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夏休み特別プログラム「脱炭素まちづくりカレッジ体験授業」

むすびつくばライズ学園「夏休みバージョン」期間中は、8つの特別講座を企画しました。
特別講座は、地域で活動している人たちをお招きして、色々な学びを提供いただきました。


8月29日には、松崎貴志さん(issue+design®脱炭素まちづくりカレッジファシリテーター)をお呼びして、脱炭素について学び、シミュレーションゲームを通して未来の地域づくりについて考える活動を行いました。

講師の松崎さん(まっちゃん)

前半は、地球を取り巻く温暖化の減少について、スライドショーや映像を見て知りました。

「最高気温が50℃を超えました」というニュースがながれるかもしれない未来を想像する子たち。「スーパー台風101号」もリアルに感じました。

主に中高生が対象の活動で、難しい言葉もありましたが、小学生も松崎さんの話をよく聞いていました。

日本や茨城県は、他の国や他の都道府県と比べてもCO2の排出量が高い現実にみんなで驚きました。いろいろなデータを見て、自分たちが地球を暑くしているかも…という気持ちも高まり、「地球のためにはロボットだけの世界のほうがいいのかな」と小声でつぶやいた子も。

でも、そんな未来を変えるために、後半は、人間ができることを探す、脱炭素まちづくりシミュレーションゲーム。
2030年の「むすびシティー」をみんなでつくることが発表されました!

カードフォルダの中から自分の役割を選びます

子どもたちはそれぞれ、まちを構成する企業(まちづくり会社、IT企業、建築会社)や、行政、農家などに分かれて、脱炭素なまちをつくるために様々なプロジェクトを実行し、制限時間内にまちのCO2排出量を50%まで減らすことが求められました。

プロジェクトを実行するためには、お金、人材、コミュニティレベルが必要になります。

子どもたちは最初から、他の人たちと積極的にコミュニケーションを取り合って、それぞれが持っているもの(お金、人材、プロジェクトカード)を共有し、いろんなプロジェクトを実行していきました。大人より高いコミュニケーション能力で、松崎さんにも褒められていました。

たとえば、建設会社の社長&スーパーの社長&農家&行政職員 で、太陽光パネル設置を推進すべきか?!ダムをつくるべきか?を話し合って、プロジェクトの優先順位を決めたりしました。
行政の人が納得しないと大きなお金が出なくて、行政の人は、いろんな住民のことを考えないといけないし、何を優先するか決めないといけない。
その間に、民間企業の人たちがいつの間にか協力しあって少しずつ出資して、電力を減らすプロジェクトを成し遂げていたり。

実行することでお金がもらえたり、コミュニティレベル(まち全体の脱炭素への関心度)が上がったり、CO2排出量が減ったりします。なかには脱炭素に繋がりそうだけど実際はそうではないプロジェクト(トラップ)カードもありゲームを難しくしています。

太陽光パネル設置がよさそう、と思っても、よく読むと「山をけずる」と書いてあったなど、子どもたちは、回を重ねるごとに、プロジェクトカードをよく見て(読めない子は誰かに読んでもらって)、慎重に話し合いながら進めていきました。

リブラリウムスペースから、「神の声」という相談窓口として参加する子も。
建物の断熱化改修に補助金を出すプロジェクトについて意見を求めると、「この今の気候変動の中で、『断熱』だけがすべてではないかもしれない。もう少し多角的に検討したほうが良いのでは?」とのこと。ほかにも、様々な知識と考えに、助けられた「むすびシティー」なのでした。

CO2排出量はプロジェクトを行うごとに更新され、数値が上がったり、下がったりすると盛り上がりました。

子どもたちは誰がお金や人材を持っているのか、それを誰が必要としているか、どんなプロジェクトがCO2を減らすのか、もしくは増やしてしまうのかをよく考え、話し合っていました。

今回のシミュレーションでは、目標のCO2排出量50%には届きませんでしたが、子どもたちが協力してお金や人材をシェアしたり、どんなことをすれば脱炭素まちづくりに繋がっていくのか、体験的に学ぶ機会となりました。

終了後、「どうしても気になる」と言って、「原子力発電を推進する」というプロジェクトカードを松崎さんに持って行った子がいました。「むすびシティー」のまちづくりの中では、反対の人が多くて使わなかったけれども、もし使っていたらどうなっていたのかが気になるとのこと。
データをいれてみると、CO2排出量もコミュニティ度も一気に下がるという結果になりました。「原発は、そのときのCO2排出量が確かに下がる。ただ、後のことや、住民一人ひとりのことを考えると、難しい問題。」松崎さんとその子が話しているのを聞いて、スタッフも改めて視点をもらっていました。

サポートに入ったスタッフも学ぶことが多かった貴重な体験でした。松崎さん、本当にありがとうございました!

(スタッフM)

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