「むすびつくば ライズ学園」はじまります ~ご支援いただいている皆さまへ~
2023年3月23日(木)、むすびつくば では、落ち着いた雰囲気の中で終了式(修了ではなく)が行われました。今年は9名の中学3年生が、それぞれの道へと歩みを進めました。
少しさみしく、けれどたくさんの方々に支えていただいたおかげで迎えた春、むすびつくば は、名称を「むすびつくば ライズ学園」と改め、また新たな一歩を踏み出します。
リヴォルヴ学校教育研究所では2000年11月に「ライズ学園」を開園、2020年10月にはつくば市と協働し むすびつくば を立ち上げ、個性豊かな子どもたちの学びと育ちの支援に取り組んできました。今日を迎えられたのは、皆さまのご理解とご協力のおかげです。昨年は特にご心配をおかけしましたが、活動継続を求める署名活動を進めてくださった保護者、保護者委員の皆さま、応援いただいたすべての皆さまには心よりお礼申し上げます。
私たちは子どもたちの多様なニーズを尊重し、一人ひとりに異なる学びと育ちを支えることに、力を注いできました。「学習支援は必要ない。居場所でいい」という意見もありました。もちろん「居場所」は大切です。しかし私たちは、「居場所だけでいい」とは思いません。例えばいじめにあうなどして不登校状態にある子に、「学びの権利」が保障されないなどということがあっていいものでしょうか。それこそ平等に、「広い意味での学びの機会」が保障されてしかるべきではないでしょうか。私たちは2022年度も、子どもたちの心に寄り添いつつ、一人ひとりに異なる学び(LD:Learning Differences)を尊重しながら、農業体験やカヌー体験、科学実験教室や交通安全教室などを実施しました。
一方、スタッフはボランティア・ベースで大変な量の仕事をこなしています。活動を開始した当時に比べれば、労働環境はずっと恵まれています。しかしつくば市との「協働実証事業」が開始されて以降、特に中心となるスタッフは事務職も兼務しながら管理職としての責任を負うといった状態にありました。
スタッフの多くは、教員免許を保持しています。他に職を求めることもできたはずです。事実と異なる流言が広まったこともありましたが、それでも彼女ら彼らは笑顔を絶やすことなく子どもたちと接していました。私たちは今後、むすびつくばスタッフの、同じように全国で奮闘を続けている方々の、待遇改善を切に求めたいと思います。
2023年4月以降、つくば市では先進的な取り組みも開始されます。それは評価されて然るべきものですが、「公設民営」としてあった むすびつくば が NPOの運営に戻ることを私たちはどう捉えるべきでしょうか。協働の姿勢は維持することはともに確認したところですが、「委託事業」から「補助事業」に戻り、民間団体が事業主体なるということの意味を私たちはどう理解したらよいのでしょうか。
協働のあり方とそれに関する事業評価のあり方については、課題も多く残されていると思います。先行事例としてあったはずの「協働実証事業」がこのような形で幕引きされることは残念ですが、いただいたご意見を大切にするとともに、「振り返り」は事例として生かされるよう努めてまいります。どうぞ今後とも、ご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
リヴォルヴ学校教育研究所 理事長 小野村 哲
同 前理事長 本山 裕子
むすびつくばライズ学園 代表責任者 北村 直子
むすびつくばライズ学園 スタッフ長 松井 由佳
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