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大学はゲーム三昧。 シュミット・ダニエルの睡眠改善のきっかけ【サッカー】

<記事トップ写真 本人提供>

「本番までをどう過ごすか」が、試合でベストなパフォーマンスを出すためにはとても重要です。

本特集企画「準備が8割。勝利のためのルーティーン」では、食事・睡眠・休養において、日々勝負の世界で生きるアスリートのルーティーンを取り上げていきます。


第1回は、ベルギーリーグのシント=トロイデンVVに所属するシュミット・ダニエル選手。2018年には日本代表デビューを果たし、その後もコンスタントに名を連ね、今回2020年のカタールワールドカップでも代表入りしています。

197cmと恵まれた体格を持ち、ピッチ上では存在感が際立ちます。しかし、学生時代は「ピッチ外での意識が高くなかった」とのこと。睡眠の重要性に気づいたのは、2020-21シーズンからだと言います。

世界で活躍する彼に、睡眠への意識が変わったきっかけと、ポイントをお伺いしました。

ゲーム三昧な学生時代。睡眠への意識は低かった

アスリートの睡眠は、食事やトレーニングほど注目されていないように感じます。僕も高校や大学では何も気にしていなかったですし、プレーに影響が出るとは思っていませんでした。


東北学院高校時代は、環境に恵まれていました。人工芝のグラウンドがあって、部室もそれなりに広く、OBのGKコーチもいます。名門校ほどではないですが、充実していたと思います。放課後に練習して、週1回はオフがありました。

ピッチ外での意識は高くありませんでした。食事や睡眠には気を使わず、筋トレもしていませんでしたね。睡眠時間は6〜7時間くらいで、8時間以上寝ることはほとんどなかったと思います。朝が早いので夜更かしはあまりできないですが、24時を回ったら寝るのが遅いと感じていました。


少しずつ身体のコンディショニングと向き合い始めたのは、中央大学に入ってからですね。

大学は寮生活で、サッカー部以外の人も含めて全部で400人くらいが住んでいたかと思います。その中で他の部の選手がプロテインを摂取したり献立を考えて実践している姿を見て、まず食事に気を使うようになりました。

同期の皆川佑介(ベガルタ仙台)の影響で、筋トレにも力を入れるようになりました。彼のストイックさは当時からすごかったです。彼と一緒にいることで筋トレ後のプロテインの重要性も学び、意識がどんどん変わっていきました。

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ただ、睡眠だけは何も意識していなかったんですよ。

寮の消灯時間がないので、毎日遅くまでゲーム三昧でした。後輩のプレイステーションの電源を勝手に入れて、Call of Dutyをやりまくっていましたね(笑)。

特に入学から2年間は、練習が午後だったので、朝から授業さえなければ夜更かし。途中から午前練習に変わったのですが、そこからようやく早く寝るようになりました。

そもそも4人部屋だったので、睡眠にこだわるのは難しかったと思います。常識の範囲内で騒いでいましたが、早く寝るために耳栓をしている人もいました。部活を真面目にやっていない人は、結構騒ぎ立てていましたね。僕たちは、あくまでサッカーに支障がない程度の夜更かしでした。

怪我をきっかけに見つけた、睡眠の2つのポイント

プロになって、コンディションの調整をより意識するようになりました。やはり毎週末に試合があるので、ピッチ外での準備も大切です。トレーニングや食事がチームで管理されて、知識も身につきました。


一方で、睡眠は個人の問題に捉えられがちだと思います。今のチームでも睡眠の話題はあまり出ないですし、試合でホテルに前泊する時も、マットレスがふわふわで寝づらいことがあります。他のチームがどうかは分かりませんが、睡眠は管理が難しいのかもしれません。


睡眠の質を意識するようになったのは、2020-21シーズンに入ってからです。昨季は大怪我をして、シーズンの半分以上は試合に出られず。今季もスタートは出遅れてしまいました。リハビリの時間が多くなり、食事や睡眠も見直して、体に疲れを残さないように心がけました。その中で、8時間くらい寝たほうが、次の日の目覚めが良いことに気づきました。

また、寝る時間が早ければ早いほど、次の日の目覚めが良いように感じます。夜1時に寝て朝9時に起きると、8時間は睡眠が取れていますが、体は重くなります。でも、夜11時に寝て朝7時に起きれば、すっきりしていると実感します。時間とタイミングの両方が重要性なんだな、と。

子どもの存在が、良い睡眠習慣に繋がる

睡眠の重要性に気づけたのは、子どもの存在も大きかったです。いつもは子どもを寝かしつけた後に、テレビを見たり、リラックスしたりしていました。ただ、1回同じタイミングで早く寝てみたら、次の日に体が軽くて。

これを習慣化すれば、パフォーマンスが上がるのではないかと思いました。逆に僕は寝るのが遅いと、顔にも出るみたいです。GKコーチに「お前、顔が疲れているな」と言われることもあります。

今は女の子が2人いて、長女は4歳です。僕より外国人のような顔をしていて、顔立ちがはっきりしているので、何か機会があればオファーをください(笑)。本当に良く喋る子です。

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溺愛している娘さんと <本人提供写真>

家族は僕より遅れてベルギーに来て、住民票の発行に時間がかかりました。子どもを学校に行かせることができたのは、到着から1年半後。それからは子どものスケジュールに合わせて、朝は早く起きて、夜は早く寝るようになりました。


最近、寝る前はストレッチに集中して、スマートフォンを触らないようにしています。ブルーライトを浴びるか浴びないかで、寝つきがだいぶ変わるように思います。

基本は自分で実践して気づくことが多いですが、SNSの情報を参考にすることもあります。他のGKや栄養士の発信を見て、良さそうだと思ったものは、とりあえず試してみる。ただ、アスリートの睡眠の情報はあまり見かけないですね。まだまだ試行錯誤していますが、今後もベストなパフォーマンスが出せるように意識していきたいと思います。

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