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在留外国人と自動車保険2

私たちの立ち上げた日系ブラジル人に自動車保険を販売するチームは順調に契約件数を伸ばし、大手損害保険会社の年間増収代理店の表彰制度では何年も連続で表彰されました。

損害保険のビジネスは新規契約を獲得するのは難しいのですが、基本的に1年契約で継続契約は難しくなく更新することが出来ます。満期更改率は92%前後だと思われます。100件の契約があれば、92件は満期更新されて8件の新規契約を獲得すれば前年と同件数の契約が出来ます。単純に言えば翌年の売上の9割が確定されているビジネスであり、このことが損害保険ビジネスの旨味にもなっているのです。

しかし、私たちの日系ブラジル人チームの自動車保険の満期更新率は70%で、新規契約は獲得できるのに1年たって30%が落ちてしまうのです。酷いケースでは、せっかく契約をしたのに一度も保険料が落ちないままに解除失効になってしまう契約もありました。これは、保険証券目当ての契約です。勤めている会社から自動車で通勤する為には保険証券を提出する必要があるから保険証券を獲得するために保険料は払うつもりが無いのに自動車保険の契約をするのです。

悪意が無いケースでは、印鑑の文化が無い彼らにとって、自分の銀行印が、どれかがわからなく、せっかく口座振替依頼書を提出しても不備になり口座から保険料が引き落されずに解除失効してしまう事です。

自動車保険の新規獲得件数は驚異的な数字なのですが、満期更改率が70%だと、穴の開いたバケツに水を入れ続ける様なものでした。

日系ブラジル人の募集人の採用の拡大を続けている時は、満期更改率が悪い事よりも驚異的な新規獲得件数により営業成績は伸び続け、真剣に満期更改率を改善する努力を怠ってました。

さらに、問題なのは、契約件数が増えるにつれて判明したのが、損害率の悪さでした。通常の自動車保険の損害率は60%を超えなければ健全だと言われてますが。何と80%を超えていて、特に故障時でも使う事の出来るロードサービスは酷い損害率でした。推測するに、古い車を購入するケースが多く、故障時のロードサービスを中古車屋さんが上手く使っているからだと思います。

私は、5年前に、その代理店を辞めていますが、現在、その代理店の存続を脅かすような状態になっている様です。

この件につきましては、「在留外国人と自動車保険3」に続きます。


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