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ドライブレコーダー特約に思う事

ソニー損保の調べによると2024年のドライブレコーダーの搭載率は51.9%だそうです。ドライブレコーダーの購入金額の平均は26,576円、自動車保険のドライブレコーダー特約は月額1,000円前後で、自分で購入するのと特約保険料を払うのと、どちらがお得なのでしょうか?

コネクテッドカーの概念を私が初めて知ったのは10年ほど前に大手損害保険会社のセミナーでの事でした。既にヨーロッパではドライブレコーダー特約が自動車保険にあり、加速度センサーで大きな衝撃を感知した場合にドライバーと連絡が取れなくても救急車を手配すると聞いて衝撃的でした。

それから、数年で日本においてもドライブレコーダー特約が大手損害保険会社から導入されました。

損害保険会社のドライブレコーダー特約の優位性は、損害保険会社と繋がっている事です。自分で購入したドライブレコーダーは映像は記録しますが、何処とも繋がっていません。繋がることにより事故現場に警備会社の人が駆けつけてくれるサービスがある損害保険会社もあります。

繋がってなくても映像が残るのは自動車事故解決のスピード化に役に立ちます。映像が無い時代は、どちらが赤信号で突っ込んだかが証明できずに悔しい思いをしたドライバーもいるでしょうが、映像が残れば言い逃れは出来ずに過失割合も決まります。

事故解決のスピードも速まるので損害保険会社はドライブレコーダー特約の付帯率を上げるように損害保険代理店に強く要請してきます。

ドライブレコーダー特約を付帯すると契約者住所にドライブレコーダーが送られてくるので自分で装着しなくてはなりません。損害保険代理店が勧めると当然、契約者は損害保険代理店に「ドライブレコーダーを付けてよ」と、依頼します。ある損害保険代理店の店主は「いつから私は車屋さんみたいにドライブレコーダーを付ける作業を毎日しなくてはならないのだろう」と嘆いていました。ドライブレコーダーを車屋さんに付けてもらえば当然、費用が掛かります。その費用を損害保険代理店が出せば保険業法300条違反、特別利益の供与になってしまいます。だから、しぶしぶでも自分たちで無料で付けるのです。

ドライブレコーダーを既に購入している人には、加速度センサーとGPSの機能が付いている3センチ四方のデバイスを車の中に入れておくだけで、カメラの機能はありませんが、ほぼ、ドライブレコーダー特約と同じサービスを月々数百円で受けることが出来る特約もあります。

大手損害保険会社は、自社のドライブレコーダー特約が付いている自動車が撮影した大量のデータを加工して、自治体に道路補修の優先順位を付けるサービスを販売しています。契約者からお金を取って集めた映像を販売している。事故時の解決もスムーズに行く。損害保険会社にとってもドライブレコーダー特約は良い事だらけです。

ですから、私は、ドライブレコーダー特約は特約保険料を契約者から徴収するのではなく、ドライブレコーダー割引にして、自動車保険の保険料を割り引く制度にするべきだと考えます。


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