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抜海駅ジオラマを作る #1
北海道の鉄道、とりわけ1970年前後の車両に興味を持ち、雑誌やDVD、ネットで画像や動画を見ているうちに、宗谷本線の美しい風景に魅せられるようになりました。SL廃止近くまで客車列車が運行されていたこともあり、たくさんの資料が残されています。特に印象的だったのが、国鉄関係者の方が撮影されたという、1967年に撮影されたこの動画でした。遠くに利尻富士を望む高台と急行利尻の素晴らしい組み合わせに見入ってしまいます。こんな素晴らしい映像の公開に尽力された方々に感謝します。ああ、こんな時代を体験できていたら。
この時代の利尻の編成は、ほとんどの客車がNゲージの鉄道模型として市販されており、リアルなサイズのC55も一昨年トミックスから発売されたので、1969年辺りを想定した編成を再現してみました。
いやー、楽しいですね。せっかくなら北海道らしい風景の中を走らせたい。でも未経験の私がいきなり大レイアウトを作るのは荷が重すぎるので、まずは小さな、抜海駅のジオラマに挑戦することにしました。完成にはかなり時間がかかりそうですが、細かいことを忘れてしまわないよう、そして何よりも途中で投げ出さないよう、過程を思い出しながら書いていこうと思います。
映画のロケにも使われた有名駅なので、いろいろな写真が残されており、私の作りたい70年代の駅舎の画像は20枚ほど集めることができました。参考用に集めた最近の画像も含めると100枚近くになりましたが、メインの駅舎(駅本屋と言うようです)は時期によって形状が相当違うだけでなく、窓の有無や窓枠の色などの変化も多いし、角度的によくわからない部分も多い。とはいえ難しそうな窓にはエッチングされたアルモデルの【建物用】窓・扉セットが使えそうなので、ひとまずこれをスキャンし、窓との比率から他の部分を寸法を割り出して図面らしきものを作ってみました。
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厚めの紙に印刷して試作したところ、どうやらサイズ的には問題なさそうです。これがちゃんと作れたら楽しそうですが、本番の材料はどうしよう? 紙だと金属製の窓枠との接着が難しそうですし、細い部分もあるので強度的にも心配です。プラバンを切り抜くのは精度的に厳しそうで、だったら作りやすくデフォルメした方がいいのか?などと悩み始め、しばらく放置してしまいました。うーん、どうしよう。
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ここまでの参考資料:
Facebookのプライベートグループ「今どき蒸気機関車の走る街」「日本の客車(列車)(海外譲渡車含む)画像残そう(但し保存車除く)」などで公開されている、個人撮影の写真各種。各グループに参加しないと閲覧できませんが、70年代の駅舎の素晴らしい画像があり、最も参考になりました。
「日本の駅」鉄道ジャーナル刊 1972年:入口側は、主にここに掲載されている写真を参考にしました。
地図・空中写真閲覧サービスで見られる、1977年撮影のカラー航空写真。屋根の様子や位置関係がよくわかります。
「蒸気の時代」No.84:駅の北側の丘から撮影したカラーの俯瞰写真あり。
TVドラマ「少女に何が起こったか」DVD:放映は85年なので、撮影は84年でしょうか。ホーム側の窓枠や柱が白く塗られ、煙突が南側の妻面に移動して、建物の横に北海道ならではの灯油タンクが置かれるなど、だいぶ印象が違います。駅舎内の様子も見えますが、今とそれほど変わっていないかも。
映画「南極物語」:映画公開が83年なので、撮影は「少女に〜」の少し前の82年でしょうか。夏の雰囲気が良いですね! 天北線の駅説もあるらしいのですが、これは確実に抜海駅ですね。それを現地で検証された方のブログも興味深いです。
「昭和の鉄道施設 東日本編の実測図面」:抜海駅に特化した内容は無いのですが、建材のサイズを含めた建築寸法の決まりごとなどが書かれていて、駅の図面を書くのにとても参考になりました。