の事故を受けて現在「天地コンパス 宇宙水道局」には、問い合わせが殺到しているそうです。

水災の保険金の支払いに人工衛星


損害保険の世界でも人工衛星とAI技術を融合したシステムが活用されています。それは、東京海上日動がICEYE社と提携してSAR衛星を活用したシステムです。SAR衛星は天候に左右されずに衛星画像を撮ることが出来、この画像をAIに解析させて火災保険の水災の保険金の支払いを迅速にするのです。

東京海上日動は現在は水災の保険金の支払いに活用していますが、今後は
地震や台風損害の保険金の支払いにも活用の幅を広げていくそうです。

また、東京海上日動は、民間企業や自治体への有償提供を開始し、地域社会の災害レジリエンスの向上にも取り組んでいく予定だそうです。
「人工衛星データの解析結果を民間企業や自治体に有償で提供することで、被災企業や被災者の早期被害復旧も支援したいと考えています。人工衛星データによる迅速な被害状況の把握により、サプライチェーンマネジメントやインフラ復旧の早期化、罹災証明書発行手続きの迅速化などに役立てていきたい」と具体的な取り組みについて語っていました。

日本は、社会的インフラの老朽化に直面していますが、一方で人工衛星とAI解析と言う新しい技術が問題を解決してくれそうです。


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